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第47話 ステータスボードの秘密

異世界ーハイファン日間108位ありがとうございました!


─翌日─


「レオナ様おはようございます」


「ふぁぁぁ、テオおはよう」


「昨日はお疲れでしたね。体調はいかがですか?」


「さすがに肩がこったけど、大丈夫よ。今日は教会に行く予定だったかしら?」


「はい。ですが、急遽アーサー様にトルスタイン様との商談が入りまして、本日はアーサー様抜きの4人で向かう事になりました。教会までの案内は私がさせていただきます」


「うん、問題ないわ」


(久しぶりの教会ね。あの時の司祭様がいれば、挨拶しておきましょう)





◆◇◆◇◆





 教会に着くとすぐ、近くにいた男性に話しかける。


「こんにちは。グライスナー領から来ました。魔法適性の確認をお願いします」


 男性は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに柔らかい笑みを浮かべた。


「こんにちはお嬢様。魔法適性の確認ですね。では順番にお呼びいたしますので、こちらで座ってお待ちください」


「分かりました。よろしくお願いします」


 ペコリと大きく頭を下げる。


 椅子に座って順番待ちをしながら、ふと疑問に思う。


 あの人何で私を見て驚いてたんだろう?確かに子供は珍しいだろうけど、そんなに驚くかな?それとも何処かであったことがある?





「レオナ様、次、我々の番のようです」


 かなり緊張した様子のカイル。顔が真っ青だ。カイルだけは自費でこの旅に参加しているし、魔法適性が無かったらどうしようって不安に思うよね。


「カイル、俺達はきっと大丈夫。絶対に魔法を授かって、今まで良くしてくれたアーサーやグライスナー領の皆の力になるんだ」


トムさんは、力強くそう言うと立ち上がり「オレ、行ってくる」とゆっくり奥の部屋に入っていった。



 ドクドクドク。自分の心臓の鼓動が聞こえるくらい緊張しているレオナ。それ以上に緊張しているであろうカイルに何か声を掛けたいけど、良い言葉が思い浮かばない。


 トムさんが部屋に入ってどのくらい時間が経っただろう。多分5分くらいだろうけど、緊張で時間が経つのが遅く感じる。


(トムさん早く戻ってきて〜!出来れば良い魔法を授かったうえで!)




ガチャ


(扉が開いた!)


「みんな!」


 出てきたのは、はち切れんばかりの笑顔を携えたトムさん。バタバタとこちらに走ってくる。


 聞かなくても分かる。魔法適性があったんだろう。


「商人スキルだって!」


「まぁ!グライスナー領初の適性ではないですか!」


「トムさん、おめでとうございます」


「みんなありがとう。昔からアーサーの手伝いが出来ればって思っていたし、オレにはぴったりの魔法だよ!」


「本当ですね!きっとお兄様も喜びます!」


「よし!やってやるぞ~」と腕をグルグル回すトムさん。やる気マンマンのようだ。


「カイル、さぁ行ってこい。お前はオレなんかより断然優秀だし、毎日鍛錬を怠らない努力家だ。きっといい魔法が与えられるさ」


 トムの励ましに覚悟を決めた様子のカイル。コクっと頷き、部屋に入っていった。




 数分後、奥の部屋の扉がゆっくりと開いた。部屋から出てきたカイルの顔には安堵の色が浮かんでいる。


「剣術スキルと氷属性魔法だそうです」


「氷属性魔法?聞いたことないぞ。かなり珍しいんじゃないか?トムさん知ってます?」とテオ。


「いや、初耳だな」


「司祭様のお話だと、実際かなり珍しい適性のようです」と話すカイルは、褒められ慣れしていないのか、どこか照れた様子だ。


「でも素敵じゃない!私が出した水を凍らせたりとか出来ちゃうのかしら?だとしたら、実生活でもかなり便利よね」


思い付きで口に出したレオナだが、カイルは片膝を床に付き、「はい。レオナ様のお望みとあらばいつでも」と、フワリと笑った。



「///」



 つい素敵とか口走ってしまったこととかが、急に恥ずかしくなり、プイとそっぽを向いてしまう。


(あ、そっぽを向いちゃった)


 慌ててカイルの方を向いたは良いものの、「じゃあ、その時がくればよろしくね」となんとも可愛くない返事をしてしまった。


 もう、クールなイケメンのハニカミ笑顔って、何でこう《ぐっとくる》のかしら。



「でも本当にレオナ様が出した水を凍らせる事ができれば、かなり強いですよね。レオナ様に広範囲のウォーターウォールを発動していただき、カイルがそれを凍らせる。さすれば壁の内側に居る者には剣や弓や大半の魔法は届かない。まぁ相手に火属性魔導士がいればすぐ破られるでしょうが」


「まぁ突破されれば距離を詰め、剣術スキルで応戦することもできる」


「これはとんでもない逸材かもしれませんね。少なくともレオナ様の専属護衛としては、これ以上ない才能ですよ」


「弟子の大出世。こりゃあテオさんは気が気じゃないですね〜。ははっ」


「嫌だなトムさん笑い事じゃないですよ〜。明日からこっそり特訓メニューを増やそうと思っていたところなんですから」


 変なテンションで盛り上がるテオとトムさん。




◆◇◆◇◆




「お嬢様」


「はい」


(あ、あの方だ)


