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赤の書  作者: AIR
11/27

逃走劇

辺りはとても静か。


ほとんどの部屋や廊下に死体がある。


どれもいつ動き出しても不思議じゃないから、なんだかとても気持ちわるい。


でも、ここを出ないと。


今のところ兵隊の気配もない。

でも慎重にいかなきゃ。



手が切れない様に服の布で柄を作り、護身用にしたこれが私の頼れる武器。


「よう、嬢ちゃん


まだ、生きてたのか。


おめぇ一体何もんだ?

運がいいのか、悪ぃのか」



! スキン頭の男。


やばい奴とあっちゃった。

これはまずいは。殺される。


「嬢ちゃん、

あれか? その手に持ってるもんで俺たちを殺しにでも来たか?


にしちゃー、ちょっと度胸が無さ過ぎたな」



私の前身は震えあがっていた。



「いや、お前さ、どうやって生き残ったわけ?

あの、状況下で逆にスゲーわ


なぁ、ちょっと教えてくれよ」


スキン頭が違づいてい来る



「近づくな」


私は無心で鏡の破片を横に振った。


「おぉー、怖ぇー、怖ぇー、

てめぇ、そんなもん振り回したら俺の体切れちまうじゃねぇか? 」


人を何人も殺してきた人の顔はこんなにも怖くなるのかしら?


その目で睨め付けられた私は、体すら動かせなくなった。


「ちっ、おめぇも早く捕虜んとこに連れて行ってやっからさっさと来い」



私捕まるの? 絶対いや、私はここを出るんだから。

やる気のなさそうなスキン頭の隙を見て、走って逃げた。





はぁはぁ、


怖い、怖い、怖い、捕まったら嬲り殺されるのは嫌。



でもあいつは許さない、いつか、いつか必ず、お父様とお母様の仇を…

って、あれ?


追いかけてこない?の?



まぁ、いいわ、このまま勢いで走って逃げれば。



私はレビンおじさん達と登った塔を思い出しながらそこを下っていった。


階段をすべて降り切ると何やら怪しげな作りの場所に出た。この扉を出ればたぶん外に繋がる道につながっているのだろうけど、

これ、もしかして地下につながる入口じゃないのかしら?


どうもこの部屋には何かからくりがありそう。

少し雰囲気が違うわ。

何所がどうとは言えないのだけれど。


だったら探ってみる価値はあるのかもしれない。

私は壁伝いにブロックを一つ一つ触りながら調べてみた。


これと言って、変ったものは無いわね。


ん?ちょっと待って。

このブロックだけ少し動いたような。


他にも無いのかしら?


探してみると少し横に付きの甘いブロックがあった。

これ、取れるんじゃないかしら?


私はそのブロックを抜いてい見た。


中はブロック一個分の空洞が空いているだけだった。

なんだ。つけが甘かったのか、古びて抜けちゃっているのね。


私はブロックを何とか下に戻した。



ハアッ、ハアッ、重たかったわ



後は、この押し込めそうなブロックね。

さっきよりも力を込めて押してみた。


んんっ、重い。


それでも力いっぱい押してみると


何やらカチンっと音が鳴り、床から人一人分ぐらいの入り口のようなものが出てきた。


やっぱり、ここから地下に降りれるんだわ。


にしてもすごい音。


でも困ったわね、これカギがついていて開けれそうにないわ。


鍵も見当たらない。


ここはあきらめ他がよさそう。




「おいなんだ今の音は」



「わからん。すごい音が響いたが

何処か崩れ落ちたか? 」



まずい。兵士だ。



とりあえずここにいたら、隠れる場所がない。


恐る恐る扉を開けて様子を伺ったが特に兵士の気配がない。


出るなら今か。



さて、問題はここからよ。

ここの階なら外に出られる扉はいくつかあるけど、問題は、その扉を開いた先。


もし兵隊がいようものならそこで終わりだわ。

だから、なるべくなら、外側が見えない扉は使うべきではない。


とすると、


ん!


こっち側の通路は!


アーネちゃんたちとよく遊ぶお庭に繋がっている。

お庭の塀なら、何度も乗り越えているし、それにお庭なら越える先の見晴らしもばっちりだもの。


脱出ルートはお庭で決まりね。



そうと決まればこの道を抜けて早くお庭に、って前に兵士がいる。


どうしよう、この先を抜けないと。


こっちに向かってきてない?



ひき返すしかないわ。


折角ここまで来たに、だったら何処かに隠れてやり過ごしてから。


「なんだこのガキ」


え?


「嫌話して」



「なんだまだ生き残りがいたのか」


「嫌よ」


私は持っていたい鏡の破片で私を抱える兵士の腕を切りつけた。


「痛ってぇ」


「このガキ」



「きゃあああああ」


思いっきり頬をぶたれて私は吹き飛んだ。


「お前こんなガキに、酷いことすんなぁ」


「こいつが切りつけていたからだろ!


あ? なんだその目は


てめぇ」



お腹に数発の蹴りを入れられて痛みのあまり私はうずくまる事しかできなくなった。

痛い、痛いよ。

お母様。


「こいつ泣いてやがる」


「当たり前だろ。 さっさと連れていくぞ」


前髪を引っ張られ私はさらに脅された。


「てめぇ、今度またこんなことしやがったら、ただじゃおかねぇぞ


わかったか? 」


そういってもう一度頬を叩かれた。


痛い。


「わかったら、ごめんなさいだろう」


「ご、ごめんなさい゛」


「わかったらいいんだよ、このクソガキが」




こうして私は連行される事になった。


連れていかれたのはここの酒場で小隊長と言いう男の前に突き出された。



「隊長。

まだガキがいましたんで捕まえてきました。


こいつ、どうします? 」



「なんだ、嬢ちゃん。 結局捕まっちまったのかい」


スキン頭!



