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アンデッド ─undead─ 一部  作者: 秋暁秋季
第三体 擦れ違う、二人
174/178

3

もう大分クライマックスですねー(´;ω;`)

「紅葉はよー」

「おはよ」

 声の鳴る方に振り向くと、群青が快活に笑っていた。二日会っていないだけでも懐かしいと思えるのはこの世の不思議の一つである。

 群青は手を合わせたままの愛子さんを見ると目を剥いて、一歩引き下がった。確かに異様な光景ではある。神社でも寺でもなく、高校の教室で、しかも普通の女子高生が手を合わせているのだから。まぁ驚く事も無理はない。

「何やってんの!?」

「蒼ちゃん!! おはよー。手を合わせてました☆」

「見りゃ分かるよっ!!」

 群青の長髪が一発でふわりと舞い上がる。ナイスツッコミと思った事は言うまでもない。この二人でお笑い組んだらそれなりに売れるのかも知れない。

 そんな二人のやりとりを心の中で楽しんでいると、群青が此方を向く。

「なんか久々だな!! 岩悪の新刊手に入れた」

「勿論」

 私は真剣な面持ちで頷いた。

 あれはラストが悲しかった。イェルが世界と共に消えてしまうのだ。あれほどまで世界の為に戦ったイェルが、世界と共に消えて無くなるのはある意味本望なのかも知れないけれど……。

 群青は快活に笑ったまま頷いた。

「そうか。実は今日買いに行くんだー」

「あっ、なんかそれアニメ化するんだよね!!」

 愛子さんは学校において恋愛方面の情報通だが、アニメに関しても知識があるらしい。流石である。

「広告で見たよ~。面白い?」

「お勧め!!」

「お勧め」   

 私と群青の声が重なったのは言うまでもない。

 その後、ホームルームとなり、退屈な授業をなんとか消化する。気が付くと既に放課後で、私はふらり、ふらりと自宅までの道を歩いている。

 不意に携帯が鳴る。さして驚く事もなく携帯を出し、ディスプレイを確認する。すると一通だけメールが届いていた。どうせ所長からの呼び出しだろうと思ってメールを開く。

 しかしその考えは一蹴される事となった。私は足早に大地を蹴り上げる。

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