第23話 領地拡大
2日後、ガッツ達に屋敷に来てもらい、兄アーサー主導で今後の話し合いを行うことになった。
「さて、先日の州都派遣はご苦労だった。魔法を授かってまだ2日だが、その後困り事等はないだろうか」
「今のところ特には、問題ねぇです」
代表してガッツが答える。
「よろしい。では今日は今後の話だ。基本的には、今回授かった魔法を使って、領地の繁栄に協力してもらいたいと思っているが、皆の意向を知りたい。そうだな、まずカリン。君にはこれまでどおり、使用人として料理とレオナの身の回りの世話をお願いしたいが、どうだろうか」
「はい、ありがとうございます。精一杯頑張ります」
レオナと目が合うと、カリンはニコっと笑顔をこぼした。
「他の3人には······」
話し合いの結果、ガッツ達はとりあえず作業委託という形で仕事をしてもらうことになった。作業日数に応じてお給料を支払うようだ。
「こちらとしては願ってもない事です。身を粉にして頑張ります!」
ただ、ここで問題発生。
壁内には余っている土地がなく、ガッツ達が作業するスペースがないのだ。つまり、領地の拡大が必要ということになった。これは領主であるお父様の仕事だ。
(簡単には認められないだろな。何か献上するものがあればいいのだけど)
◇◆◇◆◇
と心配していたのだか、1ヶ月後、レオナの予想とは裏腹にあっさり州長から領地拡大の許可がでた。
草も生えないような枯れた土地なので、持て余すより領地を拡大させて少しでも税金を納めてほしいということだろう。
(州長はそんなに悪い人じゃないのかも)
喜びも束の間、早速開拓を始める。
既存の土地を第一地区、これから拡大する土地を第二地区と呼ぶことにして、ポーラには、第二地区の西側を開拓して農地を作ってもらい、風除け&防犯のため、ガッツとジャンには、第二地区西側の外と領地の間に壁を建設してもらうことにした。
魔法を得たばかりですぐのタイミングで、こんなにこき使って大丈夫かなと心配したが、今のところは、皆割りと楽しそうに働いてくている。
ありがたい限りだ。
(この気持ちはちゃんとお給金に反映させよう)
また、並行して、お父様が新しい領営事業の準備をはじめた。
農業スキル持ちの領民で構成されていて、主に野菜を作って販売している、ベイリーフという団体があるのだが、この方々を領地で雇って食料の配給を始めようとしているらしい。
そんなことしたらベイリーフに反発されるんじゃないの?とも思うが、お父様のことだ。きっと上手くやってくれるのだろう。
さぁ、とりあえず州都派遣事業は順調に滑り出した。
今後もどんどん州都派遣が出来るように、とにかくポーション作りを頑張ろう!