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悪魔は語る

この世界には白魔術と呼ばれるものが存在する。己の魔力を糧に操る魔法だ。

それがこの世界では重んじられ長い時の中で大事に受け継がれて来た。


その対極には黒魔術と呼ばれるものも存在した。

黒魔術とは悪魔と契約し彼らの力を借りて使うものだ。


力を借りると言っても悪魔は手助けをするだけで根本的なエネルギーは己の命だ。

そのリスク故に白魔術とは比べ物にならない力を得ることができる。


しかし、使えば使うほどに術者の寿命は縮んでいく。しかしそれでも悪魔と契約し強大な魔法を求める者が後を絶たない。

ーー何かを奪うため

ーー力を得るため

ーー誰かを不幸にするため

ーー他者を殺すため


その目的は実に様々だが、かつて大切な者を守るために私と契約をした一人の青年がいた。

その男にはのちに彼を慕ってやまない弟子の少女ができた。


人間と契約を結んで生きる私と僅かな間の縁を結んだ青年と少女の話を一つ。


長い時を生きる悪魔からすれば僅かな瞬きほどの時間に過ぎない。

しかし、それは私にとって色鮮やかで忘れらない思い出だ。

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