あちらの世界からのお誘い
空を切り
ドラゴンのふところに滑り込むと ケイトは「最強魔法クロマティオン‼」を放つ
周囲の空気が委縮し
すべてを無に帰す波動がドラゴンの体を覆う
音のない爆発が周辺を殺風景な砂漠に買えてしまった。
・・・。
・・。
「ギュルルル」
ドラゴンの赤い瞳が光る
どうやら無傷のようだ。
「やはりな。お前の力では お前は倒せないってか?」
ケイトは再びコブシを握った。
・・・・・・
ニュースです。。
日本の最低賃金が930円となりアメリカの2,240円を大きく下回りました。
ニュースです。。ニュースです。。
「日本 オワコンじゃん」
ケイトはスマホに顔を近づけるとロック画面が外れて ファンタジー世界と冒険者グループの記念写真が現れた。
覗き込んでいると 不思議と気持ちが和む世界。。
もう一つの世界。
「日本は仕事をする場所と思えばこの国もそれほど悪くはない」
天井を見上げた
ジー・・
「でも 彼女はいたほうが・・」
ジー・・
どこかから視線を感じる。
ジー・・
ケイトは スマホを見下ろすとグリーンの瞳の女の子がこちらを凝視していた。
ウィルス? 女の子と暮らせるアプリもあるらしいが俺はそんなアプリは入れてない。
「だれだ?」
思わず大きな声を出すと女の子はビックリした表情になり待ち受け画像の世界の中に走って逃げていく。
あ。。転んだ。
あ。。立ち上がった。
追いかけようにも相手は画面の中へ消えてしまった。
「何だったんだ?」
新しいウィルスかもしれない。
明日 仕事が終わったらショップに行って駆除してもらうか。
爛々とした瞳がオレに何かを訴えていたようにも思えた。
次の日の会社
同僚「知ってるか?都市伝説のツイートで話題になってたんだけど 願いの叶う世界っていうのがあるらしい」
ケイト「そんな話 あるわけないだろ?」
同僚「ホントだって 有名なインフルエンサーが言うにはある場所でアプリをダウンロードするとその世界に行けるんだってよ。日本政府が衰退したのはその世界への扉を探すために税金を使い込んだからだって言われているらしいぜ」
同僚のバカ話は続いたが上司ににらまれるのでディスクに帰ってきた。
バカ話としてはリアルな感じもあって そこそこ楽しめたが
カルトというか希望のない日本の世界で誰かがつぶやきそうな話だろう。
「大体 願う夢なんてないだろう。。」
そう思っていた。
でも 仕事が終わって帰ろうとしたときに同僚と俺は上司に呼び止められて
上司は同僚の解雇を通告した。
オレは 少しだけ業績がよかったので何も言われなかったが きっと 次はオレだとわかった。
もう 時間はない・・。