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Desire Game   作者: ユーキ生物
炎の章
38/39

第六話 生きる理由

 兄を守ろうと、咄嗟に、無策だったが武装集団の前に出てしまった千尋。彼女は銃と戦う手段など持ち合わせていない。武装集団に銃を構えられ、利彦も千尋も死を覚悟した―――


劫火蒼炎オーバードライブ弾丸バレッド!!」


 青年の掛け声と共に、武装集団の構成員が宙を舞った―――


 蒼き炎が武装集団を貫き――――


「――――ふっ!・・・ちょっと寝ててくださいね。」


 紅き炎が武装集団の脳を揺さぶり(物理)、一人ずつ地に倒していった。





第六話

生きる理由




「紅さん・・・!」


 予想外の援軍に、千尋は安堵と喜びの声を上げる。



「わ、私にも、お二人を、護らせて、ください・・・!」



 そういった少女の手元は光を発し、その手にはライフルが握られていた―――


 ッズガアアアアァァァァンンンッッッ!!


 轟音と共に放たれた弾丸は、武装集団に刺さっていた。



 ―――ある少女は感情表現が苦手だった―――

 しかし、感情は人一倍多く、多感で、それを誰かと共有したかった・・・でも、彼女にはそれは難しく、できなかった。

(これは、皆殺しのミッションなんてものを持っていても、みんなが私を受け入れてくれたように、私もこの二人に守りたいって思ったから・・・言葉よりも、行動で!)



「なっ!?身体が、勝手に!?」


「それじゃあ、ヘルメットをはずして・・・あぁ、この人達は耳栓してて、だから利彦さんのスキルが効かなかったわけね。それじゃあそれもはずし・・・いや、それよりも顎と頭頂部をしっかり持って、そのまま

思いっきり頭をひねって!」


「うぐっ―――!!」


 ―――ある女性は他者を信じることができなかった―――

 人を欲しても、人を知れば知るほどに、その人の汚く、醜い部分が見えてしまい、無償の愛を知ることがなかった。

(芯君が私を護ってくれた様に、きっと人は優しく、美しいはず・・・人間なんて聖人君子じゃない、私だって・・・だから、本当に相手をよく見ることさえすれば・・・そして、それは待ってるんじゃなく、私からしていくべきことだから・・・)



「・・・無線の記録・・・やっぱり、この人達はゲームの主催者の差し金だってさ・・・」



 ―――ある青年は人を拒絶し、人を知らずに過ちを犯し、その贖罪に己を捧げていた―――

 その過程で人と出会い、人を知り、人を“生かす”のと同時に、自分もその人と共に“生きたい”と思うようになっていた・・・

(俺の生きたい人の輪、それは他者を大切にしないと得られないモノ―――)



「・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・お、お嬢ちゃん、キミが千尋ちゃんだね・・・こ、こっちへ・・・安全な方へ連れてってあげる・・・。」

「・・・樹さん、もう少し普通に誘導できないんですか?」

「い、いや・・・だって、はぁ、はぁ、みんな走るの速いんだもん・・・無理・・・」



 ―――ある青年は未熟で、社会を遠ざけ、一人になり、笑う意味を忘れていた―――

 ―――ある少女は・・・ある少女は・・・あれ?この少女、何もなくない?―――


「あるわっ!!」


 ・・・まぁ、そんなこんなで笑える空間を二人は大切にするようになった。

(・・・一人では、笑いなんていらなかった・・・俺が笑えるのは他者みかんがいるから・・・)

(・・・あれ?やっぱり、あたし・・・シカトされてない?・・・というより、あたしの扱い雑過ぎない?)



 ドサっ!!

