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夢の間

暗かった視界が次第に明るくなってきた


ああそうか、これが死後の世界ってやつか

そうに違いない、夢に刺されて、俺は死んだ


死後の世界だかなんだか知らないけど

死んだ後もすぐ楽にはなれないんだな


みんな、心配するかな

いや、しないかもな

そう思ったら悲しくなってきた

みんなやる事があって、必死に今を生きていた

残り2日、精々楽しんで生きたいだろう

だが神様はそうさせてくれなかった

猶予を残してくれた時間の中で他人を気遣わない犯罪者がいるからだ

神様自体には罪がないと果たして言える

のだろうか


そういえば、夢も、神様とか最後言ってたな

あれはなんだったんだろうか…


「そう、私はこの世界の神様よ、目を開けてみて」


夢の声が聞こえる、言われた通り目を開けてみた

そしたら、目の前には夢がいた


「夢!?、ここはどこだ?腹は…痛くない?どうなっているんだ?夢も死んだのか?」


「ううん、私は生きてるわ、この現実世界の終わりを設定しただけよ、だから、次の世界の神様を選ぶ時が来たの」


「次の世界の神様を、信じられないが、夢の言う事だもんな、信じるよ」


「ありがと、未来、痛い思いをさせてごめんね」


「それは、大丈夫だが、どうして、あんな世界になってしまったんだ?夢が造った世界なのか?」


「私も、この世界の一部でしかないの、神様を育てる事、それが私のしたかった、世界なのよ、干渉を許されたのは、世界構築の時と世界終焉の時だけ、私達も、先代の神様達が決めたルールには抗えない様に出来ているわ、未来は私が決めた、次の神様よ、あの世界だから未来に会うことが出来たの、自分勝手に造ってごめんなさい、それにこのルールを破る為に私が造った、唯一の存在、それが未来よ」


「神様のルールを破れる神様って事か?」


「ええ、そうよ、貴方は最後の日に死ぬ事になってるの、それが私によって殺される事で、唯一無二の逸脱した存在になれるわ、さぁもう時間はないわ、儀式を行ってしまいましょう」


「わかった…何をすればいいんだ?夢」


「私を、あなたのそのナイフで刺して」


手には自分が家から持ち出したナイフが握られていた


「夢を、殺せってことか…?」


「違うわ、生きるって事よ、現実世界から持ち出したそのナイフを神を刺せるように、細工をしたの、未来の存在と、本来干渉出来ないはずのそのナイフで、私を刺すことで、先代のルールを壊せる、儀式が完成するのよ、さぁきて未来…!安心して、貴方の中で生きる事が、最後の条件よ!」


「わかった…!ごめんな夢!少し我慢してくれよ!」


「うん、未来と生きる為だから!!」


ぐさっ…


俺は神様を刺した、ナイフが光り始めて、夢も光りになって、腹の傷口辺りから俺の中に入ってきた

俺と生きるってこういうことか


こうして神の中に神がいる

そして、神様のルールに反逆できる、唯一無二の神様が誕生したのだった


「世界を再構築しましょう!一緒に!」

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