表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強聖女!チート御一行のダンジョン生活★  作者: 茄子
第一章 いざ異世界へ
20/129

休日の過ごし方

 翌朝、いつも通りに朝の四時に起きて神様への祈りを一時間ほど捧げて、リビングに出て朝食の用意を始めます。

 その頃にはネーロも起きだしてきて、ベッドからピョコンとおりてテーブルのいつもの位置に着席(?)します。

 今朝は休日という事でいつもよりも手間をかけた朝食にしようと思います。

 卵のポテトサラダに、フレンチトースト、シーザーサラダに、オニオンスープ、デザートに買っておいたレモンのシャーベットです。

 正直、作りすぎたかな? と思いましたが、ツバキが見た目以上に食べますし、ネーロも無限に食べることが出来そうな感じなので、もし食べきれなかったら押し付けましょう。

 朝食が出来上がって器に盛りつける段階でナティルがリビングに顔を出して、器に盛りつけるのを手伝ってくれます。

 その間にいつの間にかリビングに姿を現していたツバキが椅子に座ってネーロをつついて遊んでいます。

 器をすべてテーブルの上に乗せてみると、いつもよりも量が多いせいか少々テーブルが手狭ですね。

 後でもう一回り大きなテーブルに買い替えておきましょう。

 さて、休日と決めましたがなにをしましょうか。

 まったくのノープランです。

 元の世界でしたら、神殿の清掃を手伝ったりしたのですが、拠点の清掃をするとしても、まだ十日しか経っておらずそれほど汚れているわけではないのですぐに終わってしまいますよね。

 そもそも、自室は基本的に毎日簡単ではありますが掃除していますし。

 さて、どうしましょう?


「ナティル達は何をする予定ですか?」

「僕は自分の中にある知識と向き合うために精神統一をしようと思っています。千年以上自分の中にある知識ですが、その分細かい部分が欠落している可能性がありますからね」

「そうですか、ツバキは?」

「妾は尻尾の手入れをする予定じゃ」

「尻尾」

「うむ、椿油を使って艶をだすのじゃ」

「そういえば、そんなものも購入いたしましたわね。髪に使うと言っていませんでしたか?」

「尻尾にも使える物じゃ」

「そうなのですか。ネーロはなにをしますの?」


 わたくしがそう尋ねますと、ネーロはキッチンの方に跳ねて行き、シンクの上に上がるとこちらを向いて手(?)を伸ばしてシンクを拭く仕草をしましたので、キッチンの掃除をするようです。

 これは困りました、ますますわたくしのする事が無くなってしまいます。

 とはいえ、キッチンの掃除の仕方は教わったことがないのでわたくしには出来ないのですけれどもね。

 うーん、普段はあまり見ないスレッドを眺めてみるという事しか思い浮かびませんわね。

 そういえば、シャーレの『ラブラブ真実の愛の夫婦生活日記』はどうなりましたでしょうか?

 流石にそろそろ二階層に上がってゴブリン狩りはしていると思いますけれども、

 そう思ってスマートウォッチを起動してスレッドを確認しますと、様々なスレッドが増えておりまして、十階層で九尾の狐と対峙した時の感想を書き込むスレッドが人気になっているようです。

