質問
レイナ嬢が了承してくれたことに安堵していると、クラスメイトの一人が、「何を要求されるんだ?」と呟いた。
要求?! みんながリオに対する印象は一体どうなっているのだろう……。なんだか、その反応も慣れてきている自分にもびっくりするけど……
(でも、要求か……。別に、そんなことしないのになぁ……)
あ、でも、知りたいことがあったから、この機会に聞いてみるか。
「でしたら」
その一言で、教室の空気がキンと冷えた気がした。
ゴクリと、その場にいた面々が息をのんだ。誰もが続きを聞くのが怖いという表情を浮かべている。
何をそんなこわい顔をしているのだろう、とって食べるわけでもないのに。
「私の席を教えてくれませんか?」
「「は?」」
全員が口を開け、呆気にとられた。
「へ?」
みんなの反応に私のほうが驚いた。
(私、そんなに変な質問したっけ? 普通に席の場所を聞いただけよね?)
「あの……リオ様は今なんとおっしゃいましたか?」
一人の女の子が恐る恐る聞く。
それは、全員の心を代弁したものだった。
(聞こえなかっただけだったのかな? 私って滑舌悪いし)
だから、誰も席の場所を教えてくれないのかもしれない。そう思って今度はゆっくり、はっきりともう一度言った。
「私の席の場所を教えて欲しいんです」
(だって……リオの記憶が私にはないもん。初登校の日どころか学校生活のことなんて全然わからないし……それに、小説にそんな細かいところ書いてなかったし……たぶん……)
今度こそ聞こえたのか、女の子はもう一度みんなの心を代弁して聞く。
「何故、その質問をするのか、お聞きしても?」
(ああ、確かに。休んでた人が登校したかと思ったら、いきなり自分の席の場所を聞くとか、不思議よね)




