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アンデッド ─undead─ 一部  作者: 秋暁秋季
第三体 擦れ違う、二人
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 本当、第三者がこんな所を見ていたら、『紅葉、あんたの意図する事が一番分からねぇよ!!』と言われそうだ。しかし、勿体無いじゃないか。私の為に、私に食われる為だけに殺された肉や野菜をそのままゴミ箱に向かわせるなんて。食べ物を粗末にしたらいけないじゃないか……。

 と、内心ぶつぶつ反発しながら冷蔵庫から取り出した餃子をレンジに入れる。出来上がるまで、それ程時間はかからない筈だ。その間にこの寝癖まみれの髪をどうにかしなければなるまい。

 という訳で洗面所。寝ぼけた私は何時も以上に醜い顔をしていた。髪なんか跳ね放題だし、顔も浮腫んでいるし。まぁ今更嘆いたところでどうにかなる訳でもない。直せるのは寝癖位。

 毛先の方からブラシを入れ、少しづつ解していく。時々絡んで大きな玉になっているのは、鋏で切り捨てるのが一番良い。引きちぎると其処からまた枝毛が生じてしまうからだ。

 幸い、今日はそんな玉を発見すること無くとかし終えた。後はゴムで高い位置に結い、リボンを結べば終了する。

 耳の上辺りからブラシを入れ、慎重に束ねてゆく。ポニーテールの恐ろしい所は気が抜けると高い位置まで結べない。もしくは途中で形が崩れると言ったところだろうか。その為人にやって貰う人も少なく無いそうな。因みに私も苦手である。

 それでもなんとか束ね終え、高い位置でゴムを通すとくるくると回し、形を整えた。よし、後はリボンを通せば終わりだ。

 洗面所にある戸棚の中から深紅のリボンを取り出し、かた結び。素早くリボンを作って鏡で確認すると、其れ程悪い出来では無かった。因みにリボンの長さは調節しない。拘ると何時間掛けても終わらないから。


          ──チンっ──


 おや、丁度出来たようだ。キッチンに向かい、レンジから餃子を取り出す。炊飯ジャーからご飯をよそい、餃子皿と茶碗を持っていそいそと移動する。

 あっ、箸を忘れた。取り敢えず茶碗を置いてからにしよう。

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