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アンデッド ─undead─ 一部  作者: 秋暁秋季
第二体 ミエザルメ
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1 安静

 覚醒。ベッドから起き上がると、岩悪が頁を開かれたまま置かれていた。窓からは橙色の夕日が落ちてきて床を濡らす。

 時刻を確認すると午後五時。丁度夕暮れ時。塊はまだ帰って来ておらず、しんと静まり返った室内に私だけが存在する。

 そういえば硝吸鎌に見えざる目を奪われて以来、最近悪夢を見ないようになった。その代わり、夢の中で死体狩り事務所で起こったと思われる過去の情景が再生される。

「硝吸鎌……?」

 ぽつりと口に出して体育座りする。何だかとても寂しがりのようの小さくなって顔を伏せる。

 妙な気分だった。他者の記憶を覗き見しているようで罪悪感が心を揺らす。『見えてしまうのだから仕方ない』と正当化しても、このたぐいの(もや)は消えてくれない。

 そうやって、何をするでも無くぼぅっとしていると、遠くから『ただいま』という声が聞こえてきた。声からして塊だ。静かな足音が此方に近付いてくる。

「っと──、ただいま。んー? 寂しかった?」

「……どちらかって言うと『申し訳ない』?」

 塊は怪訝な顔をして私に近寄ってくると、頭を軽く叩いた。何だか『気にするな』と動作で伝えられた気がする。顔を上げるとにこやかな微笑。

「吐き気は?」

「特に」

「お腹空いた?」

「食べてないけど、其処まで?」

「じゃあ、お粥にしとく?」

「うん」

 そう言って部屋を出て行った。私は即座にベッドに横たわり、自分の指を見ていた。寝起きの所為か浮腫んでいるように思える。

 寝返りを打ち、額をベッドに擦り寄せると何だか眠気が襲ってくる。しかし此処で寝てしまい、全てを塊に任せる訳にはいかないので、胴体をベッドに擦らせながら起き上がった。あー……怠い……。

 リビングへ行くと塊が土鍋を用意して、卵粥を作ろうとしていた。

「手伝う?」

「駄ー目!! 紅葉ちゃんは寝てる!!」

 そう言われ、無理矢理自分の部屋へと返り討ちにされた。部屋に戻された所で何もする事がない。故に物凄く暇なのだが。

 徐に髪に触れる。一日中横になって、シーツの上で擦られた髪は大分柔に、弱くなっていた。なんせ腰がない。『何時も自己主張の強い人が今日はやけに大人しい……』みたいな。

 ……やはり暇だ。手伝う事は断られても、リビングに居ることは構わない筈。そう思ってもう一度リビングに向かう。

「すっごい暇だから来た」

「んー?」

 塊は此方も向かず適当な返事をすると、土鍋を火にかけ始めた。お玉で何度も掻き回しながら声だけを届けてくる。

「今日はねー。皆心配してたよ」

「……そう……」

「特に紅葉ちゃんファンの皆」

 あぁ、そう言えば所長も似たような事を言っていた。私のファンという物好きな奴もいたものだ。

伏線回収は読者様が忘れた頃になりそうだなぁ…………(;´Д`)

(なんせ見返した本人が『遅ぇよ!!』とツッコむ始末……)

『この回収、何時になるのだろう……』

とか思ったら本当にすみません……!!

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