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最強聖女!チート御一行のダンジョン生活★  作者: 茄子
第二章 動き始める人間関係
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瞬間移動を習得

「まさか俺がティタニアちゃんに魔法を教える日が来るとは思わなかったな」

「ナティルでも瞬間移動テレポートは使えませんので、使用できるシンヤ様に習うのが一番ですわ」

「うーん、禁書に瞬間移動テレポートが載っていないっていうのも意外だね」

「あの禁書は攻撃魔法や防御魔法、召喚魔法に特化されて書かれている禁書なのだそうです」

「召喚魔法!? なんだか怖いね」

「ナティルは使えるそうですが、今の所は使う気はないそうです」

「ティタニアちゃんがますますチートになっていくね」


 クスクス笑いながらシンヤ様が瞬間移動テレポートを教えるためにわたくしの手を取ります。

 シンヤ様の場合、わたくしと違って魔法陣ではなく呪文を詠唱するようなので、魔法体系が違うため、実際に体験して自分なりにアレンジした方がいいとのことですので、十一階層で練習をする事になりました。

 わたくしは休養日ですのでかまいませんが、シンヤ様にお付き合いいただいてよろしかったのでしょうか?

 休みたいときに休む派だとおっしゃっていましたが、シンヤ様がほぼ毎日ダンジョンに出て狩りをしていることは仲の良い方なら皆様存じ上げております。


瞬間移動テレポート


 シンヤ様がそう呟きますと、ふわりと体が浮いたような感覚がして、気が付くと十一階層の最奥に到達しておりました。

 なるほど、これは確かに便利な魔法ですね。

 けれども、今の一度だけで自分の物に出来たかと言えば流石にそうはいかず、今の感覚を自分の中に落とし込みましたが、うまく魔法陣に書き起こすことが出来ません。


「申し訳ありませんがもう一度よろしいですか?」

「よろこんで」


 その後、十数回ほど瞬間移動テレポートを実地で教えていただき、少しですが魔法陣を組むことが出来ましたので、念のためシンヤ様にお付き合いいただいて発動してみますと、予定していた地点から大分ずれた地点に出現してしまいました。

 中々に難しいですね。

 もっとも、瞬間移動テレポートの際に体の一部がバラバラになる可能性もありますので、無事に五体満足で移動できただけでも御の字なのかもしれません。

 空中に魔法陣を書き出して手動で修正していきます。

 ナティルが居ると的確にアドバイスをもらえるのですが、本日はわたくしが覚えるのを主体としておりますので、拠点で留守番をしてもらっています。

 わたくしが修正している間、見慣れない文字などにシンヤ様が興味を示していらっしゃいました。

 わたくしの元の世界での古代魔法文字なのですが、この文字を使って魔法を使う魔法使いも昨今では少なくなっておりますね。

 近代魔法文字は威力が劣りますが、簡略化された魔法陣を作り出すことが出来ますので、皆様そちらを使用することが多いのです。

 エドワルド様が使用する魔法もそちらですね。

 魔法陣を書き換えてもう一度シンヤ様に付き添っていただいて発動しますと、先ほどよりは目的地に近づくことが出来ました。

 同じ作業を数十回繰り返して、途中お昼ご飯をはさんで、十七時頃にやっと目的地に思ったように到着できる魔法陣を完成することができました。

 本当でしたら、いくら魔法を習っているとはいえ、一日で新しい魔法をほぼ一から習得するというのはほとんどできないのですが、これもチート補正と言うものでしょうか?


「俺は元の世界のゲームの知識があったから結構初期に習得出来てたけど、テレポートなしで今までどうしてたんだい?」

「身体強化魔法をかけまして、移動速度を上げて行動しておりました。ナティルとツバキもそうですわね」

「なるほどねぇ。でも、八十階層ともなるとそれも厳しいっていうわけか」

「ええ、マリア様や他の勇者もクリアしたらもう二度と行きたくないと言っておりますので、地図が完成するかも微妙ですね。わたくしは脳内地図で補完しておりますけれども、まだ先が見えませんわ」

「俺はまだ62階層だからなぁ、あのハチともう一度対戦しろって言われるのは流石に厳しいな。解毒の魔法もあるけど、ハチに囲まれたら攻撃が追いつかないよ」

「わたくしは毒に慣らされておりますけれど、そうでない方は大変ですわね」

「俺の常識では毒に体を慣れさせたりはしないよ」

「これも文明の違いと言うものでしょうか?」

「というよりはティタニアちゃんが貴族のご令嬢だからなんじゃないかな」

「なるほど。そういえば、シャーレ様も毒にだけは体を慣らされているとおっしゃってましたね。エドワルド様もですが、本当に毒に慣らすのはつらいと愚痴っていました」

「あの二人もか。それだけ毒殺の危険性があるっていう事なんだろうけど、本当に小説の中の話みたいだな」

「シンヤ様の世界の小説というのがどういうものなのか気になりますね。ナティルには月に一度本を買っておりますが、魔法書や雑学系の書物が殆どで物語系は今の所買っていませんものね」

「禁書の化身が魔法書を読むことにもびっくりだよ」

「自分にない知識を得るのは楽しいのだそうです」

「なるほどね」

「それにしても、長い時間お付き合いいただきありがとうございました。また何かありましたらよろしくお願いします」

「もちろん、ティタニアちゃんのお願いなんてめったにないし、よろこんで。ご褒美の手作りのお菓子も美味しいしね」

「あら、そちらがお目当てですか?」

「もちろんティタニアちゃんと過ごせる時間も嬉しいよ」

「そう言っていただけて何よりです」


 そろそろ拠点に帰って夕食の支度を始めないといけませんので、瞬間移動テレポートの魔法陣を使って拠点前まで移動します。

 うん、これならナティル達に教えることも可能ですね。

 その後シンヤ様と別れて拠点に戻りますと、ナティル達に何も異常はなかったかと聞かれましたので、特に何も異変はなかったと伝え、無事に瞬間移動テレポートの魔法を習得することが出来たことを伝えました。

 ツバキが「そういうことではないのじゃが」と言っておりましたが、どういう意味でしょうか?

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