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赤の書  作者: AIR
25/27

逃走計画 真相 表


「ここで何をしているのかな?」


 私は覚悟を決めて、ルミネという子に何をしたのかといつめようとした時、ミレイが私の口をふさいで話した。




「い、いえ、何も……

 ここが気になって。 掃除とかしなくていいのかなって」



「そんなところの掃除を私は頼んだかい?」



「い、いえ。全く」


「そうだよね。 じゃあなんで掃除しようと思うわけ?」



「えっと、……、それは……」


 ミレイが動揺しきっている。


「もしかして君たち、この中入った?」


「は、入ってないわ。 気にはなっていたけど、でも入ったり勝手な事したらご主人様に怒られるからってさっき話していたところで」


 レミがすかさず機転を利かす。



「そっかならよかったけど、勝手な事したら殺すからね」



 レミの機転で助かった。 私たちは急いでお部屋に戻った。


「やばいよ、これ絶対にやばい。 ルミネも死んじゃうよ。どうしよう」


 レミは慌てて取り乱している。


「何とかして助けるわ。 脱出方法も考えないと」


 私は段取りを踏むべきだと考えた。なんせ彼らは弱り切っている。 特にルミネ。 だから今すぐの脱出は無理だ。となると食料を与えて、しばらくは回復させる必要がある。 


 という事はしばらくの間、見つからないように地下に侵入して、彼らにご飯を与える。 それと同時に、カギの場所を探して、いつでも脱出できる準備をしておく必要がある。


 私はそう伝えた。


 それにご主人様≪かれ≫。 彼の仕事は人身売買なんかじゃない。 ルミネと言う子を見てわかった。 あれは特殊な性癖の持ち主だ。 きっといらなくなった奴隷をいたぶってあそこで死ぬまで苦しめるのを楽しんでいるのだろう。 これは立派な殺人だ。 大方あそこに入っていた二人もきっと私たちより前の奴隷で私たちと入れ替わりでいらなくなったらからあそこに入れたんだろう。


「でも、どうやって??」

 

 ミレイはルミネを助けたくて仕方がないのが伝わってくる。


「幸いにも、彼は仕事に出る。 その時に鍵を探すしかないわ。 問題は彼らに3食の食料と飲み水を届けること。 これに関しては彼がいつ下に来るのか知る必要がある」


「そんなのわからないわ。 初めて入ったんだから」


 レミも必至だ。



「そうね……、 だから賭けで、みんなで協力して届けていくしかない。 しばらく見張っていれば、ルーティーンが見えてくると思うわ。 だけど、正直見つかる確率も高い。 そのルミネちゃんの事を考えると流暢にもしていられないから、これしかないと思う」


「で、でも、見つかっちゃったら」


「その時は、覚悟を決めるしかないわ」



 ミレイはすでに覚悟は決まっているみたいだった。


「うん。 やろう!! それしかないよ」


「うん。わかった そうだね、 やろう!」


 レミも気持ちは固まったみたいだった。 


「すごいね、あんた」


「うん。 ほんとだよ。 まるでルミネちゃんみたい」


 ルミネちゃん? どういうことなのだろう? 私は何がどう似ているのか全く分からなかった。


「あぁ、えっとね、前に私たち4人で逃げ出そうって話になったことがあるの。 確かあれは、ミレイちゃんを救うため。 だからねルミネちゃんが固まらない私たちをほんと今みたいにまとめてくれたの。 すごくかっこよかったんだよ。ルミネちゃん。 だけどそのせいで、きっと」



「だから、今度は私たちがルミネを助けるばんなんだ!」


 ミレイの後に、レミは不安そうに言った。


「あと、問題はシェアちゃん、だよね……。 もしかしたら、ご主人様とつながってたりするのかな??」


「どういう事? レミ」


 ミレイはレミに聞いた。


「だってさ、シェアちゃん、あの時、一人で降りてきたでしょ。  ってことは少なくとも地下に入った事あるってことだよね? それに、あの時、『どうしてここに』って驚いてたから、 


