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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集

すべては幻から

作者: ナオクール

会社での

何気ない会話から

子供の頃を回想することになり

自身の体験談を始める

主人公のストーリーです


YouTubeへの投稿をしました

内容変更多少あり

大手商社に勤めるツカサは

同僚たちと昼食の時間

子供の頃の話題で盛り上がっていた。


営業成績トップのタカオは

「俺、バレンタインデーって

苦手なんだよなぁ・・・」と話すと

経理のマドンナ的存在のマユミが

「なんでよ〜!私が毎年愛情タップリの

義理チョコ配ってるじゃん」と

少し淋しそうな顔をしていた

タカオは

「それそれ 義理ってヤツ」と

義理チョコなるものに意を唱えた

タカオの良きライバルである

ノブユキは

「貰えないのも凹むぜ?」と

子供の頃からあまり貰えてなさそうだ

するとタカオはツカサに聞いた

「お前はどうなんだよ?」

ツカサは遠い目をしながら

「毎年、くれる子が居たけど・・・」と

歯切れ悪く答えた。

ノブユキはすかさずツッコミを入れた

「貰ってたけど・・・なんだよ?」


ツカサは思い出した様に

みんなの顔を眺めながら話し始めた



小学校の低学年から

一緒のクラスになった

ルミという女の子がいて

教室での席が隣同士ということから仲良くなり、ツカサとルミは一緒に帰る事も

ほぼ、毎日だった。

ルミの両親は共働きで、当時言われ始めた

いわゆる鍵っ子だった。

ツカサはルミを送り届けながら

ルミの親が帰って来るのを

宿題などしながら楽しく過ごした。

ルミはひとりっ子だった為

ルミの母親は信頼できる友達が出来たことに

男であるツカサでも、素直に喜んでくれていたらしい。


ツカサとルミは

チョコレートが大好きで

大袋入りの一粒ずつ個別包装されたものを

仲良く分け合い、双子の兄妹のように

過ごしていた。

そんなある日

宿題を先に一問解いた方が勝ちで

チョコレートを一粒

「あ〜ん」と口を開け

食べさせてもらえるというゲームを始めた

同じ数に分けたチョコレートが

問題を解かれると減ってしまうため

子供ながらに必死に解いた。


しばらくそんなことをしていると

ルミはツカサに質問した

「ねぇ、最初って何個あった?」

「袋には50個入りって書いてあったよ」と

ツカサが答えると

明らかにルミの表情が曇った。

ツカサが

「なんで?どうかしたの?」と聞くと

ルミは

「だったら、変だよ。

5問解いてツカサ君に5個食べさせたのに

19個しかないもん・・・」と

ベソをかきそうな顔をした

優しいツカサは

「なら特別に一個あげる」と譲ろうとした

だがルミはそれを拒絶した

「なんで無くなったか分からないのはイヤ」

ツカサは自分のをルミに食べさせていない

数え直すが、やはり25個ちゃんとあった。

ツカサはズルなどしていないし

ルミもそれは理解していた。

もちろんルミ自身も食べていなかった。


気になりながらも、子供だった頃には

外へ遊びに行くなどすると

そんなことすら記憶から無くなるのに

時間はかからなかった。


ある日のこと・・・

ツカサはテキパキと宿題をこなすと

近くにあったクッションにもたれかかり

ウトウトしながら寝てしまった

ルミに起こされる訳でもなく

1時間くらい寝ただろうか・・・

ツカサが目を覚ますと

ルミはツカサの顔を覗き込むように座り

微笑みかけていた

ツカサは少しの驚きは有ったが

ルミだとわかると微笑み返した。


だが、次の瞬間

ルミはツカサにそっと唇を寄せ

優しくキスをした。

目をまん丸くしたまま動けないツカサ

ルミは顔を離した後も優しい顔だった

小学生の2人にはそんな秘密が出来た。


学年が上がる前の春休み

ツカサは風邪をこじらせ

病院に緊急入院したのだった。

体力も落ち、意識も薄れ

どのくらい眠ったのだろうか・・・?


ツカサの母親の話では

丸2日 点滴をしたまま寝ていたようだ


ツカサは、ふと・・・

ルミの事を思い出した。

時間が経っても、ハッキリした記憶に

ルミの唇の感触があり

気がつくと自分の唇に指を当てていた


春休みの間

自宅療養が必要で

ルミとは何の約束もしないまま

会えていない。

春休みがもう少しで終わる頃

体力の回復したツカサはたまらず

ルミの家へと向かっていた


「確かこの建物だったよなぁ・・・」



???

しかし、どうしたことか

団地のどこを探しても

ルミの名字である「田山」がない


「風邪ひいて頭おかしくなったのかなぁ?」

ツカサは何がなんだか分からなかった。

何度見渡しても団地の中に

「田山」らしきものはない


説明も出来なかったが

トボトボと自宅へ戻る途中

同級生のシンジに会った

ツカサは挨拶もそこそこに

「シンジ君、ルミのこと見なかった?」

と聞いた。

シンジは信じられない言葉を口にした




「はぁ?誰それ・・・」


ツカサは目が点になった

「えっ?僕たちのクラスに居た

女の子で田山 ルミって子だよ」

しかしシンジから返って来た答えは同じ

「知らない」ということだけ。

ツカサは益々、混乱した

4月始業式の日

ツカサは3年の頃同級生だった仲間に

くまなくルミの事を聞いて回ったが

返って来る返事はシンジと同じだった。


ツカサは途方に暮れた。

あんなに長い間一緒に居たのに

誰も知らないなんてあり得ないと思った。

みんなして自分を騙しているんじゃないかと

思うほどに。




そして、それが大人になった今でも

解決に至っていないことも

時々、思い返すと話したのだった。


まわりで聞いていた同僚たちは

食い入るように耳を傾け

気味の悪い話だとは思っていないようだ。



すると全てを遮るように

午後の就業時間を知らせるベルが鳴り

散り散りに持ち場へと戻って行った。



ツカサ自身も

怖さなどは感じていなかったし

不思議なことがあるもんだ・・・と

詮索自体もしていない。




あの奇妙な・・・そして

穏やかな日々は何だったのか?

知りたいが

知る術がない話でした

最後まで

お読み頂きありがとうございます


恐怖感じましたか?


怖いものを見たというより

童話の妖精にでも出会ったつもりで

物語を書きました。

不快に思われた方

大変、申し訳ありません。


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― 新着の感想 ―
[一言]  不思議なお話ですね。読み手の想像に任せられる終わり方と、話のテンポがサクサク進むところが良かったです。  どうも、お邪魔しました。
[良い点] 有りだと思います(*゜▽゜)ノ [一言] 面白かったです(*゜▽゜) こういうのは有りだと思います(*゜▽゜)ノ
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