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ヒルハレイズに会いに来た

「アメリカに行きたい」

 その言葉に両親は微妙な顔。


「……学校が休みになって、日本の情勢は不安定。だから、まあいいと言えばいいんだが……」


「アメリカは特に混乱ないみたいだものね。でも、美佳、英語大丈夫なの」

「別に、習ってるし、分かんないのは、これ使うから」

 スマートフォン。こいつには、翻訳のアプリがあるのだ。

 万能では無いらしいが。


「……中学生一人旅は怖いから、私達も着いていくけど」

「一人旅がいいです」

「危険よ。アメリカはね。日本と違って治安が悪いの」


 というか、日本がよすぎなのでは。

 荷物を起きっぱなしで、場所取りとか、夜女子供が出歩くとか、あり得んのだが。


「大丈夫、毎日ちゃんと連絡するから」


 両親の説得に成功。


「パスポートはあるからいいけど、チケットとかが取れるか……アメリカのどこ行くの?」


「ハリウッド」



 翌日

「チケット取れたわ。混んでるのにたまたまね」

 この身体は以前海外に行ったことがあるらしい。両親の友人に、旅行代理店の人がいるとのこと。


「ハリウッドっというのは、ロサンゼルスにあるの。一応ツアーに同行という形になるから」

「いつから?」

「明日からよ。キャンセルに入れてもらったの。準備してね」

「はーい」


 着替えなどを色々準備する。

「さて、フェルラインの居場所と、ヒルハレイズとどう会うかだね」



「気をつけるのよ」

「必ず連絡するんだぞ」

「はーい」


 両親が空港まで見送り。

「じゃあ行ってくるね」

 飛行機。知識では知っている。


「こんなデカいのが空を飛ぶのか」

 魔法も凄いが科学も凄い。

 今度、これが飛ぶ原理も勉強しよう。



 飛行機は時間がかかると聞いたので本を準備していた。


「いや、本面白いな」

 こっちの本は本気で面白い。

 前の世界よりこっちの方が創作は面白い。



 読んだり、寝たりで、あっさり着いた。

「いやー。時間はかかるけど、楽だね」

 座ってりゃあいいんだもの


「さて、ハリウッドはどっちだ」

 ロサンゼルス国際空港。


 ヒルハレイズもどきと会う。


 しかしノープラン。

 まあ、なんとかなるでしょ。


 ツアーの人と合流し、ホテルの場所と集合時間、そして、ハリウッドまでのバスを案内してくれる。


「とりあえず行きましょう」


 ハリウッド、映画スタジオが沢山ある場所。

 その中の一つにヒルハレイズもどきがいる。


 ハリウッド行ったって、普通女優には会えない。

 観光客が行けるような場所には、有名女優は行かない。


 でも、私は普通じゃない。

 きっと会える。


「Chinese?」

 声をかけられる


「No, I'm Japanese」

 知らない少女に話しかけられる。


「Sorry, they're in hot water right now(ごめんなさい、彼らは今とても大変だから)」

 中国人と間違えられたらしい。


 ついでだ


「I'm a big fan of Rachel(私はレイチェルの大ファンなのです)」

 レイチェルは、ヒルハレイズもどきの名前。

 だから見に来たよ。と説明。


 すると

「I love it, too!(わたしも大好きよ!)」

 うむ。ヒルハレイズ大人気だな。

 女にモテるのは前と一緒か。


「She is here(彼女はここにいるわよ)」

 そう言って、建物の窓ガラスを指す。

 そこには


「ヒルハレイズ」

 いた。


 建物の中にいた。休憩中らしい。

 こっちを見ない。

 くそ、せめて一目見ればな。

 なんか通じ合うものとかあるだろ、きっと。


 しばらく見ていると、ヒルハレイズが、こっちを見る。


 笑顔で手を振る。気付け。


 だが、にこやかに手を振り返して終わり。

 すぐ振り向いた。


 くそ! 単なる一ファン扱いか!



 結局夕方までいたが、収穫無し

「くそー。せっかくここまで来たのになぁ」

 記憶の継承はない。


 だが、なんか通じるものはないか、賭けたのだが


「作戦を考えるか」

 しかしどーすんのよ。前世であなたは私の部下でした。だから従えって?


 うん、通報されるわ、そんなの。


 作戦を考えて明日また来よう。そう思いバスに乗ろうとすると


「Can you tell me your phone numbers?(電話番号教えて?)」

 さっきの女の子が、人懐っこく聞いてくるので、教える。


 なんというか、違和感が出てくる。

 ヒルハレイズの性的趣向と、目の前の少女。


 そうだ、あいつ黒眼黒髪が好みだったな。 


 多分目の前の少女は

「We become friends(私達仲良くなれるわ)」

 ヒルハレイズにファンの女を紹介するエージェントだ。



 夜、案の定電話がかかってくる。

「Hi」

「Hi Mika! I have some big news!(とても凄いニュースがあるのよ)」

「What?(なに?)」


「Do you want to meet Rachel?(レイチェルに会いたい?)」

 もちろん。



 窓から見ただけで気に入られたか。

 まあ、なんか通じ合うものはあったんだろうな。

 それがセッ○スの相手扱いは遺憾だが 


「If I can meet Rachel, I'll go there anytime(もしレイチェルに会えるなら、私はいつでもいくわ)」


 さあ、ヒルハレイズこと、レイチェル。

 物分かりよく従ってくれよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] そーだよなー目があったら思い出す……思い出す記憶が無いよ! でも相性はあるはずだから頑張るw
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