 それこそ口喧嘩してたから、 もしかしてあの傷って、 ルミネちゃんをあそこまでずたずたにしてたのって…… だってあの時、包丁持ってたし」



 私たちはそれを考えた時ぞっとした。


「確かに、シェアのやつ、包丁……落としていったよな。 って! やばくないか!! あの包丁あそこに落ちたままなんじゃ!!!」


「それやばいよ!! ご主人様に見つかっちゃったら、私たちが入ってたのがばれちゃうよ」


「どうする!! 今すぐ回収しにいかないと?」


「その心配はないわ。 私が回収しておいたから」



 私は二人に、その包丁を見せた。 


「ティターナさすが。 いつの間に!!」


「ほんと!! すごいティターナちゃん」


「とにかく明日は協力して食料を運びながら、鍵をさがしましょう。明日当番の人って」


「私だ」


 ミレイが手を挙げたので、明日はレミと私で決行だ。 私たちは固くうなずくと、ミレイは彼の部屋に行くため準備を、私たちは早く眠ることにした。


 寝る直前レミが私の裾を軽く引っ張る。


「明日、シェアちゃんには気を付けて」


 そう言って彼女はベッドに入った。


 確かにあの場で彼女が現れた事、包丁を持ってきた事を思い返すと、どうやら、彼と何かしら繋がっていてもおかしくはない。

 気を付けなければならないのはシェア。


 だけど、どこかわからない点がある。それが私をもやもやさせる。 でも。それよりも早く助けなければ。  私は、一人地下を見張ってみた。



 深夜帯、彼が出入りしているのを見た。 シェアは部屋で眠っていた。 私たちは少量の睡眠薬をここ最近入れていた。これでレミが襲われることはないからだ。

 証拠に寝ているシェアの頬何度か叩いたが全く起きる気配がないので。大丈夫だろう。



翌朝 なぜか当番でない私が呼ばれた。 どうしてだろう。計画が狂う。


 行くとそこには彼がいた、 彼は私に笑いかけながら話してくる。 いつものように。 

 私はなぜ呼ばれたのか分からない。 


 当番ではないのに・・・


 私にご主人様≪かれ≫が呼んでいるからと伝えてきたのはシェアちゃんだった。 


 私は用心しながら、彼の部屋へと向かう。 


 シェアちゃんはなぜ呼ばれたのかは答えてはくれなかった。 ただし、


「あなたは知らないふりをしていて。 絶対に。 何も見てない! あなたは何も見ていない いいわね!」

 

 

 それだけ言って私の前から去っていた。 とても凶器に満ちたような脅すような表情で。



 それからこの部屋で特段当番と変わらないような事をさせられている。かと思うと、ミレイちゃんは今何をしているのだろうと物思いに考える。



 彼は今日はやたらと機嫌がいいのか、しつこいくらい話しかけてくる。 たわいもないしょうもない話だった。 だからとてもつまらないし、右から左へ抜けていく。


 それはしばらく続くと、やがて恐ろしい話へと変わっていた。 急に彼の言葉が頭に入ってきたのだ。 きっとこれが本題だったのだろう。 


「地下室は見たかい?」


 私は一瞬背中が凍り付いた。 


「あそこはいいぞ。 何もしなくてもご飯が食べられる。 まぁ、その分の代償は払ってもらうがな……」


「何のことでしょう……? 私にはわかりかねますが……」


「そうか。 まだ地下室を見てないんだったかな? どうだ? 見てみたいか? あの地下室を」



 私は顔をゆがめた。 どうして今になって見るかと言ってくるのか? 昨日入っていないと言ったはずなのに。 だけど、彼女たちを助けないと


「別に興味はありませんので、大丈夫です」


「そうか、 いやな、実はあそこで動物を飼っているんだがな。もうだめだ。 今日処分しようと思ってな。 今業者が来ているところなんだよ」


 処分? それって、彼らの誰かの事よね? みんなぐったりしていたから、



「一番奥で買っている家畜だ。 最近鳴き声すら上げられないから、夜も静かだったろ、 解体して、市場に売りに行くんだよ」



 ちょっと待って。 奥って…… ルミネちゃん。 私の顔がどんどんと強張る。 大変だわ。 二人は知っているのかしら。


「ちょうど意の一番にお気に入りのお前に相談しようと思って……、ん? どうした? どうしてそんなに驚いた顔をする? 

