第25話 半年間の成果
州都派遣第二弾も無事成功した訳だが、第一弾から第二弾までの半年間、実は派遣事業以外にも進展があった。
まずはお父様。農業者団体ベイリーフからの協力を、無事とりつけていた。
ガッツ&ジャンの東側の壁建設と同時に、第二地区の開拓と作付けを始めてもらえる約束だ。
一方レオナは、ポーラと庭師のアランに手伝って貰って、畑でとある実験をしていた。
それは、魔法を使わない農業だ。
この領地は、農業スキルを使わないと、作物が育ちづらい環境にあり、領内でも大きな問題になっていた。作れることには作れるのだが、量も少なく、質も悪いのだ。
その原因が、土の栄養不足なのか、水が不十分だからなのか、気候なのかはレオナにはわからなかったが、前世の経験から、農業スキルで耕した土を使って、適量の水をあげれば、ちゃんと育つのではないかと思ったのだ。
まず、ポーラに農業スキルでじゃがいもを栽培してもらう。
7日後、収穫した土にトマトの苗を植える。
トマトにしたのは、前世のアニメで、トマトは水をやり過ぎると逆に良くないと見たので、逆に水不足の我が領ではうってつけの作物ではないかと考えたからだ。あと、可食部分から種が取れるというのも大きい。
苗を植えてから4ヶ月、ヒヤヒヤしながら成長を見守ってきた甲斐あって、少し実は小さいが、赤くてツヤツヤしたトマトが実った。
実験は成功だ!
調子に乗って、同じ場所に連続してトマトを植えてみる。
が、これは残念ながら途中で萎れてしまった。
ただ、じゃがいも(魔法)→トマト→じゃがいも(魔法)の順で作れば上手く育つ事が分かった。
これでグライスナー領の食料事情も、少しは改善することだろう。
トマト栽培成功の朗報に、1番喜んだのはカリン。
料理のレパートリーが増えるのが嬉しいらしい。確かに、トマトはそのまま食べても美味しいけど、トマト煮込みにしたり、トマトケチャップにして調味料にしたり、汎用性高いよね。
カリンには、トマトを調理するときには、こっそりゼリーの中の種だけとっておくようお願いをしておいた。
これが次のトマトになる。
実験の結果、直接土に種を植えるより、あらかじめ発芽させておいた苗を植えるほうが失敗が少なかっため、カリンから貰った種はまずは裏庭のポーション小屋で発芽まで育て、芽が出たものだけを土に植えることとした。
裏庭の小屋は小さい。
その小さな小屋に、収穫した薬草、ポーションとその作成道具、トマトの苗を置いているのだか、片付けが苦手なレオナのせいでごった返してしまっている。
(薬草の保管はエリスに任せるとして、ポーション用と農業用の小屋が必要だな)
Tipsその2〜スキルボードについて②〜
スキルボードのアイコンは
真ん中が基礎魔法
左半分がメインスキル
右半分がサブスキル
円の中心から離れる程、習得条件が厳しい