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アンデッド ─undead─ 一部  作者: 秋暁秋季
第三体 擦れ違う、二人
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2

皆様のツッコミは代行させて戴きました(*´▽`*)

 例えば停滞期を迎えたカップルがいたとする。そして彼が『しばらく、お互いの気持ちに整理をつけよう……』とかほざきやがったとする……。でも『料理を作り置きしておきました』なんてメールが届いたら、私でなくとも『テメェは何がしたい!!』と叫ぶのは当たり前だと思う。

 まずい……実の兄を恋人に見立て、例を示そうとしている時点でかなり精神が参ってしまっている。でもまっ……折角作ってくれたのだから、頂くとしよう。

 此処で第三者が居たらこう叫ぶだろう。


         『食うのかよ!!』


 ちなみに彼女側が同じ選択をしたら、同じツッコミを入れる。でも“食べずに捨てる”というのは、彼氏がどうとか言う以前に勿体無い。彼氏こそどうでも良いが、食材に失礼というものだろう。彼氏に罪はあるが、食材に罪はない。よし、美味しく頂こう。

 一度も恋をしたことがない女が、彼女の気分になってけじめを付けた。本当痛々しい……。

 まぁ、何だ。先ずは冷蔵庫を漁るとしよう。 

 冷蔵庫を開くと、目当てのものは眼前にあった。御丁寧にラップまでかけられている。

「炒飯ですか……」

 ぼそっと呟いた独り言が静かな空間に響き渡る。黙って電子レンジに入れ、お任せのボタンを押す。後は適当にやってくれるだろう。 

 調理は電子レンジに任せるとして、私はまた携帯をいじり始める。“秋本理子”と検索し、新刊情報をチェック。昔は同時並行で書き上げていた時代もあったらしいが、中途半端で終わった事がトラウマで、今は一つ一つを書き上げることを目標にしているらしい。まぁ、連載停止になって後が気になり困るのは読者の方なのだが。

 通販サイトを検索し、画像を見る。ミニ浴衣姿の八木氏、ゴスロリ姿のあき、袴姿のめいねぇさんが描かれている。どうやらブロマイドは、岩悪劇場版と同じものになるらしい。

 最近、こういったものが増えているように思える。小説なら今言ったように表紙や挿絵、CDになると専らジャケット絵が採用される事が多い。偏見か?

 次に画像サイトを閲覧し始める。明日発売の為にネタバレとなりそうな挿絵などは出て来ないが、今までの表紙や挿絵、オリジナル絵などはわんさか出て来た。こうして見ると、どうしても岩波先生や美しき悪魔たちが多くなってしまうのは頷ける。しかし、一つだけ例外が存在した。一話で登場した“鴨宮くるみ”のイラストだ。

 ふわっふわの癖っ毛短髪に、やや童顔の顔立ち。小説によると背は少しばかり小さい。そういった事が人気を呼び、隠れファンも多いらしい。原作者の秋本先生も『くるみちゃんはかわええですよ!! 一話の中では一番まともだし』とあとがきで語っていた。 

 そうこうしているうちに、レンジが温め終了の合図を出した。


 夕食を終えて、風呂にも入り、後は寝るだけとなった。今日は安らかに眠れるだろうか?何時もは塊が側に居て、隣で体育座りして……。うなされる度に起こして、


       ──また、うなされたよ──


 ずっとずっと私の安眠を見守ってくれた。だから……早く仲直りしたい。そう思って瞼をキツく閉じた。

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