表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/31

16 下界、ヤバすぎない?

 私の一撃が【鎧魔竜】イリナベラの横っ腹を直撃した。

 防御に特性のある種族でも、マナの守りが薄いので威力は絶大だ。巨体がのけぞる。雷で痺れているのか、なかなか体勢をたて直せない。

 この隙にコハルちゃんが〈光穿突き〉で追撃。

 同じく効果はてきめん。

 ついに黒竜は闘技場の地面に伏した。


「コハルちゃん、そのまま仕留めていいよ」

「そうはいかないわよ。さっきも最後の楽なところだけやらせてもらったし。今回こそ功労者のヒナコちゃんでしょ。でも一回目と同じ手加減なしの全力でね」


 この子、可愛い顔してなんてえげつない! って一瞬思ったけど、大切な確認事項があったのを思い出した。


 どうにか起き上がったイリナベラは氷刃を出現させ、まだ戦う姿勢だ。やられるその時まで絶対に諦めない、という強い意志が伝わってきた。

 ほんとに大した女だ。あんたの名前も覚えておくよ。

 竜の脚をトトトッと走って背中に乗る。


 手加減なし! 本気の〈雷穿突き〉だ!


 ドド――――ンッ!


 雷鳴と共にまた一頭のドラゴンが生涯を終えた。

 その不屈の魂は私達姉妹と融合する。


「一発目も二発目も同じ、11ポイントだったよ。これで振り切った分もきちんとポイント換算されるって分かった。この事実はでかいよ」

「ええ、十日後には大きな差となって出てくる。本当に幸運だわ」


 竜肉をついばみつつ、私とコハルちゃんはいつも通りミーティングをしていた。


 技能ポイントが増える要因は他にも色々あるんだけど、やっぱりダメージによる上昇が今後のメインになるのは間違いない模様。

 それから、生命力とマナは前述の通り、食事による融合ね。今回のドラゴンも私とコハルちゃんとで半分ずつ融合している。大竜の時より、生命力が少なく、マナが多く増えた感覚があった。なお、こちらも増える要因は戦闘での成長など他にも色々あるよ。

 では、私達の技能をご覧あれ。



ヒナコ【世界樹雛鳥】


取得技能            技能ポイント 416P


〈マナ戦闘〉レベル7 〈マナ感知〉レベル2


〈雷穿突き〉レベル4 〈風迅蹴り〉レベル1



コハル【世界樹雛鳥】


取得技能            技能ポイント 372P


〈マナ戦闘〉レベル7 〈マナ感知〉レベル2


〈光穿突き〉レベル4



 しっかし、巨竜を二頭も倒したのにポイントがあまり上がってない。

 そう、1レベル分も貯まってないんだよ。

 ドラゴンだよ、ドラゴン。二頭もやっつけたのにしょぼすぎでしょ。〈マナ戦闘〉だけで81万の母さんはいったいどれだけ殺りまくったんだ……。


 振り返ると、巨大鳥はまたしてもキラキラした眼差しでこっちを。


「全くもって素晴らしいな! ヒナコ! 奴が製氷技術を備えていたことには焦ったが、完全攻略じゃないか!」


 母さんも知らんかったんかい。危うく串刺しになりかけたよ。

 実際、地の利がなければもっと大変だったと思う。私達には結構広い闘技場だけど、イリナベラには狭かったんじゃないかな。逃げ場もないし。

 たぶんあの子が得意にしているのは、察知されない距離からの狙い撃ち。

 ハイドロキャノンとアイスミサイルを受けてみてそう感じた。

 歩いていて急にあんなのに狙撃されるとか……、

 下界、ヤバすぎない?


 鳥(人)の気も知らないで、母さんは「さあ!」と能天気な声。


「次の戦闘を始めるよ! 準備はいいな!」


 そういえば、もう一頭いたね。何かゴツゴツした装甲車みたいなのが。

 はいどうぞー、出してくださーい。


 母さんは今回もしっかり、ついグッと、やった上で竜の呪縛を解除。


 はい、新たなドラゴンの入場です。

 名前は、えっと、ガルファデオ、ガルファデオでーす。

 …………、

 ……ん? ガルファ、デオ?


 ……次も嫌な予感しかしないわ。

次は強敵です。ヒナコは仇討ちされてしまうのか。

評価、ブックマーク、いいね、感想、本当に有難うございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