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最強聖女!チート御一行のダンジョン生活★  作者: 茄子
第一章 いざ異世界へ
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初めてのダンジョン

 お茶を飲み終わって、ダンジョンで食べる用のお弁当を作り終わったところで三時間ほど経過いたしまして、その頃にはダンジョンに向かった第一陣が帰還したようで、情報が怒涛の如く流れてきました。

 なんでも、スライムを平均で二十匹たおすとレベルが上がるそうなのです。

 なるほど、経験値という数値は見えませんが、大体の指標にはなりますわね、二十匹が平均となりますとわたくしの場合は五匹でレベルが上がることになりますわね。

 まあ、わたくしってば改めて思いますがなんていうチートなのでしょうか。

 これも一人ぼっちになってしまった特典とはいえ、武器や初期資金に加えて他の方よりもレベルが上がるのは速いともなれば、嫉妬されてもおかしくはありませんわね、なるべくばれないように気を付けましょう。

 さて、お弁当も作り終わりましたし、一階層にはスライムしかいないという事ですので、あまり気負わずにダンジョンに出ることにしましょうか。

 わたくしは外に出る扉の前に立ちまして(これも改築で元にある物よりも豪華なものになっております)、一階層と念じてから扉を開けると、そこは草原が広がっておりました。

 空を見ると青空が広がっておりまして、ここがダンジョンだとは思えないほどですが、微弱とはいえわたくしの常時発動魔法の索敵(サーチ)に反応がありますのでモンスターが居るのは確かなのでしょうね。

 索敵サーチに引っかかっているのは七匹と言ったところですので、一気にカタをつけるためにわたくしを中心とした半径百メートルに超音波ウェーブを発生させます。

 出力を大分抑えておりますので、もしかしたら生き残る者も出るかもしれないと思いましたが、そのような事はなく、索敵サーチの範囲からモンスターの反応はいったん消えました。

 さて、このような草原ですし、とりあえずモンスターも居ませんし、少々早いですが食事にしましょうか。

 スマートウォッチを見る限りでは現在の時間は十一時半となっております。

 朝食を食べていないので少し作りすぎてしまったかもしれませんが、まあよろしいでしょう。

 何か敷物を持ってくるべきだったかもしれませんが、まさかこんなところに草原があるとは思いませんでしたので仕方がありませんわよね。

 草原に座ってアイテムボックスからお弁当の入ったバスケットを取り出して食事をしておりますと、索敵サーチに反応がありました。

 一匹だけですので様子を見ようと思いまして気が付かないふりをしておりましたら、思ったよりもはやい速度で近づいて来まして、気が付いた時には目の前に黒いスライムがちょこんと居りました。

 こちらに攻撃をしてくる気配がないと言いますか、興味がわたくしの手元にあるバスケットにあるといった感じなのですけれども、これはどういうことなのでしょうか?

 試しに、唐揚げを一つ放り投げてみると、にゅっと伸びた手? のようなものでキャッチして体内に取り込んで吸収しました。

 中々に面白い光景ですわね。

 気をよくしたわたくしは自分の分を食べながらも黒いスライムにお弁当の中身を分けておりましたら、ふとスマートウォッチが点滅していることに気が付きまして、確認しますとステータス画面に変化がありました。

『名前:ティタニア

 性別:女

 レベル:1

 生命力:42▲、魔力量:48▲

 攻撃力:24▲、防御力:38▲

 魔法力:46▲、知識力:48▲

 俊敏性:36▲、幸運力:96

 ポイント:4、所持金:2,647,455ジニー

 称号:異世界の聖女、経験値四倍入手

 眷属:黒スライム(名無し)』

 いつの間に眷属になったのでしょうか?

 これはあれですかね、餌付けに成功したという事なのでしょうか?


「あなた、お名前はいりますか?」


 わたくしがそう尋ねますと、黒スライムがピョンピョンと飛び跳ねましたので、恐らく名付けて欲しいのだろうなと思いまして、どのような名前がいいか考えます。

 うーん、黒、スライム……。

 クロ、ノワール、ネーロ、ネグル、ディー、さて、どれにしましょうか?

