第20話 欲しいもの
レオナのほしいものは「お風呂」だ。これは間違いない。だけど、自分だけ贅沢するのは正直気が引ける。
だからまずは領地の状況を改善して、みんなでお風呂を楽しめる状況を目指したい。
そのためには、まずはレオナがもっと水の補充を頑張ることだ。幸いにも、最近ウォーターをスキルアップしたので、屋敷側以外の井戸の補充にも手が回りそうだ。
だけど、レオナ1人が頑張るだけではいつか限界がくるし、何より効率が悪い。
一番良いのは、水属性魔法を使える人材をもっと雇うことだけど、この辺りは水属性魔道士はどこも不足していて、どこにも所属していない魔道士を見つけるのは困難だろう。
ではどうするか。
◇◆◇◆◇
コンコン
「お父様、レオナです」
「入りなさい」
「よく来たね、楽にしなさい。_____さて、ここに来たということは、誕生日プレゼントが決まったのかな?」
「いいえ、実は欲しいものがいくつかあって、決めきれないのです。ですから、お父様に決めていただこうかと思いまして」
「ははは、レオナはいい子だな。なに、言ってみなさい」
レオナは、お父様のお言葉に甘えて、誕生日プレゼントとして2つの許可を求めた。
1つは、屋敷側以外の井戸の補充の許可。
もう1つは、新しい領民の雇用だ。ポーションの売り上げを使って領民を州都に派遣して、魔法適性を確認。水属性魔道士等めぼしい魔法適性を持つものが居れば、そのまま雇用するというものだ。
既存の水属性魔道士を雇うのは難しい。なら、才能がある者を領内から発掘すればいい。その発想から思い付いた案だ。我ながら、結構いい線行っていると思う。
「う〜ん、屋敷側以外の補充は、私からもお願いしたいが······。領地の東側までレオナをお供する使用人が必要だな。_____必ず腕が立つ者を見つける。だからそれまでは我慢してくれないか」
思いの外、井戸補充の方は反応が渋かった。こちらの方は特に問題にならないと思っていたのだけど。
「州都への派遣については、もし水属性魔法が使えるものが見つかればレオナの負担も減るだろう。早速取り掛かろうな」
そう言いながら、お父様はレオナの頭を撫でてくれた。
◇◆◇◆◇
部屋に戻ってベットに寝転がる。
領地東側の井戸の補充はまだ早かったか〜。でも、難しいと思ってた州都派遣はお許しが出た。こうなったら何度でも派遣が出来るように、ポーションを沢山作って売るしかない!
引き続き、目の前のことをコツコツやっていこう。改めて身が引き締まるレオナであった。
最後までお読みいただきありがとうございます
ストックが貯まってきたので、しばらくは週2回投稿にしたいと思います
潮




