1 休みの朝
目が覚めた。本日二度目。でも今度は太陽が上まで登って朝を知らせていた。
今日は休日。怠惰に、それこそ気怠げに過ごしたい。
最も所長から死体の連絡が来た途端に、その休日は崩壊するのだが。
ベッドからでも分かる塊の茶色がかった髪。私は其れを叩きながら塊の名を呼ぶ。
「塊、起きてる?」
「勿論。今日はお休みでしょ? 何時も通りぐーたらして過ごすんでしょ?」
「……呼び出しが無かったら……」
すると塊はうんうん、と頷きこの部屋を後にした。取り残された私は二度寝(?)を決め込むつもりでもう一度倒れ込んだ。顔を擦り付けると、柔軟剤の甘い匂いがした。
落ち着く……。この世界では一番安らげる場所だと思う。
目を閉ざし、ごろごろと寝返りを打つ。パジャマが乱れ、捲れ上がり、髪は徐々にほつれていく。
眠れない……。贅沢過ぎるが眠りすぎて怠い。
とりあえずリビングへ行くことにしよう。
リビングでは塊が珈琲を淹れて飲んでいた。呑気に欠伸をし、レクイエムを読む。朝というよりかは午後のように思える。
「目が覚めちゃったの?」
「うん」
「無理に眠ることもないさ」
そう言って笑う。私は黙って頷くとテーブルの上に突っ伏した。怠い……。眠りすぎて体が重い……。
やることが無いのは良いことだが、眠れないときは少々退屈だ。私は起き上がると取り敢えずテレビを着ける。
朝の番組はエンディングを迎え、エンドロールが流れている。どの番組も似たようなもので、面白くない。
テレビを消し、自分の部屋へ戻る事とする。私も塊と同様、小説を読む事にした。