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第48話 帰還

総合ポイント1000ありがとうございます!まさか完結前に到達するとは思っておらず、嬉しく思っております(*´ω`*)

 


属性:鑑定    レベル 1▽

   水属性   レベル41▽

   薬学スキル レベル38▽

   農業スキル レベル_▽

__________________



「司祭様お待たせしました。確かに鑑定スキルを習得したようです」


「はい。信用していただけたようで安心致しました。ではレオナ様、これを」


「これは水晶玉ですよね?」


 差し出されたのは、手のひらサイズのまん丸な水晶玉。


 


「えぇ、普段私が使っているものと同じものです。素質の開花が、神からのご加護ではなく鑑定スキルによるものだと知れれば、良からぬ者たちに命を狙われかねません。そのため、この水晶玉であくまで人為的な力ではないとアピールし、カモフラージュしているのです」


 転生してからグライスナーで生活してきて、宝石の類はまだ見にしていない。


 曲がりなりにも、領主の娘であるにも関わらずだ。


 ということは、この目の前にあるものは、大変高価なものである可能性が高い。


「なるほど。でもこんなに高価そうなもの、私いただけません」


「もらってください。貴方に会ったあの日から、この水晶玉をお渡し出来る日をずっと楽しみにしていたのです。しかもコレ、本物そっくりに作ったレプリカなので、そんなにお高くないですよ」


 そう言ってニッコリ笑う司祭様。それに、渡すのを楽しみにしていたと言われると、さすがに断りづらい。


「う······いいんでしょうか?」


 


「勿論です。是非もらってください」


「では、ありがたく頂戴します」




「それからレオナ様、先程鑑定スキルはランクSS、珍しい魔法適性だとお伝えしたと思います。一方で、他者の魔法素質の開花ができるというその性質上、多方面からの需要が大きい魔法です」


「それは···そうだと思いますが·····?」


 含みのある言い方。何を仰りたいの?


「つまり、まだ若いレオナ様には酷かと思いますが、いずれは貴方様にも、州長直々に鑑定の仕事の依頼があるかと思います」


「え?つまり、教会で働くことになると?」


 コクリと頷く司祭様。


「少なくとも、州長様はそうご希望されると思います」


「でも私、まだグライスナー領でやりたいことがあって」


「そうでしょうね」


「······」


「今すぐというお話ではありません。将来の事は、これからゆっくりお考えください」


「はい、そうします。司祭様、今日はありがとうございました」


 なんだか疲れちゃった。早くみんなとグライスナー領に帰ろう。


 椅子から下りて、司祭様にお辞儀をする。小さな歩幅で数歩歩き、テオ達が待つ部屋へと続くドアに手をかける。


「レオナ様、最後に老婆心ながら1つ助言させてください」


「?」

 ドアに手をかけたまま、司祭様の方に身体を向ける。


「レオナ様はこれから鑑定スキルで領民達にスキル付与をなさるのでしょう?鑑定スキルでは、ステータスの上限値や習得可能な魔法を確認できますよね。でもその情報は、あくまで現時点におけるものなのです。たとえば、以前レオナ様がこの教会に来られた時、実はあの時のあなたには農業スキルの素質は無かったんですよ?でも今はそれがある。きっとこの2年間で、農業に携わったり、作物に沢山触れたりなさったのでは?」 


 鑑定スキルの情報だけで才能を推し測るなってことか。


「ご忠告ありがとうございます。肝に命じておきます」


 年配者のありがたい忠告に、再度深くお辞儀をするのだった。





◆◇◆◇◆





「おかえり、アーサー、レオナ。謁見はどうだったかい?」


 大きな問題もなく、無事に帰路に着いたレオナ達。グライスナー領の屋敷に着くと、お父様が出迎えてくれた。


「はい、特に問題有りませんでした。レオナは州長から期待されているようで、特別に声をかけられていました」


「ほう。それはめでたい!良かったな、レオナ」


「はい······」


「ん?どうかしたのか?」と、アーサーお兄様が目線を合わせて優しく話しかけてくれる。


「疲れたよな?今日はもう休んで良いぞ、な?」と気遣ってくれるお父様。


(こんな優しい家族と離れ離れになって、教会で働くなんて、私嫌だよ。こんなことなら鑑定スキルなんて······)


