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私は待望の水属性魔導師〜領地復興のため、スキルボードはサブスキルで埋め尽くす〜  作者: 水瀬 潮
第1章 砂漠に生まれた水属性魔導士
35/80

第35話 作戦会議②

ブックマーク100件ありがとうございます!

とっても嬉しいです☆

明日、明後日も更新予定ですので、引き続きよろしくお願いします!




 と、意気込んだものの、収入を増やすにはどうすればいいのだろう?


 魔法を使わずに栽培できるようになったトマトを、シュバルツに買ってもらう?


 それとも、新しくスキルを習得した、目新しい野菜を栽培して売る?


「ねぇテオ、トマトを大量に売るのと、目新しい野菜を少量売るの、どっちの方が稼げると思う?」


「え〜と、自分にはちょっと」


「ん〜そもそもトマトって、この辺で買えるのかな?目新しい野菜より、トマトの方が単価が高い可能性もあるよね」


「確かに。ではアーサー様にお尋ねになられたらいかがですか?」





◇◆◇◆◇




コンコン


「お兄様、レオナです」


「お〜入れ〜」


「失礼します」

 


 久しぶりにお兄様の部屋に入る。


 キラキラ美男子のお兄様だけど、部屋の中は割とシックな感じで驚いた。




「俺の部屋まで来るのは珍しいな?どうしたか?」


「そうでした。実は、ご相談がありまして」



 無意識に部屋の中を観察してしまったけど、ここに来た理由を思い出し、かくかくしかじかと、これまでの経緯を説明する。




「なるほどなぁ〜。派遣人数を増やすために収入を増やしたいと。その方法として、領地で栽培したトマトか新種の野菜か、どっちを売るべきか悩んでるんだな?」



「そうなんです」


 理解が早くて助かる。



 アーサーお兄様は、ん〜としばらく考えた後、「トマトは、少し遠出すれば割とどこでも売ってるぞ。確かじゃがいもよりは数倍高かったかな」と教えてくれた。


「驚きました。トマトはどこでも売ってるんですね」


「じゃなきゃ俺が苗を入手出来るわけないだろ?」と言われ、確かにと納得する。


「新種の野菜は、実際に見て、食べてみないといくら値がつくかはわからない。ただ俺としては、新種の野菜を売るより、トマトを売るより、ポーションの生産量を増やした方がいいと思うんだよな〜。だってほら、トマトだって新種の野菜だって、確実に単価はポーションより安いだろ?」


「それは······そうですね」


「それにな、レオナには少し難しい話かもしれないが、そのトマトとか他の野菜は、領民に配給する予定で作ってたんだろ?それを売って派遣の費用に当ててしまったら、ロイドが言ってた領民から不満が出る状況と然程変わらないと思わないか?」


 その言葉にハッとしてしまう。

 確かにそうだ。派遣人数を増やしたい気持ちが先行し過ぎで、みんなの気持ちを考えてなかった。


「幸い、レオナが作ったポーションの代金で派遣事業をしてることはみ〜んな知ってる。だから、派遣人数が増えても、『あ〜レオナ様がまた頑張ってくれたんだろうな〜』って微笑ましく思われるだけだ」 


「で、でも、これ以上生産量を増やしたら、お兄様の負担になりませんか?」


「そんなこと気にしてたのか?ただ、全く問題ないぞ。ポーションはな、シュバルツさん以外にも、行商先で売ったり、物物交換に使ったりもできるんだ。それに、野菜と違って腐ったり鮮度が落ちたりもしないから、遠出の旅にも持っていける。販売人としての意見を言わせてもらうと、ポーション一択だな!」


 確かに、ポーションなら消費期限とかないし、野菜より勝手がいいのかもしれない。それに、お兄様がポーション一択と言っているのだから、ここは素直に従っておこう。


「そうなのですね!お兄様、ありがとうございます。とっても参考になりました。私、ポーション作りをもっと頑張ります!」



「おぉ!まぁ気楽にやれよ!」

 




◇◆◇◆◇





「あ、そういえばレオナ。ちなみにさっき言ってたトマトって、ベイリーフも作ってるのか?」


 ベイリーフというのは、グライスナー領で活動している農業者団体だ。元々は民営集団だったけど、現在はグライスナー領の管轄下にあり、そこで使う農業用水はレオナが毎日提供している。


「いえ、第二地区西側のポーラ達だけですね」


「彼らにもトマトを作ってもらうわけにはいかないのか?」


「いえ、皆さんさえよければ是非育てていただければと」


「え、じゃあ何で第二地区側だけで育ててんの?」


「1つは、まだ実験段階だからですね。ただどちらかというと、現段階でお願いするのは、ベイリーフさん達のご迷惑になるんじゃないかというのが本音です。管理してもらう畑が増えたからといって、お給金を増やしたりはできませんから」


 レオナからすれば、ベイリーフは、前世でいうところの契約社員みたいな存在だ。


 契約社員として働いていた友達の1人が『契約時に聞いていた業務内容と違う!』と不満タラタラで仕事を辞めてしまった事があり、同じような立場であるベイリーフにも、何かと気を遣っている。

 



「ふ〜ん。あの人達はそんなこと気にしないと思うけどなぁ〜。じゃあさ、俺が明日交渉に行ってきてもいいか?」


 お兄様、さすがの社交性だなぁ。


「大丈夫です。ただくれぐれも、無理強いはしないようにお願いします」




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