机に脚を乗せ、手にもったナイフをいじりながら私を見た。


「ふん。

結局逃げ切れなかった訳だ

これでよくわかっただろ?


弱い奴が何したって、状況ってのは何にも変えられねぇのさ」



くっ、悔しい。

お父様やお母様の事を言っているの?


こんな下品なやつにバカにされて、こいつに殺されるなんて。

でも、確かにこいつの言う通り何も変わらなかった。

頑張ってみたんだけど、ごめんなさい。お父様、お母様



「泣いたって何にも変わらねぇーぞ」


悔しくて、悔しくて、涙が出る。私の無力さにも。


「とりあえず、てめぇの品定めは俺じゃねぇ


あそこにぶち込んどきな。」


「はっ。」


「じきにもう来るかんな


ここの制圧も終わっちまったからな。

あいつらが来たら後は残党狩りが始まるだけよ。


良かったな今のうちに俺に捕まっていて。

お前は生きる運は強いみたいだな。

てめぇの親とは違ってな」



こいつ。私の両親を。 


何とかこいつに一発入れてやろと暴れたが、手も足も縛られている為、それすらも叶わなかった。


「嬢ちゃん。捕まるって言う選択肢は賢かったけどよぉ、

まぁ、てめぇで選択した訳ではねぇと思うが。

ここじゃおとなしくしておいた方がいいぜぇ」



今頃脅しに来たって私はもう恐れない。

殺すなら殺せばいい。

その目で睨め付けて来ようがさっき見たいに引いたりはしないわ。


そう言いたかったが、猿轡をされている私は話すこともままならず、ただもがいているようにしか見えなかった。



「おうおう、生きだけはいいな。

まぁ、そんなら身ぃもってしれや。

それもいいだろう」




そのまま地下に連れて行かれているみたい。

薄暗い階段を下に降りて行った。



そこには鉄格子が沢山あり、女の人や、メイドさん、色んな人が捕まっていた。



「おい、新入りだ入れていやれ」



何?ここは何なの? 



私の入れられた鉄格子には、捕まった子供たちが何人も入れられていた。



「ううんん、ううううん」



貴方たち捕まったの?


そう聞きたかったが、猿轡が邪魔をしていて話せない。


一人の男の子がそれを外してくれた。

見た感じ私よりも年上の子みたいだけれど。


「ありがとう。

貴方たちちも捕まってしまったのね」


「君はもしかして、懲罰かされていたの? 」


懲罰?何のこと?


「いいえ、違うけど…

どうして? 」



「だって、体が傷だらけだから。

それ、いっぱい殴られたりしたんだろう? 」


あぁ、そっか。私の傷を見てそう思ったのね。

子供たちはみんな私の姿を見て脅えていた。



鉄格子を思いっきり棒で叩く看守


「そうだ。お前らもこうなりたくなかったら、おとなしくしていろ」



違うわ。

この子たち完全に脅えきってしまっている。



「ねぇ、私のこの傷はあいつらに連れていかれて殴られたわけじゃないわ。

ここに来るのは初めてだから。

逃げてる途中で捕まって殴られただけよ」


「そうなんだ。

僕の名前はミゲル。


君は?」


「私はティターナよ」


「ティターナ。

ねぇ、君は逃げたって。

もしかして、逃げ道をしっているの? 」


一応あると言えばあるのだけれど、確証はない。


「一応はね。でも、兵隊がいたからそこまで辿り着けなかったの」


「ねぇ、それ本当なの? 

だったら早くここから抜け出した方が良い」


「どういう事?

と言うか、あなた達はいつからここにいるの? 」


「いつから?君もこの城にいたんだよね?

だったら昨日に決まってるだろう。

変な事を聞くんだな君は。」



そう、私が気を失っていた時間は数時間の間みたいね。



「ごめんなさい。

でも、どうしてここから抜け出した方が良いの? 」



少年は少し剣枠そうな顔をした


「もうじき選別人が来るんだ」


「選別人? 」


「そう。君は奴隷と知らないの? 」


「ごめんなさい。まだちょっと知らなくて」


「そうか、選別人っているのは

俺たち捕虜にどういうことをさせるかを決める人の事だ」


まだよくわからないわね

私のその表情を見て、説明を付け加えてくれたみたい


「例えばこいつは奴隷として売り飛ばすとか、こいつここで死ぬまで靴磨きとして使うとかそんなのさ

使えそうにない奴は捨てる」


「なんか野菜売りみたいな感じかしら? 」


「うー、可愛くいったらそうだね」



「でも、捨てるってそういう事じゃない、殺されるってことだ! 」


その言葉に目の前で死んでいった人たちの光景がよみがえる。


「それに、お父さんやお母さんに会えなくなる。

売り飛ばされるってことはもう、会えることは無いんだ」




ミゲルは涙ぐみながら話していた。


「そう…」


「なんだよ、会えなくてもいいのか

俺は母ちゃんに会いたい。 

離れ離れになって知らない人にこき使われるのなんて嫌だ」



「そうね。でも私の両親は…」



「なんだ?君は両親が嫌いなのかい?

両親にひどい事されているとか? 」


「違う!

そんな人じゃないわ!」


私はつい感極まってしまった。


「なんだよ、そんなに怒らないくても」


「ごめんなさい。 私の両親は丁度昨日、私の目の前で殺されたから

とても酷い扱いをされて」


「あっ、ごめん。」


「いいの、いいのよ」


涙が出そう。


「そうだ。


なぁ脱出ルートを知っているなら、俺たちと何とかして逃げないか? 」


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