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最強聖女!チート御一行のダンジョン生活★  作者: 茄子
第二章 動き始める人間関係
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爆発は避けたいので

 まったく、シャーレ様は相変わらずですね。

 スマートウォッチでスレッドを見ながらそんな事を考えていると、ネーロがキッチンの掃除が終わったのか、ローテーブルの上に戻って来ました。


「ご苦労様です、ネーロ」


 わたくしの言葉にネーロは嬉しそうにぷるんぷるんと揺れています。

 このような可愛らしいネーロが闇魔法の使い手だなんて誰が思えるでしょうね。

 そういえば、わたくし以外にまだ眷属を得たという報告をなさった方はいません。

 もっともわたくしも自分で言ったというよりは、食事会でクインゼル様がおっしゃって情報提供を求められて、特殊変異種であるネーロに食事を与えて名前を付けたら正式な眷属になったことだけお知らせしたという形です。

 眷属が欲しい方はわたくしのように一階層で特殊変異種のスライムが居ないか探しているそうですが、なかなか普通のスライムと見分けがつかないのでレベルも上がっていることもあり、間違って倒してしまっているという可能性もあるとのことです。

 上の階層にもスライムが再び登場する階層があるのですが、勇者のレベルによってはスライムとはいえ囲まれてしまうと危険な場合もあるという事で、特殊変異種探しをしている方は一階層でしているとのことです。

 わたくしは皆様から二十階層の主と言われているようですが、まあ、あれだけ二十階層に居続けておりますのでしかたがありませんし、主なのではないかという自覚がありますので言われても「はい」としか言えません。

 二十階層も広いのでもっと皆様いらしてくれてもいいのですが、レベルが上がってしまっている方はドロップ品目的以外ではエレメント狩りは効率が良くないらしく、魔法を使える方がたまにいらっしゃるぐらいなのですよね。

 需要と供給が釣り合っていない気がいたしますけれども、おかげでわたくしの懐は潤っております。

 エッシャル様も需要が失われることがないので、鍛冶の腕が上がっていると言っておりました。

 クインゼル様は最近、銃という武器の特殊弾丸制作にも着手しているようで、こちらも需要が落ちることがないとのことです。

 銃というものはわたくしは一度しか扱ったことがありませんので何とも言えませんが、遠距離でも近距離でも戦う事の出来る武器で、色々な種類の銃があるのだそうです。

 クインゼル様は戦うときはいくつもの銃を持って状況によって持ち変えるとおっしゃっておりましたが、それはそれで器用だと思います。

 食事会の際に、クインゼル様が使っている銃という武器を見せていただきましたが、小さなものから長いものや大きなものまで様々ありまして、それぞれの特性を把握して使いこなしているクインゼル様はすごいと感心してしまいました。

 試し撃ちというものもさせていただきましたが、一番小さなものでも腕にかかる反動がそれなりにあって、わたくしの戦闘スタイルには合わないとしみじみ思ってしまいました。

 やはりそれぞれに合う戦闘スタイルと言うものはありますよね。

 そう言えば、わたくしの料理を食べたいとおっしゃっていた方が居ましたね。

 メグミ様の教えを受けて確かに一年前より自分でも上達したと思いますが、それでもおばんざい屋様の品物の方が美味しいと思いますのに、奇特な方もいらっしゃいますね。

 おばんざい屋を運営なさっている方は、皆様に食事を提供することで金銭を稼いでいるということですが、あの価格で利益が出るのか不思議ですが、そこのところはうまくやっているとのことです。

 料理上手な方は食材を無駄にしないと言いますし、おばんざい屋様はよほどの料理上手なのですね。

 シンヤ様はおばんざい屋様は和食しか作らないからわたくしの舌に合わないのではないかと心配なさっていましたが、和食というのは神殿に居た時に定期的に食べていた精進料理のようである意味慣れた味でございます。

 まあ、神殿で出ていた精進料理はレシピだけ頂いて作り方は習っていませんので作ったことはないのですけれどもね。

 でも、メグミ様が興味を持たれていましたのでレシピはお教えしております。

 メグミ様が知っている精進料理と似たようなものだそうですが、やはり違うところがあるそうで、作ってみてメグミ様の世界の物との違いを比べてみるとおしゃっておりました。

 神殿でいただいていた精進料理も好きなのですが、メグミ様の世界の精進料理にも興味がありますので、いつか食べ比べに参加してみたいものですね。


「ご主人様、そろそろ夕食の支度を始める時間ではありませんか?」

「そうですわね。ビーフシチューは美味しいですが仕込みに時間がかかってしまうのが難点ですね」

「ぬしさまが聞いたという圧力鍋なるものを使うと早く支度が済むのではなかったか?」

「そうなのですが、扱い方を間違えると爆発すると言われてしまって」

「爆発は危ないですね」

「ええ、メグミ様は使いこなせるようになるととても便利だとおっしゃっていたのですが、爆発するかもしれない物を扱うのはやはり恐ろしいですからね」

「魔法や武器と同じで、使い方を誤ると調理器具も危険なものがありますね」

「ええ、便利というのも使いこなせていればこそですわね」


 そういってわたくしはビーフシチューの仕込みをする為にキッチンに向かいました。

 いずれ圧力鍋なるものにもチャレンジしてみたいですが、メグミ様に扱いにはくれぐれも注意するようにいわれましたので、メグミ様のところで実際に使っているのを見て研究してからにしましょう。

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