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キャバ嬢メルメの花と仁義 ⑥
アオナがNo.2だ。N3のキラコは麗しい足を魅せる。メルメの先輩であり、親友でもあるマミアは明るく、際立つ気立ての良さでNo.10の座を労の末、手にしていた。
風雲児となるかメルメ。彼女は今日も男を上から見下ろし精一杯の罵詈雑言を振り絞る。
キラコの美しき足も及ばなかったアオイとは。
嘘泣き
客が来店すれば、瞼に湿を滲ませ、見送りにあたっては一筋の光る物を流すのである。
スクリーンの向こうの女優の快演のごとく、涙を自然から決別させ。手足のように探る。
確かに訝しむ男もおるが、感涙のニュアンスを伴う青泣は嬉く。
落を使わされた男は虜になる。
「会えて嬉しい」
アオイは今宵もその網膜で男を捉え、水晶体をピンボケさせている