偉い人?
それも一瞬のことで、セリーヌ様は面白いものを見るような表情に変わる。
(え??)
なぜそんな表情をされるのかが全くわからず、思わず困惑する。
(なんで??)
理由を考えていると、セリーヌ様の言葉によって、その思考が中断された。
「リオ嬢、授業後に私の方から迎えに行きます」
「え!?」
(何かやらかした⋯⋯? え? 先生に呼ばれるなんて、何かやったに違いないよね? え?)
「は? リオがセリーヌ様に呼ばれた?」
「セリーヌ様が自らご指名を⋯⋯?」
あれ? まさか目立っている……?
(このみんなの反応はなんかやらかしている時の、だよね?)
つ、詰んだ? これ、断るとして、もっと目立つ気がするんですけど⋯⋯。
もしかして、フラグ立った? でも、女の先生、だから⋯⋯ギリ大丈夫、かな?
「承知しました⋯⋯」
そう返事すると、セリーヌ先生は、ふわりと優しく笑った。
満足したような表情を浮かべたセリーヌ先生は、さっき授業をしていた先生を振り返ると、その表情は見間違えなんじゃないかと思うくらい、瞬く間に消えた。
「急に授業にお邪魔して申し訳ない」
「い、いいえ。そんなことは……」
やはり、さっきも思ったことだけど、セリーヌ先生は、偉い人みたいだ。
偉そうに威厳を振る舞っていた先生も、セリーヌ先生の前ではオドオドしている。
(そんな先生に呼ばれるってことは、なんかやらかしてるよね??? どうしよう……大事になちゃったってこと!?)
リオのお母さんに迷惑だけは……
と祈っていると、セリーヌ先生は
「今後は、ちゃんとした授業を期待していますね」
と、有無を言わせないような、さっきと違う笑みを浮かべていた。
まるで、牽制のようだ。いや、“ようだ”じゃなくて、牽制か。
そう思いながら、先生が蒼白な顔で「はい……すみませんでした……」と答えるのを聞いたのだった──。




