表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンデッド ─undead─ 一部  作者: 秋暁秋季
第二体 ミエザルメ
112/178

1 鎖骨は弱い方ですか?

覚登場ですー(ノ^^)ノ(ノ^^)ノ


独白の主役級ですが、いじられてます。

「おっ、紅葉はよー」

「おはよ、群青」

 学校に着くとなにやらクラスが賑わっていた。最初こそ静まり返っていたが、私に慣れてくれる人が若干増えてマシになったのだろう。

 賑わいの根元を探す為、私は辺りを見回す。すると愛子さんがクラス中の男女問わず鎖骨を触っていた。ある意味愛子さんだからこそ許される行為である。

 でも、一体何をしているんだ……?

 疑問に思う様子に気付いたのか、群青が説明してくれる。

「あぁ。アメの鎖骨から上を触ると良い反応するからって、他の奴もそうなのか試しているらしい。ちなみに私も触られた」 

 アメ、と言うのは勿論食用の飴などではなく、人のあだ名である。本名は感見覚(カンミ サトリ)。女子には誰に対しても笑顔を浮かべるが、男子が苦手なのか特定の子以外と話す時は表情が強ばっている事が多い。

 前に自己紹介で『極度のコミュ障で、初めてお話する方には無愛想な事が多いです。でも決して嫌っている訳ではないので気にしないで下さい』と早口にまくし立てて、さっさと座ってしまった事を思い出す。クラスでは殆ど話した事はないけれど、悪い子という印象は抱かなかった。

 ちなみに、あだ名の理由は“感見”から。“甘味”と同じ発音で美味しそうだからと愛子さんに名付けられたそうだ。

 その子が只今絶賛愛子さんに振り回されているのか……。

「紅葉おはよー。今ねー、半泣き状態のさとりん見てきたのー」

 雫が嫌に嬉しそうに語ってくる。いや、半泣き状態って……。それ笑って言う事じゃないだろ……。

 分かっていると思うが、“さとりん”とは感見覚さんのこと。名前の由来は“覚”から。これも愛子さんが名付けだとか。

 私が微妙な顔をしていたせいか、雫は慌てて訂正と補足を入れる。……罪悪感のせいか目が泳いでいたが。

「いやね、可愛いの。『虐めないで下さい』って捨てられた子犬のような目が何とも。守ってあげなければ~。と思いつつ、ついね……」

「はぁ…………」

「はっ、紅葉様。おはようございます。ところで鎖骨は弱い方ですか?」

 ひょこっと顔を出したのは話題のほぼ根元である愛子さんである。

 彼女は何時ものようにテンション高く、高い位置に結いた細めのツイテールを揺らしながら挨拶して来た。

 その後ろには巻き沿いを食らわされている感見覚さん。左寄せに束ねられた色素の薄い髪が特徴である。

 私の顔を一瞥するとはにかんだように笑って隠れてしまった。何時もはもう少し覇気があった気がしたのだが、急所をなじられて元気がないようだ。

「鎖骨というか全般に弱いかな……」

「ほうほう。ちなみにさとりんはデコルテから上全部だよー」

「言わないで……これ以上。『あっ、変態だ。はよー』とか言われたらもう………学校来れないよ…………」

 本当だ。覚さんは雨の日に捨てられた子犬のような表情で体を縮こませた。

 なる程、保護欲を掻き立てられる反面、妙な加虐心をもオマケで付いてくる。

 対して愛子さんは闘志に燃える瞳をしていた。普段からきゃぴきゃぴしていて明るい愛子さんには珍しい表情。

愛子に悪気はありません……(;´Д`)


故に恐ろしい子…………(・_・、)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