 避難する米山兄妹とバカコンビの目の前に、突如武装集団の一人が落ちてくる―――


 ―――そして落ちてきたまま地面で四人を目に入れることなくもがいていた・・・



「不意討ちなんて卑怯ですよ。正々堂々やりませんか?」



 ―――ある青年は騙され続け、それでも真っ直ぐ生きていた―――


 しかし、彼は正しさの意味を履き違えていた・・・そして、嘘吐きと出会い、やさしさに触れ、正しいとは人のためになることだと知った。

(僕のやり方も不意討ちになるかな・・・でも、四人は守れて、この人も感覚がないだけで殺したわけじゃないし、大丈夫だろう・・・)



「・・・兄さん・・・」

「・・・うん、僕達は、助けられて、今生きていられている・・・」



 ―――ある兄妹は他者を利用し、排除し、自分たちのみで生きてきた―――


 そんな彼らは今、他者に護られていた。敵だと思っていた他者に、生かされていた。・・・そして、そこに利害関係なんてものはなく・・・

(他者が敵だなんて・・・僕は・・・間違っていたのかもしれない・・・)

兄妹ふたりの世界より・・・こうやって大勢で助け合う世界の方が・・・



「この先に銃撃手が三人いるわ、私が囮になるから、紅君、頼んだわよ!」



 ―――ある嘘吐きは、義務に生かされていた―――


 自らの過ちを悔い、それを二度と起こさないように、という義務のろいに生かされていた・・・

(・・・私は、どうしてこうして囮にまでなって、他者に尽くしているのだろうか・・・何がしたくて、生きているのだろうか・・・)



 そうして彼らは「終点」にたどり着く―――――それぞれの想いを胸に――――――


ご閲覧ありがとうございます。ユーキ生物です。


予告していた通り、このDesire Gameも残り一話となりました。なかなか感慨深いですね。私ユーキ生物は最終回コンプレックス(?)なので、漫画とか、アニメとか、物語の最終話を見てしまうと結構な虚無感に襲われる体質でして・・・最後まで書けるか、といったところです・・・いえ、まぁ、一応現段階(後書き書いてる7月14日)では98%書き上がってるんですけどね。多分予定通り更新できると思います。次作の構想の方で頭いっぱいですし。ですので、ご安心ください、書いてますよ。


今作の反省を活かし、次作「戦士達ハ世界ニ其ノ名ヲ謳ウ」を書けたら、と思います。例えば、今作、キャラの設定を疎かにし、セリフを書いていて、誰の発言かとかわからんかったかと自覚しております。あとはやっぱり情景描写とか・・・ですので現在、設定を細かく作り込んでおります。どこまで改善するかはわかりませんが・・・最終話を投稿すると評価とか、感想とか、読者の方々にいただけるようになるそうなので、よろしければご意見をいただければと思います。今後の作品に活かしたいです。


さて、恒例となりつつある次作のチラ見なんですけど・・・冒険ものの異能力もの、みたいな話はしたかと思います。ですので、ざっと異能力の一部を語ろうかと思います。・・・まぁ、異能力に魅力があるような作品かはわかりませんが・・・「戦士達」は王位継承のバトルモノです、その双子王子が主人公なんですけど、片方の王子の能力が一応最強ということになってます。王の家系のみに発現する「言葉」の能力です。「言ったことがそのまま世界の決まりになる。」能力です。Desireでいうトコの利彦のスキルの超上位互換、といった感じでしょうか。あとは、神具、神体、という要素があり、これが異能力の基本となります。驚異の速度で走ることができる「神の靴」、氷や雪を操る「神の腕」、回復能力を持つ「神の血」、分身能力を持つ「神の糸で織った生地」等々、神具、神体を戦闘の基本とします。

あとは、見どころの一つ(の予定)が、「名乗り」です。戦士達は、戦う時に世界にその名を知らしめるための名乗り口上を上げます。これが未だに練っている部分で、カッコ良くできたら、と推敲を重ねております。上手くできればいいんですけど・・・


そんなこんなで次作も進んでおりますので、本作に引き続き、お読みいただければ、と思います。

では今回はこの辺で。


次回更新は7月22日金曜日20時を予定しております。

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