1 異国の路地裏
小説を呼んでいる。岩悪の劇場版のものだ。それに私達が相棒としている聖遺物のようなキャラクターが存在するのだが、この子達を見ていると硝吸鎌の事を思い出した。
今日も含める事となると二日程会っていない。気が立っていないか少し心配に思えてくる。
「…………」
……間違いなく、暴れている。シスターに仕える眷属達の死亡回数が百は越えている……。
携帯を見る。メールは届いてないし、連絡も来ていない。けれでも『来るな』と言われた訳でもない。
此処で少し考えて、私はパジャマを脱ぐ事にした。適当に脱ぎ散らかし、適当なものを選び、ベッドに投げつける。
適当に着替え、居間に出ると塊が首を傾けてきた。
「お出かけ?」
「うん、ちょっと」
「そう、いってらっしゃい」
財布と必要最低限の物を持ち、少しだけ足を早める。スニーカーを履きながら後ろを振り返り、出来るだけ大きな声で『鍵、閉めといて』と伝える。
それから早々と飛び出して行った。
見慣れた通りをふらふらと歩く。何時もと変わらない道のり、何時もと変わらない景色。その筈が何時もと違う路地裏を発見した。
路地裏なんて何処にでもあるだろうと思われるかもしれないが、赤煉が敷き詰められてよく整備されていた。まるで異国への抜け道のように。
そして私は好奇心に負け、その通りを歩く事になった。『どうしてか?』と聞かれても応えられない。ただ、何となく。何時もなら面倒事を考えて実行には決して移さないのに、些か不思議である。
道は思っていたより入り組んでいた。分かれ道が多く、似たような空間が広がっている。このままでは迷子になってしまうのではないか…………。そう思いながら歩いていると、突然道が開けて広場のような所に出た。
都会とは思えない、本当に異国のようで綺麗な場所だった。
此処で私の気持ちは満足した。満足したので帰りたい。というか硝吸鎌に会いに行かなければ。
戻る為、来た道を引き返す。しかしまたも別れ道が錯乱させる。好奇心は身を滅ぼすとはこの事。息を切らせながら、漸く辿り着いた所は何処かの屋敷。
次回、short assortに出てきたあの人が出ます!!
(ゲーテとカルペ・ノクテムの二人だなぁ……。)
パパさんの名前出て来たっけ……。