4 気づいたこと
あれぇ? 自分、天才かも……。よくぞ気づいた!
どこかで、誰かが言ってそうなセリフを言いつつ、別の道となる選択肢を考える。
リオが誰かと結ばれたから、銀色の髪に変わったってことは、魔力が分担されたことにならないかな?
なら、このままいじめられるよりも、良い方向で立場を強くしたほうがいいに決まっているはずだ!
魔力を分担させる方法か……学園にあるかな?
確か、リオは魔力が強すぎて、学園で上位魔術を簡単に使えたことで、『悪魔と契約したに違いない』って言われた。
まあ、髪色がこの世界になかったらそう考えちゃうかもしれないけど、流石に十代の子に言うのは酷じゃないの?
(なんで、上位魔術でもこの子の魔力を減らして、一瞬でも銀髪にしないのよっ!! 一瞬でいいから銀髪になれば、いじめられなくなるのに!!!)
って思わず本を読みながら、心の中で文句を言ったものだ。
リオのダークブラウンの髪を見ながら考える。
ついさっきまでいた世界だったはずなのに、もう懐かしく思ってきた。
自分を心配してくれる親はもう交通事故でなくなったから、なにか、絶対に! ていう心残りはないけれど……
あれ? 小説には書かれていなかったけれど、この通り、リオはお母さんに似ていない。
この髪色はこの世界に存在しないのなら、リオのお父さんの由来ってわけでもなさそう。
──リオのお母さんが不倫したと世間に言われていないのかな?
そんな疑問が生まれ、思わず聞いてしまった。
「お母様、私を産んだ時、不倫って疑われなかったの?」
でも、すぐ後悔することになった。
リオのお母さんはキョトンとした顔で私を見た。
今のは聞いちゃダメなやつだった……。
慌てて、取り消そうと口を開ける。
その前にリオのお母さんはにこっと笑って、答えてくれた。
優しい、優しい表情で。
(あ、リオのお母さんは本当にリオのことを愛しているんだ……)
聞かなくてもわかった。リオのお母さんがリオがなんて言われようと、大切に想っていることを。
「今日のリオは変ね。ふふ。もちろん疑われたわ。でも、魔法で検査をしたの。そしたらね、正真正銘の我が子よ。誰がなんと言おうと私の大切な子供よ」
(一緒にリオは強大な魔力を持っていますってなんで出なかったのだろう……)
そんな疑問が浮かんだが、このことを話すリオのお母さんは、本当に幸せそうだった。
赤の他人である私にも伝わってのだ。リオ本人もわかっていたに違いない。
……だから、自分の身に起きていることを話さなかった。いや、話せなかった。
話せば、お母さんが助けようとするのをわかっていたから、巻き込みたくなかった……
(ごめんなさい。あなたの子供の中に入っているのは、別人なの……。でも、どうやって体を返せばいいかはわからないけど、私が入っている間はリオのためによりよくしていくから)
やっぱり、リオのためにもリオの家族にも早く幸せになってほしい。
そんな決意がますます私の中で燃えていた。




