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最強聖女!チート御一行のダンジョン生活★  作者: 茄子
第一章 いざ異世界へ
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食文化の違い

 恐る恐る真似をしておにぎりと言うものを一つ手に取って口に運んで、思い切って食べてみますと、粒つぶしたものが口の中でほろほろと崩れていき、塩気が程よく口の中に広がりまして、食べた残りを見ますと中にサーモンを焼いたものだと思われるものが入っておりました。


「あ、鮭ね。しょっぱなから梅干しとかじゃなくてよかったわね」

「うめぼし?」

「すっぱーーーーーい食べ物よ。クインゼルさんも最初食べた時は悲鳴を上げてたんだから」

「あー、あの時の事は忘れてってば。びっくりしたのよ」

「このお料理、わたくしにも作れるでしょうか?」

「簡単よ、お米を炊いて具を入れてこういう形に握るだけ、あとは海苔をまいて終わり」

「おこめ、のり?」

「え、そこから? じゃあ炊飯器も知らない?」

「炊飯器と言うものが万屋に売られていることは知っていますが、何に使うのかわからないので購入しておりません」

「えっとさー、リゾットとかは食べたことある?」

「それでしたら何度か」

「お米はそれに使われているライスの事」

「まあ、そうなのですか」

「うーん、私が持っているレシピ本は初心者向けじゃないから、和食の初心者向けのレシピ本が万屋にあるといいんだけど」

「帰ったら探してみます。食事にそろそろバリエーションが欲しいと思っていたところなんです」

「いやいや、自分で作れるだけすげーって。俺なんてレトルトとか冷凍食品をレンチンだぜ」

「れとると、れいとうしょくひん、れんちん?」

「ありゃー、これはもっと早くにこの食事会に参加しておくべきだったね。食事の知識が元の世界の物に偏っちゃってるよ」

「そのようですね。(幸いな事に味見係もいますので)休養日に新しいレシピにチャレンジしてみますわ」

「休養日?」

「はい、ダンジョンに毎日出ずっぱりというのもどうかということで、十日に一度休養日を取っているんです」

「へえ、何をしているの?」

「スレッドを眺めたり、魔法陣の書き換えをしたり、刺繍をしたりしております」

「わぁ、なんか有効活用って感じ。あたしは休みの日はひたすら寝てる」

「クインゼルちゃんは寝すぎだと思うよ」

「寝起きの悪いエッシャルに言われたくない~」

「うっ」

「ああ! そのハムチーズサンドイッチ狙ってたのに!」

「早い物勝ちだぜ!」

「あらまあ、まだたくさんありますから喧嘩なさらないでくださいな」


 わたくしはそう言って先ほど取り出したものと同じ大きさのバスケットをアイテムボックスから取り出しまして蓋を開けます。

 そこには同じようにサンドイッチが敷き詰められております。


「え、これ一人で作ったの?」

「はい」

「大変だったでしょう」

「皆様と食事がちゃんとできるか心配しながら作っていましたので、気が付いたらこのような量になっておりましたの」


 おかげで冷蔵庫の中のストックが無くなってしまって買い足さなければいけなくなってしまったのですよね。


「普段は一人で食べてるのよね?」

「えっと……」


 どうしましょう、眷属と一緒に食べているとは言いづらいですわね。


「ふふーん、ティタニアにはなんと眷属が居るのよ!」

「クインゼル様!?」

「なんとかわい~黒スライムちゃん! 特殊変異種らしいんだけど、餌付けに成功したんだって」

「へえ、スライムっていうと一階層よね? 特殊変異体なんてものが存在するのね」

「だから一人じゃないのよね、ティタニアさん」

「ええ、そうですわね」


 クインゼル様、エッシャル様、フォローをありがとうございます。

 このご恩はグロウエレメントのドロップ品でお返しいたしますね。


「そのスライムは今日はお留守番?」

「はい、いきなり連れて来て攻撃されても困りますし」


 あの子が反撃したらここにいる勇者の方々がただで済むと思えません。


「なるほどねぇ。どんな子なの?」

「黒スライムで、大きさはこのぐらいです。食欲旺盛で何でも食べるのですよ。カレーが好きで、三日に一度はカレーがいいと強請られるのです」

「カレーを知っているのにお米を知らないの?」

「カレーはスープのようなものですよね?」

「あ、スープカレーの方か、納得したわ」


 食文化って本当に色々あるのですね。

 ともうしますか、カレーってライスと一緒に頂いても良いのですか。


「パスタとかめっちゃ食べてるイメージだよね」

「あ、わかるかも」

「あながち間違いではありませんね。毎日とは言いませんが、パスタの頻度は高いですもの」

「味に困りそう」

「そうでもありませんよ?」

「今度ツナパスタ食べてみて、美味しいから」

「ツナをパスタに?」

「そう、醤油をかけて大葉を乗せて、大根おろしをトッピングして、美味しいのよ」

「しょうゆ?」

「万屋の調味料売ってるところにあるから、買っておいて損はないから!」

「は、はい」


 なんだか空気に飲まれて頷いてしまいましたが、しょうゆですか、どんな調味料なのでしょうか?

 その後も、色々和食というものや中華料理と言うものについて教えていただきました。

 拠点に帰ったら早速レシピ本を購入して休養日に研究してみましょう。

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