「お父様、お兄様、ご報告がございます。出来ればお母様にも」


 いつになく真剣なレオナに何か感じたのか、3人でお母様の部屋に向かう。


「シャロン、体調はどうだ?中に入っても大丈夫か?」


「えぇどうぞ」


「失礼」


「あらアーサー。レオナ。おかえりなさい。無事に帰って来てくれて安心したわ」


 お母様はなんとかベッドから起き上がろうとするが、やはり身体が辛そうで、お父様が制し再びベッドに寝かせていた。


「ただいまお母様」

「お母様、ただいま戻りました」


「レオナから報告があるそうだ。シャロン、お前にも聞いてほしいとのことだったのでな」


「あら、州都で何かあった?こっちにいらっしゃい」


「お母様!!」


 ぎゅーと抱き着く。柔らかい感触と、優しい匂いに癒やされて、少し目が潤む。その様子にあらあらと頭を撫でながら、子供のようにあやすお母様。いや、まだ6歳だし、子どもには間違いないんだけど。


「お父様、お母様、お兄様、今日は2つご報告がございます」


 グルっと3人の顔を順番に見る。みんな心配そうにレオナをジッと見ている。


「1つ目は、今回教会で新たに【鑑定スキル】を授かりました」


 その瞬間みんなの顔がギョッとなる。


「いやいやちょっと待て!鑑定スキルって一国に1人いるかどうかっていうあの!?」


「聞いたことあるわ。確か魔力量が相当多い人が極稀に授かるとか」


「まさか、本当なのか?」


「誓って本当です。今のところ出来るのは、ステータスの確認と習得可能な魔法の確認だけですが、レベルアップすれば、教会が行っているような魔法を授けたり、新しい技を習得させたりといったことが出来るようになるとか」


「そういえば、昔レオナからステータスがどうだとか聞かれたことがあったわね。もしかしてあの時から?」


「はい。魔法を授かった時から、自分のステータスボードとスキルボードの確認は可能でした」


「何ということだ······。気づいてやれなくてすまない。これだけの事を独りで抱えて、ずっと不安だったろうに。全て父親である私の責任だ」


「そんな、父上のせいではございませんよ。俺だってレオナの魔力量の多さには何となく気付いていたのに。ごめんな」


 お父様に続き、アーサーお兄様も項垂れる。



「私こそ言い出せなくて。ステータスボードとかスキルボードが見れるなんて、気味が悪いと思われるんじゃないかと心配で」


「気味が悪いなんてとんでもない!素晴らしい才能だよ。ちなみにレオナ。ステータスボードとかスキルボードとかって、そもそも何が確認出来るんだ?」


「では、お父様のステータスボードの内容を書き起こしましょう。スキルボードはまだ鑑定スキルのレベルが足りなくて、自分のものしか確認出来ないので、私の水属性魔法になりますが」


 急いで木簡を持ってきて、数字を書いていく。


_________________


対象者:アレス=グライスナー


レベル75(450)


SP82/82(1000)


体力 :456/517(3333)

MP : 87/ 87(250)

攻撃力 :175(500) 

防御力 :232(500) 

攻撃魔法: 89(250) 

防御魔法:111(250)

俊敏性 :109(250)

幸運値 :132(1500)


属性:土属性  レベル17▽

   木属性   レベル_▽

_________________


▽水属性魔法

◯基礎魔法

─────────────

ウォーター(習得済)


水を作り出す(10リットル)

消費MP1


ウォーター レベル2(習得済) 


水を作り出す(50リットル)

消費MP2


ウォーター レベル3(習得済)


水を作り出す(250リットル)

消費MP3


──────────────


「こんな感じで自分の今のステータスと上限値、それから習得可能な魔法とかが分かるんです」


「まさか、私に木属性魔法の素質があるというのか。それに、残りMPや体力まで分かるなんてこの鑑定スキルは有能すぎる」



「レオナ、俺のも出来るか?」


 お兄様も自分のステータスに興味があるらしい。


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