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第41話 新スキル創造part2⑤


 レオナの声を聞きつけてやってきたテオとエリス。


「えっと、実はね、【ポーション生成】の魔法を使わずにポーションを作れるようになったの!」


「まぁ!それはスゴいですね!」


「ずっと頑張っておられましたもんね!なるほど、それであの喜びようだったんですね。ハハッ」


「もう、テオったら。レオナ様、とっても可愛らしかったですよ」 


「///」


(変なステップを見られて恥ずかしいけど、それより今は仕事を進めなくちゃ)


「でね、良かったら2人にもポーション作りを手伝って欲しいんだけど」


「私ならいつでも」


「自分も大丈夫です。なんなら今からでも構いません!」


 私のお願いに、テオもエリスも快く了解してくれた。


 ということで、早速二人にも作り方を教えてみることに。



 ちなみに、魔力水を沸騰させないパターンの物は、あの後も結局ポーション化しなかった。となると毎回15分も煮込む事になるけど、MPは貴重だから仕方ない。


 

「こうやって作ったら、後は冷まして待つだけだよ」


「意外と簡単ですね。これなら私一人でもつくれそうです」

「僕もこれならなんとか」


 特に難しいものでもないので、二人とも危なげなく作業を終えた。


 後は、先程同様、煮込み終わったポーションを冷ますだけだ。


 その間少し手持ち無沙汰になってしまったので、テオお願いして護身術を習い、久しぶりにガッツリ運動することにした。


 いい汗をかきつつ、ポーションの効力が生成者によって変わってしまわないか確認するために、HPを減らすこともできて大満足だ。



「レオナ様、そろそろ切り上げましょうか」


「そうね。ポーションも気になるし」


 ポーションもそろそろ冷えた頃だろうと思い、小屋に戻る。


 温度を確認してみると、充分に熱が抜けていたので、エリスに小瓶に移し替えてもらった。


(うん、この色ならきっと大丈夫ね)



 恐らく、レオナと同様にポーション作りに成功したと思われるのだが、気になることが1つ。エリスとテオでは、完成したポーションの量が明らかに違うのだ。


 エリスは丸々5本分くらいで、テオが4.25本分くらい。誤差というには、大きすぎる差だ。



「テオ、あなたどこかでお水こぼしたりした?」


「!してませんよ!すっごく慎重に作りましたから!」


(おかしいなぁ、魔力水は同じ量渡したつもりだったんだけど)


 疑問は残ったが、後でこっそりステータス確認した結果、どちらのポーションもきちんとHPが150回復したので、とりあえずそれで良しとしよう。






◆◇◆◇◆





 と思ったけど、やっぱり気になる!


 ポーション完成量の違いの原因を探るべく、お兄様、カリン、ガッツ、ポーラ、それからカイルにもポーション作りを試してもらった。


(作れる人は多い方がいいし、原因追求はそのついでよ)


 ポーションを作ってみた反応は様々。


お兄様「結構簡単だな」 

カリン「アーサー様お上手ですね」

ガッツ「ほう、この魔力水、凄い代物ですな」

ポーラ「これなら私にもなんとか」

カイル「この作業、結構好きかも」



 完成したポーションの量は、やっぱり人それぞれ違う。


 エリス>アーサー=ガッツ=カイル>カリン=ポーラ>レオナ>テオの順に多いようだ。


「どうして同じ材料を使ってるのに、完成する量に違いが出るんだろう?」


「あ、あの、申し上げ難いのですが······」


 言いづらそうなカリンを見て、最年長のガッツが「器用な程、量が多いようですな。綺麗に薬草を刻んだ方が、魔力水と上手く反応するんでしょう」とバシッと指摘する。



(なるほど、反応に時間がかかるほど、煮込み時間も増えて、蒸発する量も多くなるだろうし、一理あるわね。でも、ということは······)


「レオナ様、意外と不器用なんですね(笑)」


 今まさにレオナが自分で思っていた事だ。



「テオったら、何てこと言うの!」


「///」


(は、恥ずかしい)


 エリスがフォローしてくれたけど、一番不器用なテオに言われて、顔が赤くなるレオナだった。


(で、でも、薬学スキルが無くてもポーションが作れることが証明できたんだからいいんだもん!)





◆◇◆◇◆





 お兄様がお父様に直ぐ報告したいとのことだったので、本日はこれにて解散することに。



「レオナ様、近々アレの様子を見に、小屋まで来てくれませんか?」


「!もしかしてもうアレが出来たの?」


 神妙な面持ちで「恐らくは」と頷いたのはガッツだ。


「今から行ってもいい?」


 丁度良く先程飲んだポーションのお陰で、レオナの身体は元気いっぱいだった。




 実は、薬学スキルを使わないポーション作りと並行して、もう一つ重要な実験をしていた。



 それは、自家製の塩作りだ。


 グライスナー領に限らず、この国には隣接した海や湖が存在しないため、塩の調達は専ら他国からの輸入に頼っている。


 だからこの国での塩の価格は、前世からすると信じられないくらい高い。


 そのため、塩を自家製出来れば、我が領のお財布事情もかなり改善するのではと考えたのだ。


 あと単純に、そろそろしょっぱい料理を、値段を気にせずに食べたいというのもあるのだが。




◆◇◆◇◆





 時を遡ること2週間。


 新スキルを発見したタイミングでガッツに頼んでいた、石造りの平たい桶が完成したとの報告を受けたので、ガッツの作業小屋を訪れていた。


「いかがでしょう?」


「ガッツありがとう!完璧です。」


 なんてことのない普通の石桶だが、塩作りに使うので、蒸発し易いよう高さを抑えてもらった。


 石造りでかなり重そうだったので、桶の移動は諦めて、そのままガッツの作業小屋の軒下で塩作りの実験をすることに。


 と言ってもレオナがやったことといえば、その石桶に【クリエイトウォーター:海水】の魔法で海水を注ぐことだけだったのだけど。





◆◇◆◇◆





 天日干しにすることあれから約2週間。この地域では珍しくない事だが、雨は一度も降らなかった。気温も高いし、塩作りに適した地域なのかも?



「レオナ様、桶の底を見てもらえませんか?」


 ガッツに促されて石桶を確認すると、底に白い物体が。


(きっと塩だわ!)


ペロッ

「やっぱり!これは塩!」


(しょっぱくて美味しい。早くトマトに付けて食べたい)


「ほら、テオも食べてみて」


「ほ、ほんとだ!これ塩ですよレオナ様!」


 騒ぎ声が聞こえたのか、作業小屋からカイルが顔を出した。


「あ、カイル〜!時間大丈夫ならこっちに来れる〜?」と声を張って呼びかけると、「は、はい!」と言ってバタバタ走ってきた。


「ほらカイル、塩だぞ。お前も遠慮せず一口いただきなさい」


「塩?何でここに?でも···おいしいです」


(やった!)


「んふふ。みんなが気軽に塩を使えるようになる日も近いわ!早速お父様にご報告よ!」



Tipsその5〜服装〜

気温が高く日差しが強い地域であるため、毎日長袖の上着&丈の長いスカート(パンツ)を着ている。砂埃対策で、頭と口元も覆っている。色味は基本白だが、貴族はお金をかけて白以外を着ることが多い。

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