第3話 ステータス
「レオナ。今回は疲れただろう。大丈夫だ。レオナが6歳になったらまた神殿に連れて行ってやるさ」
???
グライスナー領の屋敷に戻ってきたレオナ達。これから帰宅後初めての食事だ。
他の家族は先に食事を済ませていたので、今晩はお父様と二人での食事だった。
普段無口な父が、気を遣って話しかけてくる。恐らく、魔法は授かれなかったと思っているのだろう。
「お父様、この度はありがとうございました。お陰様で、水属性魔法と薬学スキルを授かることができました!」
「水属性魔法!?それは本当か!」
お父様は驚きのあまり、転げ落ちそうな速さで立ち上がる。
「よくやったレオナ。よくやった···!これで我が領地の水不足も少しは改善されるだろう。早速領内に知らせなくては。まずは明日、庭で魔法の練習をしてみよう。今日は明日に備えてゆっくりおやすみ」
◆◇◆◇◆
流石に今日は最高に疲れた。でも寝る前にステータス確認しなきゃ。______ん?どうやって確認するんだ?
『目を瞑って、心の中でステータス確認と唱えて』
どこからともなく微かな声が聞こえた気がする。
気のせいかな?
試しにやってみよう。
目を瞑って、
(ステータス!)
ヴォン
「わ!」
びっくりして目をあけてしまったけど、一瞬、ゲームでよく見るようなステータスボードが現れたような気がする。さっきの声って気のせいじゃなかったのかもしれない。
ううん。今は考えてる時間はない。早く寝ないと倒れてしまいそうだ。
さっきと同じ要領で、心の中でステータスと唱える。
!!
やっぱりステータスボードだ!ええっと内容は······。
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レベル:1
体力:1/35
MP:22/22
攻撃力:5
防御力:6
攻撃魔法:7
防御魔法:8
俊敏性:2
幸運値:15
属性:水属性 レベル1 ▽
薬学スキルレベル1 ▽
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良かった。司祭様の言った通り、水属性魔法と薬学スキルを、ちゃんと授かっている!
これほど喜んでもらったのに、「やっぱり勘違いでした〜。水属性魔法は使えません!」なんて報告した日には、きっと屋敷内はお通夜状態の空気だっただろう。
間違いなく授かっていたみたいで、本当に安心した。
それはさておき、ゲームでよく見るステータスボード。それが目の前にあって、しかも自分のステータスだなんて。
興奮で、さっきまでの眠気が完全に吹き飛んだ。
目がバキバキの状態で、初めてのステータスボードを観察する。
表示されている内容は、レベル、体力、MP、攻撃力等の数値と、魔法属性だ。
レベルは1だし、各ステータス値は低いけど、これから沢山練習して、どんどんレベルを上げていこう。きっとゲームみたいで楽しいはずだ。
あと気になるところは、____水属性魔法の隣の▽はなんだろう?
試しに押してみる。と、
ヴォン
おぉ!右側に新しい画面が追加された!中身は所謂スキルボードだ!
○基礎魔法
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ウォーター(習得済)
水を作り出す(10リットル)
消費MP1
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○メインスキル
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ウォーターウォール(SP0/3)
縦3メートル横5メートルの水の壁
持続時間10秒
消費MP3
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○サブスキル
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コールドウォーター(SP0/1)
冷たい水を作り出す(10リットル)
消費MP1
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今は基礎魔法のウォーターしか使えないけど、メインスキルのウォーターウォールやサブスキルのコールドウォーターもSPがあれば、習得自体はできるみたい。
う〜ん、でも正直どちらも直ぐに必要なスキルじゃないかも。
もっとよく調べたいけど流石にもう限界。続きはまた明日。