第38話 新スキル創造part2②
前世でまだレオナがこどもだった時、〘人間が想像できる物の大半は、現実に作成できる〙という話を聞いた。
当時は、純粋にその話を信じて、ドラ○もんの魔法道具を現実に作る方法を考えてみたりしたものだった。
勿論、全くアイデアが浮かばす、2〜3日で考えるのを止めてしまったんだけど。
そう考えると、前世は魔法は使えない世界だったけれど、それ故の憧れからか、魔法や魔導具を使う小説やアニメは沢山あった。
その中には、魔法でポーションを生成するような物語もあったはずだ。
それらの小説では、ポーションはどうやって作ってたっけ?
確か、主人公のチート能力のお陰で、原理が説明されないまま、何故かポーションが作れちゃう系の物語もあれば、薬草と水の品質に拘れば拘るほど、良いの品質のポーションが作れる設定の物語もあった。
(そして、より良い品質の材料を求めて、剣やらの腕を上げて冒険に出るのだ)
その際、魔力を注入するかは、物語によって違っていたと思う。
勿論、どちらの物語が良いとかではなく、前世のレオナはどちらの設定でも、すんなり受け入れるタイプだった。
話を戻そう。
現在レオナがポーションを作れているのは、薬学スキルのお陰で、前者の、原理は分からないけど何故かポーションが作れちゃう系の状態だからだ。
であれば、後者の、薬草と水の品質に拘るタイプの作り方なら、薬学スキルがなくてもポーションを作れたりしないかな?
幸い、薬学スキルで作る薬草は、シュバルツさんお墨付きの高品質のものだ。
あとは、高品質の水があれば実験ができそうだ。
◆◇◆◇◆
最近、日課である井戸の補充は、気を張らなくてもこなせるようになっていた。
そのため、今では井戸補充の時間は、レオナにとって貴重な頭の整理の時間だ。
目下、補充中考えていることは、『高品質の水ってそもそも何?』ということだった。
ポーションを作る時のことを思い出してみる。
ポーションを作るときは、薬草に水魔法で出した水を加えた後に【ポーション生成】の魔法を使う。
これまで恐らく何百回とポーションを作ってきたけれど、薬草に水を加えたタイミングで、ポーション化したことは今まで一度もない。
つまり、ただの水を加えるだけではポーションは作れない可能性が高い。
きっとどこかで魔力を注入する必要があるのだろう。
だとすると、魔力を注入するタイミングとして考えられるのは、
①薬草に水を加えた後(現方式)
②薬草に水を加える前
しかない。
何しろ作業工程が少ないから、魔力を注入するタイミングとしてはこの2パターンしかないんだ。
今は①の薬草に水を加えた後に魔法を使う方法でポーションを生成している。
となると、【ポーション生成】の魔法を習得していない者でも、ポーションを作成する方法があるとすれば、②の薬草に水を加える前に魔力を注入するパターンのみってこと?
薬草に水を加える前に、魔力を注入するには_____?
そうだ、あらかじめ魔力を注入しておいた水を使ってみたらどうだろう?
さしずめ魔力水と呼んでおこう。
試してみる価値はありそうね。
お読みいただきありがとうございます。
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