 お前も見ているし知っているだろう。 豚や牛の解体など。 そんなに珍しい事でもないからな。 そんな顔をしなくてもいいではないか」


「そ、そんな顔とは、 ちょっと疲れているだけかもしれません。

 私はあまり、誰かが死んだり、血を見たりなどが苦手な方なので」


「誰か? ほぉ……  、 あっ、ほら、聞こえてきたぞ。解体する、機械の音が」


 すさまじい音で鳴る機械の音。  私はルミネちゃんが今にも解体されるところを想像するといてもたってもいられなくなった。 だって、彼女は、まだ生きているんだよ。 あれだけ、苦しそうな状態で、まだ彼女に苦痛を与えて殺そうとするの? 


 こういったところで使う切断機はあまり切れ味が良くなく、機械の力で無理くり切断しようとするから、相当にえぐい。


 昔に、お父様とお母様が生きていた時について行って、目の当たりにした事がある。 牛さんたちだったが、あれは鳴き声ではなく、悲鳴。 彼らの言葉がわからなくても、痛みだけでなかなか死ねないそんな苦痛の表情をしていたのを色濃く覚えている。 私はやめてと泣きついたが、決して誰もやめようとはしなかった。 お父様もお母様も……。 淡々と作業は続いた。


 これが生きるという事なのだと言って。 私はその時おかしいと言う思いしかこみ上げてこなかった。 他者を苦しめて生き永らえる事がほんとにいい事なのかと? 私の中では間違いだと言って聞かなかった。 でも私は救えなかったのだ。牛さんたちを。 あの助けを求めるような苦しそうな顔だけが罪悪感と共に残っている。


 父と母は、ならご飯を食べるなと。逆らった罰としてだろう、しばらくずっとご飯を貰えなかったことがある。 それで私に憎しみを教えこもうとさせたかったのか、今となってはその真意も聞けないが、そんなのでは全くもってあの非道な行いが理解できないで今もいる。


 それを人間にもやろうだなんて、凶器の沙汰を超えている。  早く助けないと



「おいおい、どうしてそんな驚いた、強張った顔をするのだ。 まるで、泣きそうじゃないか? 」


「ちょっと私、お手洗いに」

  

 私は急いで部屋を出ようとした。 早く彼らを止めに行かなければ私たちの計画が、ルミネちゃんがいなくなってしまう……



「どこへ行く? 勝手に部屋を出てはいけないだろう!」


 ここのルール。勝手に何かをしてはいけない。 私たち所有物は了承されて初めて行動できる。と叩き込まされたルール。


「なぜ部屋を出ようとする? 私は行っていいとは言っていないぞ」


「あの、……もう、もれそうで……」



 機械の音はすさまじい音で鳴っている。 早く止めに行かないと。 ルミネちゃん! 私の頭の中はそれでいっぱい。 もうあの時の見ているだけの私ではいられない。 あんな罪悪感な気持ちはもうたくさんだった。 


 でも彼の手は力強くて、絶対開けさせない。そう言うようにとても強かった。 



「そんなにしたいならここですればいい」



「そんな、 そんなはしたない事できません」


「私が良いと言ったらいいんだ。 それとも何か? お前は私の話よりトイレが優先か?」


 この人間。 本当に、私の邪魔をする。 そう思った瞬間の表情は彼には睨んだように見えたのだろう。 私の顔を叩いて、私は床に倒れた。



「もしかして家畜を心配しているのか? 大丈夫だ。 彼らは俺の知り合いだから、大丈夫。 ゆっくりと足の爪から小さく小さく刻み込んでいくんだ。 もしかしたら、鳴き声が響くかもしれんが、あいつは声すら出せないからな。 きっとただ、もがきつ続けるだけで、ここには何も届かんだろうが」



 私の息が上がる。 想像しただけで、心臓が口から飛び出そうなのを必死に抑える。


「んーさっきからおかしいぞ、ティターナ。 どうして息が上がっているのだ? 何を考えている? なぜ会ったこともない家畜たちにそこまでの表情を見せるのだ? 彼らもそれが本望だろう。 ただ死ぬのではなく、糧としてその意味を果たすことができるのだから 」