 昨日のわたくしのように遭遇出来ない人もいるようで、発見場所などの書き込みも多いです。

 とりあえず、シャーレの『ラブラブ真実の愛の夫婦生活日記』を見てみると、それはもうスレッドタイトルとは真逆の愚痴スレッドになっておりました。

 わたくしから婚約者を寝取ったことを責められているのも気に入らないようで、その事も愚痴っておりますね。

 流石にエドワルド様は生活費を工面するために五階層に出ているようですが、シャーレは相変わらず一階層でスライムを狩っているようです。

 ゴブリンを狩るなんて汚らわしいとまで書き込んでおりますので、その道を通ってきたわたくし達に対して随分悪印象ですわね。

 別にモンスターに対する個人的な意見や感想は自由ですが、多くの人が見ている前でこのような事を言うのはあまりよろしくないと思います。

 えっと、なになに……。

『私は愛するエドワルド様と婚姻式を上げる前夜にこんな最悪な場所に召喚されて、挙句の果てにモンスターと毎日戦えなんて、公爵令嬢である私がするようなことじゃないわ』

『お姉様が神様に何かを言ったから私がこんな目に合っているのよ、悪いのは全てお姉様だわ』

『エドワルド様ってば、今日も一人で勝手に五階層に行って、私に一人でスライムを狩れっていうのよ信じられない』

『こんな粗末な食事を続けていたら病気になってしまうわ。私は公爵令嬢なのよ、どうしてこんな目に合わなくちゃいけないの。私がエドワルド様と真実の愛で結ばれているのは確かなのに、最近では私の事を責める人もいるし、全部お姉様の差し金ね』

『最近エドワルド様に夜のお誘いをかけても疲れているからって断られるの! 信じられない! この私が誘っているのに断るなんて、エドワルド様ってばどうしちゃったの?』

『最近お肌が荒れてきている、でも、化粧品を買うぐらいだったらご飯をちゃんとしたものにするってエドワルド様がいうのよ。食事は確かに大切だけど、私の肌の事も気にして欲しいわ。ワーキャットを狩っているんだったらお金だってあるはずでしょう』

『あーもう! またエドワルド様と言い争いになったわ。私はこんな貧しい食事はもう嫌だって言っているのに、今購入できる精一杯の食事がこれだなんて言うのよ。絶対嘘、こっそり自分だけいいご飯を食べているのに違いないわ』

『エドワルド様がそろそろゴブリン狩りをしろっていうの。ゴブリンなんて不潔なものを私に狩れなんて、エドワルド様ってば酷いわ。嫌だって言ったら、三階層のリザードマンでもいいっていうのよ。あんな湿地帯で戦ったら、私の体が汚れちゃうじゃない』

『ねえ、これを見て私の書き込みに反応してる人が私に対して随分ひどい事を言ってくるけど、私は何も間違ってないわ。悪いのは全部お姉様よ』

 うーん、見ているだけで頭が痛くなりそうですね。

 このような愚痴スレッド、いつまで続ける気なのでしょうか?

 というか、エドワルド様と言い合いになったとか大丈夫なのでしょうか。

 二人一組を解除できるようになったら即解除されるとか、まさかありませんわよね?

 全く否定できないところが恐ろしいですが、真実の愛で結ばれているのですから、大丈夫ですわよね?

 この世界にはいないとはいえ、子供までなしていますし、この世界に来てからも書き込みを見る限り体の関係はあるようですもの、最近はお断りされているようですけれど。

 それにしても、スライム狩りなど一日中狩っても魔法が使えず大量狩りが出来ないシャーレでは一食分も稼げないでしょうに、食費や生活費は全てエドワルド様が出しているのでしょうね。

 そんなエドワルド様と言い合いになるとか、シャーレってば自滅の道を歩みたがる性分でしたかしら?

 うーん、これに関しては難しい問題ですわね。

 シャーレとエドワルド様の事に元婚約者のわたくしがいつまでも口を出す事でもないでしょうし、エドワルド様の御心に委ねるしかありませんね。

 さて、他のスレッドも見てみましょうか。

 十階層の地図のようなものが出来上がっているようですね。

 なるほど、わたくしがツバキと出会った小川がこの辺で、よく九尾の狐が目撃されているのはこの辺り。

 とはいえ、必ずこの付近で目撃されているわけでもなく、目撃場所は様々な所にありますね。

 わたくし以外で一番九尾の狐の攻略に近いと言われているのが、初期ステータスが高く、組んでいる相手のステータスも高いテンマ様という人のようです。

 その方でもレベルは11なのですから、わたくしのチート具合がよくわかりますわね。

 そのテンマ様が立てたスレッドですが、攻略スレッドとして人気のようですが、テンマ様自身にすり寄っている方もいらっしゃるようです。

 チュートリアルが終わったら一緒に組みたいと考えている方が何人もいらっしゃるのですねって、シャーレも書き込んでおりますわね。

 あの子、本当に何を考えているのでしょうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