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アンデッド ─undead─ 一部  作者: 秋暁秋季
第二体 ミエザルメ
119/178

1 これから

「皆さん、お疲れ様です」

「お疲れー」

 事務所に着くと氷室と塊が居た。氷室は御丁寧に立ち上がって一列したのに、塊は椅子にふんぞり返ったまま右手を軽く振るった。何なのだろう、この差。

 しかし咎めるのも怠く、私は定位置であるパイプ椅子に腰を下ろす。硝吸鎌の入ったケースを側に置き、思い切り伸びをした。

 それから僅かな沈黙の後、氷室は徐に口を開いた。

「所長さん、物凄く今更なのですが、先輩の見えざる目を元に戻すのは不可能なのでしょうか? 私達は後天的とはいえ、何かしらの作用があるならば、戻る可能性もあると思ったのですが…………」

「そう思って今尋ねてる……」

 所長は不機嫌そうに前髪を掻き上げ、窓の外を一瞥した。苛立っているようで、舌打ちまで聞こえてきた。それから地獄の底から這い出るような声でこう言った。

「そのうち嫌でも関わる事となるよ……。あの狸……」

 あぁ、確か硝吸鎌言っていたな、『狸』って。所長と硝吸鎌が狸と呼ぶ者には、二人にとって何かしらの因縁があるのだろう。そして二人の表情や言葉から判断するに、きっと厄介な相手だという事が判断出来た。

 しかし今の問題は其処ではない。きちんと自分の思いを伝えなくては。

「御言葉ですが、私は戻すつもりはありません」

 なんだかんだで無くても良いように思えてきた。硝吸鎌に代償を求める事を宣言された時、あんなにも平静でいられたのは、きっと“この先ずっと、グロテスクなシーンを見ないで済む”という潜在的な意識から来るものだろう。

 見えない代わりに聴覚も、嗅覚も、感覚も、異常な程に高まっている。最初に奪われた時こそ吐き気に襲われたが、最近は殺す事に躊躇わなくなったように思えた。

 だから要らない。私にとってのまやかしで、気を紛らわす方法でしかなかったとしても、戻さない方が良いのかもしれない。

「そうかい。まぁさっきの戦い方を見ても、前に比べて始末する事を怖れなくなっただけでも大きな進歩だ。あのまま紅葉が戦えると言うのなら、強制はしないよ」

 それだけ言って所長は笑った。私の意志を汲んでくれているようで安心した。

『狸』にはもう登場して貰いました(*´∀`)

そんな嫌わないであげて……(;´Д`)

でも硝吸鎌も所長も『憎めない』って範疇なんですよね(*´∀`)


そして第二体、終了致しました(ノ^^)ノ

これから登場人物について記載したいと思います_(._.)_

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