 もう聞くに堪えない。 我慢できる範囲を超えていた。


「もう止めて!! どうしてそんな酷い事ができるの? あの子が一体何をしたというの!! 酷すぎるわ」



 これが彼の罠だった。


「あの子? やはりな・ やっぱり、お前ら、あの部屋に入ったんだな」



 彼は自分の考えが正しかったのだと理解すると、納得する答えを引き出せたのか、嬉しそうに笑みを浮かべていた。


 今頃気づいても遅い。 もう修正などできる余地はなかった。 悪あがきである。 


「えっと、何のことでしょうか?  私は……入ってないと、」


「なら何故、家畜の事をあの子と言った? 見たな、一番奥のあれを。 見たんだな」


 私としたことがまずい事を口走ってしまった。 ルミネちゃんが、みんなが危ない。 



 彼の取りたかった確認が取れたからか、彼は扉から遠ざかって、立派な椅子に腰かける。 


「はははは、滑稽だな。 もういいぞ。行け。ティターナ。 聞きたいことは聞けた。 だけど、このことは誰れも黙っておけ。 ここで聞かれたこともすべて。 真実が知れたら私は気分が良い。 地下には入れないが、外に出てもいいぞ。


 ただし、気が済んだら、すぐにレミを呼んで来い。 すぐにだ。 あまり時間をかけさせるなよ」



 私は意の一番に部屋を飛び出し、地下室のある場所まで向かった。 


音が近づいていくにつれ、見えてきた。 音の根は、シェアの持つ芝刈り器具。 大きな音を立て振動させながら、動いていた。 


 おとが地下室の方へと近づいて行ったのはこのせいだと思った時、やられたと私は思わずにはいられなかった。 


「どうして、…… あなたが、……ここに……」


 シェアは驚く私に不思議そうな顔をして答える。


「意味が分からないわ。 私はただ、仕事をしているだけよ」


 私たちの関係はまだ治ってもいない。 それ以上の言葉はないと言わんばかりに、シェア芝刈りを続けた。


 私はそのあと命令通り、レニを呼びに行った。 彼の命令には従わなければ、みんなが酷い目にあいかねない。 

 だけどレニにもあのような尋問をしようというのだろうか?

 だとしたら、心配で仕方がない。レニたちだけでもせめて、無関係であると思わせるためには私のようにへまをしない事。


 彼の元へ行こうとするレニの手を取りとめると、


「レニ、聞いて。 これから何を聞かれても、決して知らない。 それだけ答えて。 私のせいできっと地下室に入った事がばれたわ。 ごめんなさい。

 だから、せめてほかの人は無関係だと伝えられれば、ルミネを私じゃない誰かが助けに行けるかも」



 そういって。レニは力強くうなずくと降りて行った。 一人になった私は窓から地下室の方を覗く。 シェアちゃんは相変わらず、芝を刈っていた。 


 うん。 やっぱり心配だ。 気の弱いレニの事だもの。 どんな卑劣な手を使われるか分かったものじゃないわ。 私も話を盗み聴こうと、部屋に向かった。



 ちょうどその時、重たい荷物を運んでいるミレイと会った。彼女の背丈を超えるぐらいの穀物が入っているような袋を持ち上げて運んでいたが、バランスを崩してか、下敷きになっていた。


「ミレイ!!」


 私は急いでミレイを助け出すと、ミレイはお礼をいった。  聞くに、まだたくさんあるらしく、その運搬を一人で運ばされていた。 これはたまにあることだが、大体は3,4人でいつも行っていたことだ。 到底ミレイ一人では運びきれない。 私はレニの事が気になったが、ミレイ一人でこんな事をやっていたら、いつミレイも力尽きてしまうか。 ミレイもくたくたそうで、心配だったので、二人で早く終わらせてからレニの元へと向かうことにした。 



 1つ。2つ。3つ。 私たちは汗水たらして、運んだ。 蔵まではまぁまぁの距離がある。女の子二人で、2,30キロあるものを持つのは一苦労である。


 袋を見てもまだ、。8つ以上ある、ため息をつきたくなるが、そうも言ってられない。 一つづ持っていた蔵で私は、何かいいものがないか探すと、台車の代わりになりそうなものを見つけた。 これで引っ張て行こう。 



 そこには3つほど乗せることができた。 それ以上はさすがに重すぎて引っ張れない。


 でもこれで3往復で終わる。8往復に比べたら、大したものよ。



 せっせと運んで最後の2つを蔵に入れ終わった時だった。  


 大きな悲鳴が聞こえた。レニだ!! 尋常じゃない悲鳴だった。レニに何かあった!!!


 私たちは顔を見合わすと急いで、部屋に向かった。


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