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最強聖女!チート御一行のダンジョン生活★  作者: 茄子
第一章 いざ異世界へ
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召喚される夜

 シャーレの体調も回復いたしまして、いよいよ婚姻式という前夜、神様が全国民に夢見という形で啓示を行いまして、わたくしとエドワルド様そしてシャーレが異世界に召喚されることとなりました。

 エドワルド様もシャーレもアイテムボックスの魔法は使えませんので、異世界に行って初めて使えるようになるわけなのですが、わたくしのアイテムボックスと違って時間経過するタイプの物になるそうなので、管理が面倒くさそうですわね。

 それにしても、今まさに幸せの絶頂にあるところで召喚するなど、神様も意地が悪いですわね。

 わたくしにも図々しく招待状が届いておりましたので、わたくしは私財を全て換金用アイテムに変えてしまっておりましたので教皇様がドレスを用意してくださったのですが、紺色のグラデーションが綺麗なドレスでございましたが、着る機会が無くなってしまい残念です。

 まあ、そのドレスもアイテムボックスに入れてありますので異世界に行った際にはしっかりと換金させていただきますけれどもね。

 それにしても、神様に見せていただいた召喚者が来る予定の異世界を様々見せていただきましたが、本当にいろいろな世界がございました。

 魔法が発展していない世界では車や電車という動く大きな箱や、飛行機なる空を飛ぶ機械と言うものがあるのですよ。

 この世界にも転移魔法や浮遊魔法はありますけれども、あのように大勢を一気に浮遊させるのはかなりの大魔導士でなければできませんので、それが世界中を飛び回っているというのですからすごいですわね。

 そう言った世界では遊戯も発展しているとかで、現実的遊戯(VRMMO)では魔法という概念もあるのだそうですが、実際に使えるわけではなく、あくまでも遊戯の中でのみの事なのだそうです。

 魔法やマジックアイテムの代わりに、科学というものが発展したのだそうですけれども、神様がいないわけではないのにこうも進化に違いが生じてしまうというのは不思議な事です。

 まあ、神様でしたら全てが同じ進化の道を辿るなんてつまらないと言いかねませんので、このように文化の違いが発生するのはある意味神様のご意志なのかもしれません。

 そうしていよいよ異世界に召喚される夜、わたくしは緊張のあまり眠りにつくことが出来ず、神殿の自室でソワソワとしておりましたら、夜の遅い時間だというのに教皇様がいらっしゃいまして、最後のお見送りをしてくれるとおっしゃってくださいました。

 この数ヶ月で出来る限りの思い出話や、わたくしが居なくなった後の話などは出尽くしてしまいましたが、不思議とこれが最後だと思うと、繰り返しにはなってしまいますが、わたくしも覚えていないような昔話を面白おかしく話されて、わたくしは気が付けば緊張がほぐれてきておりました。


「ふふ、教皇様は本当にお話がお上手でいらっしゃいますわね」

「口八丁で教皇の座に上り詰めたといっても過言ではないからね」

「またそのような事をおっしゃって。教皇様はわたくしが知る中でも高ランクの魔導士ではありませんか」

「私よりも強力な術を使う魔導士などいくらでもいるさ。私はティタニア様こそが私を超える魔導士になると思っていたのだが、神様の意思により異世界に行くというのは残念で仕方がない」

「わたくしも、数ヶ月前までは異世界に行くなどと思ってもおりませんでしたわ」

「エドワルド殿下は王太子の座から外れ、今やただの第二王子。その事についていまだにティタニアや我ら教会の関係者に恨みを抱いているようだ。異世界に行った際は、彼らの行動にはくれぐれも気を付けるんだよ」

「大丈夫ですわ、最初のチュートリアルと言うものが終わらない限り最初に組んだ方以外と直接お会いするという事はないそうですもの。そのチュートリアルと言うものが終わるころには、わたくしの事になど構っている余裕などなくなっているのではないでしょうか」

「だといいがね、油断は大敵だよ」

「そうですわね、世の中何があるのかわかりませんものね」

「うむ」


 教皇様がそう頷かれると、わたくしの体を包み込むようにいくつもの魔法陣が展開されました。


「あら、時間のようですわ」

「凄まじい魔法陣だ、流石は神の御手というところか。ティタニア様、どうかお達者で」

「ええ、教皇様こそどうぞご健勝でいらしてくださいね」


 そう言って短い別れのあいさつを交わすと、わたくしの視界はホワイトアウトいたしまして、意識がプツリと途絶えてしまいました。

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