 呼びやすい名前がよいですわよね、ネーロがよいでしょうか。


「ネーロというのは如何ですか?」


 わたくしがそう言いますと、黒スライム事ネーロは嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねまして、手のひらサイズの体をわたくしの膝の上に乗せてすりすりと身を寄せてきます。

 思ったよりもかわいいですわね。


「ネーロ、わたくしは一人ぼっちですの。あなたがわたくしの初めてのパートナーですわ」


 人外のパートナーというのも悪い物ではないかもしれませんわね。

 何よりも不快な噂を広めるという事はないでしょうし、眷属という事ですと、わたくしの従者というよりも使役する者に近いので裏切られるという事もないでしょう。

 手のひらサイズのネーロに残りのお弁当を食べさせて、空になったバスケットをアイテムボックスに戻してから、ネーロを肩の上に乗せて落ちないように捕まっているように言ってから歩き始めて索敵サーチに引っかかったモンスターを片っ端から超音波ウェーブで倒していくこと数時間、気が付けばレベルが4に上がっておりました。

 流石経験値四倍、だてじゃありませんわね。

 そういえば、ネーロにもステータスはあるのでしょうか?

 そう考えてスマートウォッチを確認してみると、項目が増えていることに気が付きその部分をなぞって確認してみました

『黒スライム(特殊変異種):ネーロ

 レベル:29

 生命力:51▲、魔力量:61▲

 攻撃力:59▲、防御力:68▲

 魔法力:71▲、知識力:69▲

 俊敏性:73▲、幸運力:67

 主人:ティタニア』

 レベル29!? わたくしよりもずっと高いのですが、それは……。

 えっと、眷属について検索してみましょう。

 スマートウォッチで検索してみると、眷属になったモンスターは主人が得た経験値と同量の経験値が自動で入る仕組みになっていて、戦闘でも活躍できる上に、主人が故意に眷属のモンスターを巻き込んで攻撃しようとしない限り主人からの攻撃は受けないのだそうです。

 なるほど、つまりネーロも経験値四倍になるわけですか、これはチートモンスターですわね。

 ネーロ自身も特殊変異種ですし、なんだかどんどんわたくしの周囲がチート化していきますわ。

 あ、もしかしてこれが神様の言っていたアフターフォローと言うものなのでしょうか?


『違うよ?』

「あら、神様先ほどぶりでございます」


 唐突に現れた神様に特に驚いた反応を示さないわたくしに多少つまらなさそうにした神様は、それでも気を取り直したのか、胸を張って言葉を発しました。


『思ったよりも早く準備が出来たからね』

「準備ですか?」

『そう、はいこれ』


 そう言って渡されたのは先ほど神様にお渡しした禍々しい雰囲気の禁書でした。


『それにドロップ品とか武器を吸収させると育っていって君の眷属が誕生するよ! といっても、君はもう眷属を手に入れたみたいだけど、眷属は多い方がいいでしょう』

「否定はしませんけれども、どんなものが誕生するのですか?」

『それは誕生してからのお楽しみだよ』


 そう言った神様はいらっしゃった時と同様に唐突に姿を消してしまいました。

 自由気ままというのは、神様のような方の事を言うのでしょうね。

 さて、受け取った禁書ですが、ドロップ品や武器を吸収させるのでしたね。

 スライムを倒したドロップ品は、粘液と核ですか、よくわかりませんがとりあえず吸収させておきましょう。

 どうやって吸収させればいいのかとしばし考えましたが、スマートウォッチでアイテムへのアイテム吸収方法というのをダメもとで検索してみたところ、アイテムボックス内で該当アイテムに吸収させるアイテムをドラッグしていけばいいとありましたので、禁書をとりあえずアイテムボックスにしまってから、今までドロップしたアイテム品を全て吸収させました。

 どのぐらいで眷属が誕生するのでしょうか?

 聞いておけばよかったですわね。

 とりあえず、そんな感じに夕食の支度をはじめなければいけない十八時までわたくしはスライム狩りを続けたところ、レベルは5になりました。

 そういえば、レベルアップの際に手に入るPtなのですが、通常は1レベルに対して1Ptのようです。

 こんなところでもチートが発生するなんて、驚きですわね。

 やはり一人で行動することが出来た方がよかったと思えてなりませんわね。

 様々な場面でマウントを取る事が出来ますわ。

 早々とるつもりはありませんけれどもね。

 少なくとも、エドワルド様とシャーレに何かをされてもそう簡単にやられることはないというのは確かになってくれて嬉しいですわ。

 先ほど見たスレッドに『極悪非道の悪女、ティタニアの実態』というばかげたスレッドが立っておりまして、そこにはエドワルド様とシャーレがわたくしの覚えがない事ばかりを書き連ねておりまして、それを見ている方の中には信じていらっしゃる方や賛同している方など様々いらっしゃいます。

 まったく、わたくしの事を悪く言う暇があるのでしたら一匹でもモンスターを倒してレベルを上げた方が自分の為だと思うのですけれどもね。

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