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最強聖女!チート御一行のダンジョン生活★  作者: 茄子
第二章 動き始める人間関係
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恋愛感情は難しい

「わがままですか」


 エッシャル様の言葉にわたくしは思わず首を傾げてしまいます。

 この世界に来るにあたり、わたくしは十分に神殿の皆様にわがままを言っていたという自覚があるのですが、エッシャル様達が言っているのはそういうものではないのですよね?

 かといって、恋愛感情を意識しろと言われてしまっても、どうしたものかという所ですし、難しいですね。

 恋愛なんて不確定なものですし、婚約という契約を結んでいてもあっさりと破棄されてしまうものですし、真実の愛なんてものを謳ってもその持続率は殆どありませんし。


「ティタニアさんは元の世界での体験が尾を引いているよね」

「それは、あるかもしれませんが、そもそも恋愛というものがよくわかりませんのよね」

「うわぁ、純粋培養って感じね。恋愛っていうのはこう胸がぎゅーってなってほわんってなって、その人の事を考えると苦しいような楽しいような、でも幸せな気分になれるものなのよ」

「そういうものなのですか。よくわかりませんわね」

「シンヤさんと一緒の時にそういう気分になったりしない?」

「生憎、その胸がぎゅーっとなったりほわんとなったりすることはありませんね。けれども、シンヤ様にお会いできるのは楽しいと思いますわ」

「それよ! その感情!」

「けれども、クインゼル様達とお会いするのも楽しいと思いますわよ」

「うーん、そういうんじゃないんだけどなあ。私達と会う時の楽しいというのとはまた別なんじゃない?」

「どうでしょう?」


 シンヤ様とお会いする時は特別に楽しいと思うかどうかですよね。

 確かに、何かあった時に頼りにしてしまうのはシンヤ様ですけれども、だからと言って恋愛感情があるかと言われると微妙ですよね。

 シンヤ様に恋人が出来ましたら、少し物悲しい気持ちもありますが、幸せになっていただければと思いますし、どちらかと言えば友人が離れて行ってしまうようなそんなもの悲しさなのではないでしょうか?


「じゃあ、シンヤに告白されたらどうする?」

「シンヤ様がわたくしに告白ですか?」

「そうよ。お付き合いしてくださいって言われたらどう答えるのよ」

「考えたこともございませんが、そうですわね……」


 シンヤ様に告白をされたらですか。

 他の男性勇者の方のデートのお誘いはお断りしておりますが、シンヤ様はそういえば拠点にも招いておりますし、シンヤ様の拠点に行ったこともありますね。

 デートと言うよりは魔法の練習ですが、二人きりでダンジョンに出たこともあります。

 そのようなシンヤ様から告白を受けたとなれば、お断りして今後気まずい関係になるのは避けたいですよね。

 そう考えると、告白を受けた方がいいのかもしれませんが、そのような気持ちで告白を受けて果たしてシンヤ様が喜ぶかと言えば、そうではないと思いますし、難しいところです。

 シンヤ様の告白にはちゃんと誠心誠意心を込めてお応えしたいですよね。

 シンヤ様の事は好きですけれども、やはり恋愛感情かどうかと言われると難しいところがございます。

 そもそも、わたくしに恋愛感情などあるのでしょうか?

 教皇様は恋愛感情というのは気が付けば芽生える物だとおっしゃっていましたけれども、その気が付きというのはいつになるのでしょう?


「じゃあさ、シンヤさんが居なくなったらどうする?」

「シンヤ様が居なくなる、ですか?」

「そう。死んじゃうとかっていうのは考えたくないけど、この世界だと何があるかわからないでしょ? もしティタニアさんの前からシンヤさんが消えちゃったらどうする?」

「それは、悲しいですわね。けれども、エッシャル様達が居なくなってしまっても悲しいですわよ?」

「これは難敵ね」

「そうだね、ティタニアさんがこんなに鈍いとは思わなかったな」

「鈍いのでしょうか?」

「だって、他の男の勇者からのデートの誘いはことごとく断っているくせに、シンヤには自分から誘いをかけたり、連絡を取って一緒に食事とかしてるんでしょ? はたから見てると完全にカップルなんだけどね」

「そうなのでしょうか?」

「そうだよ! 結構な人数の勇者がティタニアさんとシンヤさんの恋を応援してるんだよ!」

「そうだったのですか!?」

「筆頭はもちろんあたしよ!」

「そんな気はしておりましたわ」


 クインゼル様、こういうの好きそうですものね。

 それにしても、わたくしとシンヤ様の恋を応援ですか。

 本人同士にその気がないのに周囲が盛り上がるというのはどういうことなのでしょうか?

 シンヤ様に対して特別な感情を抱いているかどうか、ですよね。

 うーん、考えれば考えるほどわからなくなってしまいます。

 確かに他の男性勇者と比べれば親しいですし、信頼もしておりますけれども、それが恋心なのかと言われると、やはり違う気がしてしまいます。


「やはり、わたくしには恋愛と言うものはよくわかりませんわね」

「えー、つまんない~」

「私から見ると、ティタニアさんはシンヤさんといい線いってると思うんだけど、こればっかりは無理強いできないもんね」

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