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一話また同じ姿だ
僕は魚だ。しかし、一般的な魚より優れた所がある。それは、考えることと人の言葉が分かることだ。
そして、他の魚よりでかい。今日も陸が見えて、近い所で泳いでいる。太陽が海に近づいている。そろそろ、少女が来る頃か。
そう思った瞬間少女が来た。今日は白いワンピースを着ていた。いや昨日と同じだ。いや、少し違う。手に袋を持っている。少女は、私の姿を見た瞬間笑みを浮かべた。そして私に近づき言った。
「こんにちは。魚さん」
笑顔で、透き通っている声だ。
「ああ。こんにちは」
私は反射的に返した。その声は驚きと震えが混じっている。