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私は待望の水属性魔導師〜領地復興のため、スキルボードはサブスキルで埋め尽くす〜  作者: 水瀬 潮
第1章 砂漠に生まれた水属性魔導士
27/80

第27話 作業小屋完成



 テオとエリスが来てくれるようになってからというもの、レオナの仕事は捗りっぱなしだ。


 エリスに薬草栽培を一任したことで、ポーションの生成に専念できるようになったし、テオのお陰で、屋敷から離れた場所にある井戸の補充も出来るようになった。



 だがしかし、朝から昼過ぎまで領内の井戸を歩いて補充して廻って、屋敷に戻ったらポーション生成とは······。年齢を考えると、ブラック企業も真っ青なハードスケジュールである。


 まぁ、誰かに強制されるでもなく、レオナが勝手にやっていることなんだけどね。




 そんな忙しい毎日を送っていたある日、ガッツの作業小屋が完成したとの知らせが届いた。


 早速、テオと小屋にいるガッツに会いに行く。




「ごきげんよう、ガッツ」


「レオナ様、お疲れ様です」


「まぁ!!!立派な作業小屋じゃない」




 派手な装飾はないが、レンガ造りのしっかりした大きめな作業小屋だ。

 

 中を見てみると、かまどが1つと大きな作業台がひとつ。それから材料を保管する棚がいくつかあった。現状設備は簡素だが、これからガッツが好きなようにカスタマイズしていくだろうから、これはこれで良いかもしれない。



「はい、ありがたい限りです」


「これからもよろしくお願いしますね」


「了解です。まずはポーション用の小瓶を作ってみます」


「えぇ、お願い。___ところでその方は?」


 ガッツの隣に、レオナよりいくつか歳上そうな男の子がいたのが気になっていた。もしかして、もう弟子を取ったのだろうか?いや、にしては流石に若すぎるような···。



「息子のカイルです」


「へ?」


 着ている服がボロなせいで目立たないが、よく見るとキラキラした切れ長な瞳をしている美丈夫だ。こんなキレイな息子がいるとは。ガッツ、侮れん。



「レオナ様より5つ歳上の9歳なんですよ。ほら、カイル。レオナ様にご挨拶だ」


「······こんにちは」


「こんにちは、カイル。これからよろしくね」



「///」



 カイルは恥ずかしそうにモジモジしている。9歳くらいだと、こんな感じなんだろうか?



「ところでカイルは、何月に9歳になったの?」


 なんだが沈黙が気不味くて、とっさに思いついた話題を降ってみた。


「ちょうど先月です」とガッツが代わりに答えてくれる。


「あら!じゃあ今月5歳になる私とは、学年でいうと4つ違いね!」


「「「学年?」」」


(し、しまった。この領地には学校は無いんだった)


「い、いえ。何でもないわ」



 変なことを口走ってしまったと焦っていたら、

「あ!そうだレオナ様、今度の5歳の誕生日には何をお願いするんですか?」とテオが話題を振ってくれた。


 ガハハと笑い声が聞こえたかと思うと、4歳の誕生日プレゼントに領民の派遣をお願いするんだもんな〜前代未聞だよ、とガッツが豪快に笑っている。


 レオナは「毎日好きにさせてもらっていますので、これ以上欲しいものなんてないですよ」と、嘘をつく。



 本当は温かいお風呂に入りたい。もっと色んな食材を使ったカリンの料理が食べたい。


 あと、さっき気づいたばかりだけど、この領地には学校がない。


 この領地の唯一の財産は人材だ。だからこそ教育が大切なのであって。それなのに学校すらないなんて。

 

 そんな状況で、自分用のお風呂を作って欲しいだなんて言えやしない。


「レオナ様、何か欲しいものがあればおっしゃって下さい。これだけ領地のために頑張っているんです。少しくらい我儘を言っても誰も文句はありません」


(テオ······。偉そうだと思われてないかなと心配していたけど、そんな風に思ってくれていたなんて)


 お風呂が欲しいなんて言えないけど、でも何かお願いしないと、今年はお父様に離してもらえないかもなぁ。



「では、是非ガッツに作ってもらいたいものがあります」



Tipsその4〜スキルボードについて④〜


スキルボード上のアイコンをタッチすると、以下のように、スキルの詳細が確認できる


_____________


ウォーターウォール(SP0/3)


縦3メートル横5メートルの水の壁

持続時間30秒


消費MP3

_____________

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