表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンデッド ─undead─ 一部  作者: 秋暁秋季
第三体 擦れ違う、二人
147/178

1 決意

 目が覚める。なんだか蜃が死体になった夢を見ていた気がする。最近要智さんの夢も見ないし、精神が安定していないのだろうか……? だがそうぐずぐずと言ってられない。そんな事をする前に、私にはやるべき事があるのだから。

「あら、もう良いの?」 

 刃型の聖遺物を持った女医のような人から尋ねられる。この人は蜃が塊になった時にも世話になった人だ。何だか懐かしい。

 私は静かに頷くとシーツの皺を無くし、羽毛をかけ直した。その様子を見られ、微かに笑われる。

「そんな事しなくても大丈夫よ。やるべき事があるのでしょう?」

「分かるんですか?」

「貴方、結構分かりやすいから」

 女医の微笑みを受け、私は深々と頭を下げた。

 まずは塊を探さなくては……。死体を狩りに出て居ないとなると自宅……もしくは事務所……。此処からだと事務所の方が近い筈だ。

 白で覆われた廊下を抜け、出口へと急ぐ。外に出ると暖かい日射しが降り注いでいた。行き交う人々が交錯し、人の川を作っている。その中を泳ぐようにして、足早に歩を進める。

 ふと、ショウウィンドウに飾られたマネキン達と目が合う。“目が合う”と大袈裟に言っても、顔さえ禄に描かれておらず、窪みがあるだけだ。塊の姿とこれらの姿が重なる。

 其処までして首を左右に振った。塊はマネキンなんかじゃない。病室に居た時は木偶人形だと思っていたけれど、少なくとも助けてくれた。助けようと思わなければ助けないし、助けられない。それは何かしらの衝動や勢い、もしくは“感情に近い何か”があったからだ。

 塊はマネキンなんかじゃない。させない!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