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アンデッド─undead─終了です(´;ω;`)(´;ω;`)
有難う御座いました(´;ω;`)
次号も宜しくお願いします(´;ω;`)
所長からだと思っていたメールは塊からのメールだった。内容は端的に。
──会いたい──
実はこのメールを貰ったとき、事務所のすぐ近くまで来ていて、歩いて一分もすれば着いてしまうような距離だった。でも今回ばかりは走る事にした。絶対に逃がさない……。だって謝りたいから……。礼が言いたいから。だから逃げないで……。
急いで階段を駆け上がる。今は“崩れ落ちる”、“危ない”などと考えていられなかった。
「塊!!」
扉を開くと、ずっとずっと会いたかった存在が目の前にいた。詫びを入れたかった相手が、礼を言いたかった相手が前に、前に──。
衝動を止められ無かった。そのまま駆け足で突っ込むと、塊の体にしがみつく。胸に顔をうずめてボロボロと泣きじゃくる。
「ごめんなさい……。無理に生かして……。でも……存在してくれて有り難う…………貴方は掛け替えの無い存在だった」
貴方の人生全てを摘み取ってしまった時から言いたかった言葉。貴方が居なくなって初めて痛感させられた言葉。其れが今、嗚咽混じりの汚い声で紡がれる。
そんな私に対して塊は何処までも優しかった。
「……有り難う。でもごめんね。辛い思いさせて。今まで会わないようにしていたのはね、紅葉ちゃんを殺してしまうかも知れなかったからなんだ。モヤモヤが溜まって、それをどうにかしたくて、『紅葉ちゃんを殺せば何とかなるのかな?』って思った事もあった。でも、殺さなくて良かった。今会えて良かった……」
言っていることは残酷で恐ろしいけれど、声色は何処までも穏やかだ。まるど言い聞かせているように。そして髪を撫でてくれている。一定のリズムで子供を寝かしつけるように。私はそれに甘えるように殊更強く塊の胸元に顔を押し付けた。
でもいっそ、その時に殺してしまえば良かったのに。殺して楽になるのなら、私は喜んでそうしたのに。貴方は何故そうしないの?
其れに応えるように塊は口を開く。
「だって死んじゃったら、モヤモヤが増幅してしまう気がしたから。紅葉ちゃんの笑顔、見れないと思ったから。紅葉ちゃんが嬉しそうだとね、心が温かいくてモヤモヤしないの。だから笑って欲しいなぁ」
塊の顔を見ると困ったような笑顔を浮かべていた。許して……くれるの? こんな私を……最低な私を……?
彼は長い指で私の涙を拭った後、口角を上げるように頬を伸ばす。笑顔を作る事を催促するような素振りだった。
「ほら」
今まで笑う事を諦めていた頬を無理矢理引き上げる。きっとぎこちなくて、不気味だろう。でも、貴方がそう望むのならば。
「有り難う。今ね、凄く温かい。生かしてくれて──有り難う」