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充電やっばいので……(||゜Д゜)ヒィィィ!
「君達は私の目の前で一体何がしたいのかな?」
「あぁ、まだ居たのか。刻刺」
「紅葉ちゃんなら言うなら分かる。でもさ、視線の先に私がいる時点で気付くでしょ?」
“刻刺”というのは白時の聖遺物の総称だ。つまり、時計の指針を二つ合わせた聖遺物を総称して“刻刺”と呼ばれている。聖遺物の中でも普通名詞で呼び合うのか。
硝級鎌は未だに私にくっ付いたまま、白時と話をする。恐らく、物凄いしたり顔でしているのだろう。
「悪いな、忘れていた」
「はん。まぁどうでもいいけどさぁ。愛が行き過ぎて私には“ヤンデレ”に見えるっての。じゃあね」
あぁそうだ、思い出した。確か硝級鎌の事を“ヤンデレ”と称したのは白時だ。どうやら今の行為が愛情表現に見えたらしい。実際はからかっているだけなのだろうが。
「塊と何かあったようだな」
「貴方なら言わずとも分かるでしょうに」
「まぁ、ある程度は。そして白時の言った『悪気があってやった訳ではない』と言うのには私も同意だ」
「そう……」
この言葉の意味は分かるようで分からない。感情が存在しない塊にとって、悪意がないとと言う事は頷ける。しかしだからこそ、私から逃げ出した事が理解出来ないのだ。
溜め息しか出ない。あのまま、ずっと謝れなかったらどうすれば良いのだろう……。
「安心しなさい。動かない時は無い。必ずきっかけが存在し、転機が訪れる。それまで少しの辛抱だ」
そう言って私の体を強く抱き締めた。