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最強聖女!チート御一行のダンジョン生活★  作者: 茄子
第一章 いざ異世界へ
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突撃してくる元婚約者

 休憩が終わりましてまたもや解散してエレメント狩りを再開いたしました。

 そうすると、またもや索敵サーチに引っかかる気配がありまして、ある意味慣れ親しんだ気配にわたくしは周囲のエレメントを全て排除すると安全な話し合いの場所を用意しました。


「ごきげんよう、エドワルド様」

「ティタニア、さっきシャーレから聞いたぞ。ここで狩りをしているそうだな。ふん、魔法を使うお前にぴったりな狩場じゃないか」

「そうですわね、我ながらいい経験値稼ぎの場所だと思っておりますわ」

「お前のレベルはいくつになったんだ?」

「答える必要がありまして?」

「まあ、お前のことなどどうでもいいのだがな」

「それで、何しにいらっしゃいましたの?」

「話をしたくてな」


 今更ですわね。


「何のお話でしょうか?」

「シャーレと別れたいんだ」

「それで? わたくしにどうしろと? そもそもエドワルド様とは婚約破棄をしたため、義理の弟になるかもしれなかったという関係でしかありませんわね。ああ、あとはとこという関係は一応ありますか」

「最近のシャーレはなんというか、わがままが過ぎるし、俺よりもテンマってやつの方に気があるようで、何かにつけては俺と比べて最初からテンマってやつと組んでいればよかったなんて言うようになったんだ」

「そうですか」

「昔はあんな性格じゃなかったのに、この世界に来てからと言うものシャーレとはすれ違ってばかりだ。お前はシャーレの姉だろう、何か言ってやってくれ」

「お断りしますわ」

「なんだと? 俺の命令が聞けないというのか。今すぐお前の首を切り落としてもいいんだぞ」

「その前にわたくしがエドワルド様を魔法で殺しますわよ」

「くそがっ」

「言葉遣いが悪いですわね。昔は戦場を経験したとはいえもっと上品な口調でしたのに」

「なんだ、優しい口調で話しかけられたいのか? お前も所詮は女だな」

「ドン引きな台詞ですわね」


 いえ、本当にドン引きですわ。

 なんでしょうか、優しくしたらわたくしが言うことを聞くとか、そんな幻想を抱いているのでしょうか?

 だとしたら本気で腕の一本ぐらい消し炭にしてやりたいですわね。

 大丈夫ですわ、スレッドによる情報だと拠点に戻れば、死んでない限り傷は修復されて怪我などなかったことになるそうですから。


「ふん、とりあえず俺もシャーレとこれ以上やっていくつもりはない。あんな他の男の事ばかり考えているような女、こちらから願い下げだ。それだというのにいつまでたっても出て行きやしないし、相変わらず俺に生活を頼ってくる。図々しいにもほどがある」

「シャーレは世話をされる側であって、する方は基本的に何もできない子ですからねえ」

「ああ、あそこまで何もできないとは思わなかった。戦闘でも役に立たないし、お前の妹だろう、どうにかしろ!」

「そのような事を言われましても、育った環境が違いますので、わたくしにはどうしようもありませんね」

「あんな辛気臭い神殿での教育も、この世界では少しは役に立つというわけか」

「神様を奉る神殿を辛気臭いなどというなんて、神様の罰が当たってしまいますわよ」

「この世界に来たこと自体が既にいかれている状況なんだ、今更神の罰など恐れるものではない」

「それ、この世界に初めて来て神様に対して殴りかかろうとした青年の事を思い出しても同じことが言えまして?」

「それは……」


 思い出したのか、エドワルド様の顔色が青くなります。

 戦場訓練を経験しているとはいえ、人が死ぬのを見たことはなかったでしょうし、中々に心情的に来るものがあったのではないでしょうか?

 あ、わたくしですか?

 わたくしは聖女ですので、人の死には慣れております。

 と申しますのも、モンスターと遭遇して重傷を負った方などは神殿に担ぎ込まれることも多く、その治癒に当たる事も当たり前のようにありました。

 残念な事に力及ばずお亡くなりになる方もいらっしゃいましたので、人の死に対して抵抗感があるわけではないのです。

 まあ、それでも知っている人が亡くなるのはあまり好ましくないのですけれどもね。

 エドワルド様も王子様気質がまだ抜けないようで、スレッドでも『王子様乙』『俺様何様王子様m9(^Д^)プギャー』などと言われております。

 意味はよく分かりませんが、好意的な文面でないことはわかりますね。

 それにしても、シャーレもテンマ様のところに移住できないからって未だにエドワルド様にたかっているのですか。

 いい加減六階層に行けるぐらいのレベルにはなっていてもおかしくはないはずなのですけれどもね。

 スライムをちまちま倒していても経験値はたまりますし、それに伴いレベルも上がるでしょうから、未だにスライムしか倒しに行かないのはシャーレの怠慢以外の何ものでもありませんよね。

 ホーンラビットは素早さこそありますけれども、さほど強いモンスターではありませんし、ドロップ品もそれなりの値段で売れますし、一匹倒せば150ジニー手に入りますので、積極的に狩りに行くべきだと思うのですよね。

 そうすれば少しは生活費の足しにはなると思うのですけれど、まさかそれを説得しろというわけではありませんよね?

 そんなものお断りですわ。


「シャーレの事については、エドワルド様の方がよく知っていらっしゃるのではありませんか? なんと言っても真実の愛で結ばれたお二人なのですもの。わたくしが口を出すよりもお二人で話し合った方がよろしいですわ」

「それはもう無理だからこうして頼みに来ているんじゃないか」

「頼み、ですか?」


 命令の間違いじゃないでしょうか。


「とにかく、わたくしはシャーレと何かを話し合う気はありませんので、ご自分達で解決なさってください」

「ティタニア! 元とはいえ婚約者に対してその態度は何だ!」

「これでも忙しくしておりますので、エドワルド様にかまけている時間がさしてありませんの」

「ふざけるな!」


 エドワルド様がそう言った瞬間、エドワルド様の首を背後から掴む手が伸びました。

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