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最強聖女!チート御一行のダンジョン生活★  作者: 茄子
第一章 いざ異世界へ
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浮気が貴女の常識ですか?

「ところで、そろそろお腹も目立ってくるようになりましたし、自宅療養の期間に入るのではなくて?」

「そうですよ。お茶会なんかには行きますけど、夜会みたいな場所には当面来る事が出来ません。皆さん残念がっていましたけど、数ヶ月後には復帰出来ますし、私の家に遊びに来て欲しいって言っています」

「貴女が妊娠しているせいで婚姻が遅れているのでしょう? せめて婚姻届けを出して、エドワルド様に許可を得た方がよろしいのではない? いくら令嬢を招待するとはいえ、何があるのかわからないのだから、きちんと王宮に身を置くようになってからの方がよろしいのではない?」

「はあ? 私の友人は根暗で意地の悪いお姉様と違って令嬢だけじゃありませんよ。私に相応しい身分の子息にだって私の友人は沢山います」

「そういった方々を招くというのですか?」

「なにかいけませんか?」

「いけないというか、妊娠していて婚約者がいる身でそういった方を家にご招待するのは常識はずれなのではないかと思うのですけれど」

「はあ? やましいことなんてなにもないですし、誰かに何か言われるようなことはありませんよ。そんな風に疑うなんて、お姉様ってば心が薄汚いんじゃないですか? やっぱり聖女の座を降りるべきです。そして私に聖女の座を譲るべきです」

「もしわたくしが本当に聖女に相応しくないのなら、当の昔に神様がそうおっしゃっていますわ。それが無いという事はわたくしは聖女らしからぬ行動はとっていないという事ですわ」

「そんなのどうとでも言えます!」

「どちらにせよ、現時点で神様より聖女交代の啓示がない限り、どうしようもありませんわね」


 聖女が存命中に交代したという事もないわけではありませんけれども、その時は国が大混乱に陥ったと聞いております。

 それはそうですわよね、聖女は存在するだけで神の恩恵を周囲に分け与え、在籍している国を外敵から守ると言われているのですもの、そのような存在がいきなり交代になってしまったら、それはもう混乱しますわよね。

 まあ、その聖女の資格を失った方というのも、聖女の地位に胡坐をかいて、好みの美男美女を侍らせてそれこそ好き勝手にしていたがゆえに神より見放されたと聞きます。

 教会と王家の力関係が微妙なのはそこが関係しているのですよね。

 全ての聖女が清廉潔白であったのなら教会の力は王家よりも大きいのですが、そうでない為、王家も教会を警戒しつつもそれなりに言いたい事を言える、けれども聖女という存在があるからこそ強く出る事が出来ない。

 本当に微妙な力関係で嫌になってしまいますわね。

 ともあれ、シャーレはエドワルド様以外にも親しい男性がいるという事ですか。

 別に妹の友人関係に口を出すつもりはありませんけれども、シャーレはエドワルド様と婚約するまで別の婚約者が居りましたのに、他の男性と仲良くして、元婚約者さんは何とも思わなかったのでしょうか?

 まあ、それでいえば、わたくしの婚約者であったエドワルド様を寝取ったのですし、諦めの極地に居たのかもしれませんわね、お気の毒ですわ。

 尤も、彼も気が付いていたのか、シャーレとの婚約破棄後、早々に次の婚約者を見つけましたし、案外こうなる事は予想していたのかもしれません。

 政略結婚ですし、割り切っているのかもしれませんが、やるせないですわよね。

 それにしても、わたくしは神様より異世界の事を聞いておりますので、準備をしっかり出来るのですが、シャーレとエドワルド様は不意打ちという事になるのですよね、大丈夫でしょうか?

 わたくしは個人資産を全てアクセサリーに変えておりまして、異世界にある特殊な『万屋』なるものでお金に換金出来るようにしてありますし、異世界での暮らしが貧しいものにならないように、家財一式はアイテムボックスにちゃんと保管しております。

 どれもマジックアイテムばかりですのでお安くはないのですが、公爵令嬢としての個人資産と、聖女としてのお勤めをしているお給金がそれなりにありますので購入に苦労は致しませんでした。

 武器に関しても、事情を聞いた教皇様が宝物庫から杖というかメイスというか、とにかく大ぶりの魔法石のついた物を下さいましたので問題はありません。

 他にも一見ドレスに見える防具のマジックアイテムなども下さいました。

 あっても宝物庫にしまわれるだけで使われる事がないから、せっかくの機会だし使えとおっしゃっておりましたけれど、いいのでしょうか?

 いえ、頂けるものはありがたくいただくのですけれどもね。

 教会の宝物庫にある使わないアクセサリーなども換金していいと言われて色々譲られました。

 教皇様、異世界に行くというわたくしの事が余程心配なのですね。

 神様より、異世界では最初のチュートリアルなるものは二人一組で行動するとの事を伺っておりますので、あまり心配はいらないと思うのですが、確かに知らない人と二人で過ごすというのは最初は気まずい思いをするかもしれません。

 様々な世界から人間を誘拐、いえ、召喚するとの事でしたので、魔法や戦いに馴染みのない世界の方もいらっしゃるのだそうです。

 もっとも、そういう方でも異世界に馴染む事が出来るように対処するという事でしたので、どういった対処をするのかは想像出来ませんけれども、まあ、大丈夫でしょう。

 神様は傲慢で自分勝手ですが嘘はつきませんものね。

 それにしても異世界ですか。

 何となくの概要は聞いておりますけれども、わたくしはともかく、エドワルド様とシャーレに耐える事が出来ますでしょうか?

 わたくしは教会で過ごす時間の方が長いので、身の回りの事は一通り自分で出来るように教育されておりますけれども、王子であるエドワルド様と公爵令嬢であるシャーレはお世話をされて当然という環境ですものね。

 そう考えますと、おつきのものが居ない状態の世界に放り込むという神様のお考えはかなり過酷なのではないでしょうか。

 まあ、やはりそれだけ今回の件をお怒りなのかもしれませんけれどもね。

 わたくしがこの世界を立ち去った後に、すぐさま次の聖女は選ぶそうですが、今回の件があるからか、王家との婚姻は絶対に認めないと啓示を与えるのだそうです。

 しかも、この国の全ての民に今回のあまりにもお粗末な王家の行動と、その結果による聖女の喪失がわかるように、夢見という形で全国民に啓示を与えるというのですから相当ですわよね。

 王家の威厳もへったくれもありませんわねぇ。

 さらに教会との力関係が微妙になりそうですわ。

 その頃にはわたくしは異世界にいますので何とも言えませんけれども、教皇様の胃痛を考えますと今から胃薬をご用意した方がいいのではないかと思えてしまいますわね。

 歴代の聖女の乱行のせいで王家との力関係が微妙になっておりますので、ここ十数代は啓示を受けてすぐに教会で保護及び養育をするようにしていますが、それでも、やはり自分が特別な立場だという事に胡坐をかいてしまう人っているのですよね。

 複数のお気に入りの美男美女を侍らせたり、王家に大きな顔をしたりとか、疲れないのでしょうか?

 わたくしだったら面倒くさそうなので絶対にやりたくないですわ。

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