Ⅰ
君はよく窓の外を見ている。何を見ているのかはわからないけれど僕も君につられて窓を見る。何もない。あるのは小さな花が可憐に咲く花壇だけ。君と同じ可憐な花。そこにたたずむだけで周りが華やぐような・・・・。なんて考え事をしていたら授業が終わっていた。教室に居る人たちはぞろぞろと教室を出ていく。昼の時間んだから食堂にでも行くんだろう。僕も鞄から弁当を取り出した。
「今日も旨そうな弁当だな」
「そうか?」
「おう」
僕の悩みや色々な吐き出し口になってくれる唯一の友達の清人。清人は中学からの友達だ。容姿も端麗でなおかつ文武両道。女子からも男子からも人気で少し嫉妬してしまう僕の大切な友達だ。
「清人」
「なんだ?一斗」
「あのさ、」
「ああ。水戸桔梗の話か?」
「そうだけど」
「お前も飽きねえな」
「お前に言われたくねぇよ」
「そうか」
清人は肩をすくめ言った。
「でも、お前も結構カッコいいんだぞ」
「そんなねぇよ」
「何でだよ。お前のことが好きな女の子も居るかもしれねぇのにお前がお前自身の価値を下げんなよ。」
「・・・・・・・・」
「あ、わりぃ。言い過ぎたわ。」
「こっちこそ」
「今日の放課後さ気分転換に遊び行こうぜ」
「そうだな」
「昇降口に4時集合な」
「おう。」
清人は僕のためと思ってくれたのか気分転換に誘ってくれた
「あの、」
僕と清人の前に水戸さんが立っていた。