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最強聖女!チート御一行のダンジョン生活★  作者: 茄子
第一章 いざ異世界へ
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異世界へのお誘い

 婚約破棄を言い渡されてから数日後、わたくしは王宮に呼び出されまして国王陛下直々に婚約破棄を伝えられ、正式に婚約破棄と相成ったわけですが、なんと、国王陛下からも聖女の地位をシャーレに譲るようにと言われて、一緒に居た教会側のわたくしの保護者としてついてきた枢機卿が激怒したのは言うまでもありません。

 聖女に処女性は求められませんが、気品高く清廉である事は求められるのです。

 少なくとも、姉から婚約者を寝取る娘が聖女に相応しいかと言われたら、それはないというのが教会の総意です。

 神様は気まぐれですので、面白がってシャーレを聖女にする可能性もあるかとも思いましたが、一応尋ねてみたところそのようなつもりはないとのことでございました。

 それどころか今回の事はかなりお怒りのようで、エドワルド様とシャーレには天罰を下すとまでおっしゃっております。

 天罰の内容はこの世界からの追放で、神様が新しく作ったという世界で延々とモンスターと戦う日々を送る事になるものだとか。

 世間には真実の愛を確かなものにするために失踪したなどと噂が広まるかもしれませんが、シャーレは妊娠している為、子供が生まれてから刑を執行するのだそうです。

 生まれてくる子供には罪はありませんものね。

 驚いたのはわたくしにもその世界への招待を受けたことです。

 エドワルド様とシャーレは子供が生まれ次第強制的に異世界に転移させるそうなのですが、わたくしは準備が整い次第と言われました。

 モンスターと戦うとなりますと、それなりに武器などを揃えなくてはいけませんわよね。

 わたくしは武器で戦うよりも魔法で戦う方が得意ですので、剣よりもメイス、もしくは杖のようなものを準備したほうがよいでしょう。

 あとは身の回りの道具ですわね。

 初期の身の回りの備品に関しては神様の方で準備しているという事でしたが、本当に最低限の物との事でしたので、家財一式もそろえる必要がありそうです。

 アイテムボックスの中身は継続して持っていけると言われましたので、シャーレの子供が生まれるまでに身の回りの整理と家財などの道具、身の回りの備品、一人でも着る事が出来る衣装などを準備する必要があるでしょう。

 食事に関してはあちらの世界でも手に入るという事でしたが、お気に入りの茶葉などがあるかはわかりませんので、それも念のため準備しておいた方がいいかもしれませんわね。

 幸いな事にわたくしのアイテムボックスは中に入っている間は時間経過による劣化はありませんので安心して収集する事が出来ます。

 異世界にどれだけいるかはわかりませんが、出来る限りの物を準備いたしましょう。

 あと数カ月ありますし、なんとかなりますわよね。

 何とかならなくても、なんとかするのですけれども、当面の問題は社交界で面白おかしく噂されていることをどうかわすか、ですわよね。

 陛下よりわたくしとエドワルド様の婚約破棄および、婚約者のすげ替え、そしてシャーレの妊娠に関してはすぐさま発表されましたので、貴族でしたら誰もが今回のスキャンダルを知っていることになります。

 お茶会はともかく夜会などでエスコート役をなくしたわたくしは一人で参加する事になっております。

 聖女という肩書はあれども、婚約者であるエドワルド様を妹であるシャーレに寝取られたというスキャンダルは、わたくしに次の婚約者を決めるという事を難しくさせています。

 まあ、異世界に行くので婚約などしない方がわたくし的には良いのですが、お父様などはご自分がわたくしの婚約破棄を認めたくせに、次の婚約者が決まらない事にいら立っているようなのです。

 挙句の果てにはシャーレの婚約者であった方をわたくしの婚約者にしようなどと考え始めているようで、頭が痛いですわね。

 教皇様にはわたくしがそのうち神様によって異世界に連れ去られる事は伝えておりますけれども、大層嘆かれてしまいました。

 先代の聖女が亡くなってから数年後に生まれたわたくしは、生まれたその瞬間から聖女として神様にえらばれておりましたので、生活の拠点は実家であるフォルセルド公爵家よりも神殿でございました。

実の両親よりも教皇様の方がわたくしにとっては親しみがあります。

 先代の教皇様は先代の聖女が亡くなった際に殉死なさったとの事でしたが、わたくしが異世界に行っても後追いするように自害はなさらないようにとお願いしております。

 この世界からはいなくなりますが、たぶん死ぬわけではないと思いますので、次代の聖女の教育に力を入れて欲しいとお願いをいたしました。

 いっそのこと共に異世界に行きたいとも言われましたが、教皇様もお年ですし、いくら魔法に長けているとはいえ毎日モンスターと戦うような生活を送るのは酷と言うものですし、教皇様まで異世界に攫われたとあっては神様への信仰が揺らいでしまうかもしれませんものね。

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