「奥の部屋にどうぞ」


 声をかけてくれたのは糸目の司祭様。レオナが魔法を授かった時に対応してくれた方だ。


「はいありがとうございます。テオ、少し外すわね」


 今回レオナの分の寄進代は準備していないのだが、順番待ちしていたと勘違いされたのかもしれない。ちょうどいいからお礼だけ言わせてもらおう。



「レオナ様お一人で大丈夫ですか?」


「大丈夫よ。皆ここで待ってて」



 皆と同じように、奥の小さな部屋を案内される。


 椅子に座ると眼の前には水晶玉が。3歳の時、この水晶玉に手をかざして、水属性魔法を授かったのだ。あの時と比べると、私も少し成長したかな?



「レオナ様、再び会える日を楽しみにしておりました」


「え?覚えていてくださったのですか?」


「勿論です。この役目を承って20年、私と同じ鑑定魔法の素質をお持ちなのは、貴方だけでございましたから」


「鑑定魔法?素質?どういうことですか?」


「レオナ様は、ご自身のステータスボードをご覧になれるのではないですか?」 


「何を仰っしゃられて······」


「何を隠そう、私もこどもの頃からステータスボードを確認できていました」


 思わず絶句する。まさかこんな所で昔調べていたステータスボードの話を聞くとは思ってもみなかったからだ。


「周囲の方には内緒にされていたのですよね。やはり聡い方だ。ステータスボードを確認できるのは、鑑定魔法の素質がある証なのです」


(そうなの?てっきり私が転生者だからかと思ってた)


「これは極限られた者にしか明かされていないのですが、魔法適性は神からのご加護で芽生えるものではありません。鑑定魔法により、素質を開花させているだけなのです」


「すみません、ちょっとよく意味が分からなくて。鑑定魔法では具体的にどんなことができるのでしょう?」


「私が確認している限り、鑑定魔法では、ステータスボードの確認、スキルボードの確認、スキルの付与ができます。勿論対象は自他を問いません。それからサブスキルで人物以外の鑑定も可能です」


「色々できるんですね。では素質の開花にはどの魔法を使うのですか?」


「ステータスボード確認、スキルボード確認、スキル付与の3つです。私は、皆様が水晶に手をかざしている間にこの3つを発動させ、基礎魔法を付与していたのです」


「あの、不快に思われたら申し訳ないのですが、どうしてもお伺いしたくて。どうして前回お伺いした時に、そんな珍しい鑑定魔法を付与していただけなかったのです?」


「それを説明するには、言葉だけでは難しいかもしれません。え〜と極秘情報だから、確かこの辺にしまってあるはず。あったあった、こちらをご覧ください。」

 


「_____これは、ランク表?」


────────ランク表────────

SSS:魔力付与

SS:鑑定

S:光属性、闇属性

A:雷属性、氷属性、政治

B:火属性、水属性、木属性、風属性、薬学

c:土属性、剣術、拳術、弓術、農業、畜産、

 漁業、裁縫、製作、料理、商人

────────────────────



「えぇ。例え素質があったとしても、ランクが高い魔法ほど習得が困難なんですよ」



「鑑定魔法は、ランクSSですね」


「あの日のレオナ様は、鑑定魔法の素質は既にお持ちでしたが、まだ習得可能な状態ではありませんでした。ランクSSの魔法を習得するには、まだ魔法の練度が足りないというか、まぁそういった状態で付与出来なかったのです。なのでお先に当時習得可能だった水魔法と薬学スキルを付与いたしました」


「ちなみに私も最初に付与いただいたのは別の魔法だったんですよ」


「ちなみに司祭様は、最初は何の魔法を?」


「裁縫スキルです。見てください、この帽子もマントもみんな私が作ったのです。よく出来ているでしょう?」


「えぇ、もうそれは。本当にそれこそ州長様への献上品としても申し分無い出来だと思います」


「そうでしょう、そうでしょう」


 糸目の司祭様の瞳が、嬉しそうにまた更に細くなった。


「あの、本当なんですよね?私が鑑定魔法を使えるというのは」


「えぇ、本当ですよ。ご自身のステータスボードを確認できるレオナ様に手の込んだ嘘をついても意味がありませんからね。ささ、鑑定魔法を付与いたしましょう」





◆◇◆◇◆




 司祭様のお話には衝撃を受けたが、表示されるステータスボードが変わったことで、信じざるを得なかった。


 なんと、司祭様の指示でステータスボードを確認してみると、以前は表示されていなかった


・上限値

・習得可能魔法


を確認出来るようになっていたのだ。

_________________

レベル68(1500)


SP97/132


体力  :220/230(3333)

MP   :231/280(3333)

攻撃力 :63(250) 

防御力 :70(250)  

攻撃魔法:63(500)

防御魔法:80(750)

俊敏性 :59(250)

幸運値 :112(720)


属性:鑑定     レベル 1▽

   水属性   レベル41▽

   薬学スキル レベル38▽

   農業スキル レベル_▽

________________


主人公の夢を叶えるため、完結まで頑張ります。引き続き応援よろしくお願いします☆

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