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プロローグ

新しいお話です。

今作は”成長”や”冒険”をテーマにしているので、読者の皆様と一緒にキャラクターの成長を感じていけたらなと思っています。


さて、今回のお話ですがはっきり言ってとっても短いです。

本編にもあまり関係がなく、つまらなく感じてしまうかもしれません。

でも、今回は料理で言うスパイスなのです。

なくても困らないけどあったらもっと美味しい。そんな感じです。

読んでたら後々面白いかもなーくらいの感じで思っててください。


では。

 時は昔。


まだ人類が強大な力を手にする前、世界は安寧に包まれていた。

 人々は天に祈りを捧げ、また神族もその寛大な心で人類に施しを与えた。

 日照りは暖かく人々を包み、子宝にも恵まれ、その恩恵は彼らを喜ばせた。

 一方で、天とは相対する魔族とも友好な関係にあった。

 夜の星空は人々の不安を取り払い、疾病しっぺいの憂いもなく、その恩恵もまた彼らを喜ばせた。

 その光景は至極平和で、この上ない平穏な時代だと思われた。


 しかし、その安寧は長くは続かなかった。

 ある別れ目の年、後に第一次オルデア戦争と称される世界規模の戦争が起きる前年、大陸の外れにある農村で最初の火種は芽を出した。

 彼らを突き動かしたのは、傲慢。

 自らを唯一絶対の存在とみなし、彼らは服従を求めた。

 最初の小さな火種こそすぐに消えたが、その残火は大陸中へと飛散した。

 暴動は暴動を呼び、果たして翌年世界戦争へと発展した。

 少し前の姿とは似ても似つかぬほど、人々は荒れ狂った。

 ついには善良な市民でさえも、愛する者の命を奪われ、我を失った。

 もはや留まることを知らぬ戦いは数十年に及んだ。


 もちろん彼らはこの様子を見ていた。

 それぞれ異なる場所で。

 あまりに無惨な人類の姿に、神族も魔族も彼らとの繋がりを断ち切ろう、そう諦めかけた時だった。

 その彼らの視線は、ある一点に引き寄せられた。

 その先はある小さな少年だった。

 彼は臆病だった。

 だが、彼はとりわけ優しかった。

 世は戦火の飛び散る時代だったが、彼はそんな時でも自然を大切にし、またどんな人に対しても慈愛の心を持っていた。それがたとえ彼の村の住人を殺めた者であっても。

 彼らはそんな少年にある期待を抱いた。

 彼なら世界を立ち直らせることができるかもしれない、と。

 そこで、神族と魔族は初めて手を取り合い、彼を救世主とすることに決めた。


 時は流れ、終戦の年。

 果たしてそこには彼の姿があった。

 彼は天魔の期待通り、人類の救世主となったのだ。

 彼らは喜び、今は青年となった男を自分たちの元へと呼び寄せた。

 男は驚いたが、すぐに状況を理解し、打ち解けた。

 そしてお礼にと、彼らは男の願いを何でも叶えると約束した。

 しかし男はそこでも彼らしく、人類全てに対する願いを答えた。

 得てして、天魔はそれぞれ人類に継続してある贈り物をすることとなった。

 その恩恵は、絶えることなく未来永劫続いていく。




 これが全ての始まりとなる。


もし、神とか悪魔とかが実在する世界があったらこんな感じかなぁ。とイメージしながら書いてみました。

何かワクワクしませんか? こういうの。

ギリシア神話とかも実際に存在したんじゃないかって考えたら、すごく面白いですよね!

では、次回から本編入ります。


次の投稿は本日8/15の夜、21時頃になります。

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