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依頼~北行街道~

 盗賊の襲撃は失敗に終わった。ハロルド達は、馬車の主に招かれ、荷台に登った。荷台と言っても、高齢の女主人のために絨毯が敷かれて、クッションまであり、乗り心地は良かった。

「私は、アンドーヌのミリング商会のヤルター・ミリングの妻でガリアと申します。危ないところをありがとうございました。」

「ミリング商会のお内儀とは。」

 エマが驚いたように声を上げたが、城出入りの業者とは、名前で呼び合うため、商会の名など知らない後の二人はきょとんとして顔を見合わせた。

「知らないのかい。ミリング商会はアンドーヌで一番の商会だよ。帝国の北で一の商会と言ってもいいだろうね。」

 ガリアはそんなことありませんと謙遜しながらも、嬉しそうに微笑んだ。

 それでも、ガリアの顔はすぐに悲しげなものに変わり、よければこのまま同道してくれないかと頭を下げた。

「商いを息子が継いで、若い頃のように二人で行商がてら旅をと思っていたら、アルフィールドの町で倒れて。それっきり…。慣れぬ土地で、ようやく葬儀を挙げましたら、御領主様が、捕らえられて…。」

 アリアナはガリアの潤んだ目にそっとハンカチを差し出した。

「ありがとうごさいます。お嬢さん。」

「アンと申します。こちらは兄で騎士のハリー。それから、エマ叔母さんです。よろしくお願いします。」

 驚く二人を差し置いたアリアナの一言にミリング商会のガリア夫人との旅が始まった。

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