第5話 薬学スキル
お父様と別れ、いったん自室に戻る。
午後は、庭師のアランに時間を貰っているから、薬学スキルを使ってみたいな。そのために、前もって薬学スキルのスキルボードを確認をしておこう。
(ステータス!)
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レベル:1
体力:20/35
MP:12/22
攻撃力:5
防御力:6
攻撃魔法:7
防御魔法:8
俊敏性:2
幸運値:15
属性:水属性 レベル1 ▽
薬学スキルレベル1 ▽
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(薬学スキルっと。)
▽薬学スキル
○基礎魔法
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薬草栽培(習得済)
薬草の種を蒔く
縦1メートル横0.2メートル
栽培期間15日
消費MP1
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薬学スキルの基礎魔法は【薬草栽培】らしい。
薬草の種を撒くことが出来るんだ。しかも栽培期間は15日!思ったより短い!これはこれで結構有能だな。
あれ?水属性魔法の時は気づかなかったけど、画面を下にスクロール出来るんだ。
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薬草栽培 レベル2(SP0/5)
薬草の種を蒔く
縦1メートル横1メートル
栽培期間15日
消費MP2
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えっ!
スキル自体のレベルアップも出来るの?
内容から推察するに、どうやらレベルアップすると、MP消費効率が良くなるみたい。
じゃあ、ウォーターも同じようにレベルアップができるのかも。後で確認してみよう。
新しい魔法が楽しみ過ぎて、スキップしながらダイニングにいったせいで、使用人みんなから温かい目で見られてしまった。
◆◇◆◇◆
午後、庭師のアランと庭にきていた。
庭師と言っても、我が領地にはお花畑なんかを整える余裕はないので、農業スキルをもつお母様が種を植えた畑の水やりや収穫等をお願いしている。
また、アランは拳術スキルの使い手なので、用心棒もお願いしているそうだ。
確かに、日焼けした肌に、筋肉モリモリの二の腕。かなり強そうだ。
「それで、お嬢様。今日はどのようなご用命で?」
「アラン。これからは私も自分の畑を持ちたいの。お世話は自分でするから、私用の新しい畑を作ってくれない?」
意外なお願いだったのか、アランは一瞬「ほう」という表情を見せたが、直ぐに「承知いたしました。大きさはどのくらいにしましょうか?」と恭しく返事をした。
「大体縦横5メートルくらい欲しいわ」
「分かりました。では1〜2日程お時間をいただいてよろしいでしょうか」
「勿論よ。ただ良ければ縦横1メートル分だけ急いでくれる?ちょっと試したいことがあるの」
「承知いたしました」
「ありがとう。よろしくお願いします」
アランに畑作りをお願いしている間、自室に戻ってステータスを確認する。
薬草栽培と同様、水属性魔法にもスキルレベルアップがあるかどうか確認するためだ。
▽水属性魔法
○基礎魔法
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ウォーター(習得済)
水を作り出す(10リットル)
消費MP1
ウォーター レベル2(SP0/5)
水を作り出す(50リットル)
消費MP2
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うん、やっぱり水属性魔法もスキルレベルを上げられるみたい。
どんどんスキルアップさえできれば、水不足も解消できるし、お風呂の建設だって夢じゃないよね。
新たな事実発見にスキップしながら庭に戻る。
すれ違う使用人達に温かい目で見られたのは言うまでも無い。
◆◇◆◇◆
庭に帰ると、アランが2メートル四方の畑を完成させてくれていた。これで薬草栽培の魔法が試せる♪
アランにお礼を言うと、早速畑に両手を置き、「薬草栽培!」と唱える。
ズズズッ
縦1メートル横20センチの範囲に、種が撒かれ、その内の半分程度は既に発芽していた。
(よし!成功だ!)
思わずほくそ笑む。
「なんと!レオナ様は奥様と同じ農業スキルも授かられたのですか?水属性魔法を使えるというだけでも非常に優秀であられるのに!」
「ううん、私の魔法は農業スキルじゃなくて、薬学スキルだよ」とドヤ顔で答える。
私はまだ3歳なんだし、褒められたら素直に喜んでいいよね。
「なななんと!これまた珍しい薬学スキルとは!」
とても驚いたのか、アランは手に持っていたクワを落としてしまった。どうやらアランは、リアクションが大きめらしい。こんなに褒められたら調子に乗ってしまいそうだ。
「このアラン、精一杯お勤めさせていただきます」
◆◇◆◇◆
その後、薬草栽培魔法を14回使用し、3平米分に種を植えたところ、魔力切れ直前の合図なのか、頭がクラクラしてきたので、アランに礼をいい、部屋に戻った。
ベッドに入ると急に眠くなってしまい、夕食前にも関わらず爆睡してしまった。