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未来と夢

ああ、なんてつまらない人生だったんだろう

こんな人生も、もうすぐ終わりを迎える事になる


真空崩壊が起こり、宇宙の広がりを含めその予兆を最後に神様が教えてくれたという事である

馬鹿馬鹿しい内容だが、説明のつかない事象を全て解決みせた、神様の言う事で疑う者はいなかった

人類はなす術なくこれを飲み込む他なかった

謎の神様はまた姿を消し沈黙を続けた


ニュースが流れてから

世界中が大パニックに陥って、ルールなんてそこにはあってないようなまさに地獄絵図が広がっていた

死ぬ前にやりたい事をやりたい放題、犯罪は増え、警察官ですら、職務放棄する始末、人手不足は深刻、正義感のあるものだけがまとまって新たな組織を作り、警察の代わりに犯罪者達を取り締まっていた


地元の学校は避難場所として、解放されていた、今この瞬間はまとまっていた方が自衛が出来るからである


会社は国の召集を遮って、普段の仕事をしてる連中ばっかりだった


死ぬ前に注文が殺到していたり人手不足に拍車がかかり、死人も後をたたなかった、マスコミも寄ってたかって大手会社に取材を持ち掛けていた


それ以外何もないのだろう


ボランティア団体は自分の身を守るものと

支援を続ける団体に分かれた


大多数の人が病院に運ばれてきていたため

国の仕事より人命を優先させていた


国のお飾り達は自分達だけ助かればよいという連中が多く国会議事堂に篭り、回りを固め、助けを求める人々を見殺しにしていた、警察官達の多くがここに集められていた

それ見よがしに集まってきた公務員もこの中にいた

教師の大半もこの中に集まっていた

各地に残る教師達を置いて


アーティスト達は必死に叫びを続けて

ファンの人達は彼らを死に物狂いで助け続ける

裏方の人達も一緒になってサポートを続けた


世の中の混乱の多くは彼らのおかげで収まってきていた


狂ったファンは犯罪者と変わらなかったが

正気に戻るファンも少なからずいたんだ


僕は会社に行くのを辞めた

どうせ交通機関も国に向かう電車だけで

中は悲惨なものだった、見て見ぬ振りをして

移動が終われば、はい、さよなら

そんな空気は一緒に吸いたくない


避難所に行く事も、危険だったため

家に閉じこもってる、同じ環境のオンラインゲームの仲間達と最後の瞬間を楽しんでいた

各地の情報もスマホで分かる範囲、みんなから聞く情報を元に、悲惨な現状を知った


最後の1週間はそんな中、生き残りをかけた最後の3日

2020年7月21日に死んでいた僕の人生はさらに死ぬ事になる


1週間生きる為にはこんな中でも食べないといけない、備蓄が切れ買い出しに行かなければならなくなった


幸い地元の商店達の人達は商売を続けてくれていた

勇敢な人達だ


「ナイフは持った、サイフもある、スマホも持った

忘れものは、あ、イヤホンイヤホン…」


最後の瞬間までは彼らの叫びを聞いていたい

用心してドアを開ける


「よし、誰もいないな」


僕は家を出て急いで近くの商店に向かった

商店について地元の見張りの人達に挨拶をして

中に入る、その際に身分証や、ここで買ったレシートなどを見せて、あとは、まぁ顔パスかな

よく来てるしここ…


「おや、未来じゃないか、無事だったんだね」


「どうも、夢のおばさん、夢は元気ですか?」


「いや、そうでもないね、こんな終わりなんてやだね、未来ちゃん最後に夢に会って行ってやっとくれ、きっと喜ぶから」

「はい、じゃあ少しだけ」


そう言って買ったお肉を持って、家に入る

靴を脱いで、階段を上がった左側の部屋

夢の部屋とかかれた可愛い札がかかっている

軽くノックする


トントン…


「夢、いるか?俺だけど…」


「えっ未来!?ちょ、ちょっと待って!?きゃー!!


なんか中で物凄い音が聞こえてきた

何をしたらそんなに物凄い音を出せるのだろうか


「おい、大丈夫か?開けるぞ?」


「だ、ダメ!まだ開けないで!きゃー!!」

また中で物凄い音が鳴る


これは開けていいって事だな

開けるか


ガチャ…


開けたら、焦り顔の夢が目の前にいて

中に入れてくれない、中を見ようと

顔をずらすが夢も一緒に動いて中があんまり見えなかった


「大丈夫か?夢?中で物凄い音聞こえたけど何してたんだ?」


「い、いいの、いいの私が何してたかは、知らなくていいの!そ、それより未来が無事でよかった!未来がやってたオンラインゲームやってみたけど、何処にいるかわからないし、連絡もしばらく取れなかったし、心配したんだから!」


「それは悪かったな…しばらく自分の事と、みんなの安否が気になってな、夢の事はなんでか、無事だと思ってたよ、来る予定ではいた、実際来たしな」


「来るのが遅いよ!もうすぐ世界が終わっちゃうんだよ!もっと、早くきてよ!」


「ああ、だから悪かったって、ちゃんと来たから、ごはん、買いにね」


「バカっ!」


夢に引っ叩かれた、痛い


この合間にドアを閉められ廊下に押し出される

反対側の壁まで押されて、そのまま

夢は泣きじゃくって俺にしがみついている

俺も離せなかったから、そのまま、そばに寄り添った、しばらく見離していたせいか、中々離してくれない


ぐさ…


「えっ…?」


腹に激痛が走る


服が赤く染まっていく


「ゆ…ゆめ…?」


段々と意識が朦朧としていく



「ごめんね、未来、私ねこの世界の神様なの、未来にはね、生きていてほしいの…その為にはね…一回殺さないといけないの、だからごめんね?私もこれで好きな事できるわ」


「生きていてほしいから、殺す?何を言って…」


外れたイヤホンから微かに聞こえた音

その後は目の前は真っ暗になった…

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